Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2026年8月号

実践報告 私学の授業

武蔵野大学中学校

協働する力と課題解決力で
FLL世界大会へ

中高のメンバーが力を合わせ、ロボット製作と日本文化を伝える課題に挑戦
アメリカ・ヒューストンで開催された世界160カ国が競う世界大会『FLL World Festival』に出場したLEGO部のメンバー。写真は世界大会「ロボットゲーム」部門のラウンドに、自作のLEGOロボットで挑んでいる様子。

探究シーン1
アメリカ・ヒューストンで開催された世界160カ国が競う世界大会
『FLL World Festival』に出場したLEGO部のメンバー。
写真は世界大会「ロボットゲーム」部門のラウンドに、自作のLEGOロボットで挑んでいる様子。

 レゴでロボットを作るだけでなく、社会課題をテーマにした調査・発表も行う『FIRST® LEGO® League』。中高生が共に活動する同校LEGO部が世界大会に出場! 自分たちのアイデアをワールドワイドに発信しました。

200回以上の試作を
重ねたロボット開発

 探究的な学びを教育の柱に据え、自ら考え行動する力を育む武蔵野大学中学校。中1からPBL(課題解決型学習)に取り組み、社会や身近なテーマについて考察を深めながら、思考力・表現力・協働力を育んでいます。

 その学びを体現する象徴といえるのが、LEGO部の活躍です。中高合わせて約40名が所属し、毎年国際的なロボット競技会『FIRST® LEGO® League(以下FLL)』(※)に挑戦し、関東大会で3年連続で総合1位を獲得するなど好成績を収めています。『FLL2025–2026シーズン』では、中1から高1まで(当時)の9名で構成されたチーム『MUL-TROVE』が関東大会、全国大会で優勝。日本代表としてアメリカ・ヒューストンで開催された世界大会に出場する快挙を成し遂げました。

「FLLは単なるロボットコンテストではありません。LEGOで製作したロボットによるミッション達成だけでなく、社会課題に対する解決策の提案、ロボット設計の工夫、チームワークなどが総合的に評価される大会です。
 FLLへの挑戦に必要な力は、まさに本校のベースとなるPBL型授業や言語活動で育成している『社会課題を解決し、世界に貢献できる力』そのものです。世界大会まで到達できたのも、こうした日頃の学びがあるからだと考えています」(LEGO部顧問・教務部副部長・理科/児嶋誠先生)

※FIRST® LEGO® League(FLL)…自律型ロボットで2分30秒の間にミッションの攻略をめざす『ロボットゲーム』と、『イノベーションプロジェクト』『ロボットデザイン』2分野のプレゼンテーション、FLLの理念を体現する『コアバリュー』の4つの部門で構成されています。

テーマの“考古学”に沿って
伝統文化を未来へつなぐ提案

 大会へ向けたチームの準備は、FLLが掲げる理念やミッションを理解し、どのような姿勢で活動すべきかを話し合うところから始まりました。昨年の8月にテーマ「UNEARTHED(考古学)」が発表されたことを受け、それぞれの役割に分かれて本格的な活動をスタートさせました。

「ロボット競技の部門では、発掘現場の表面清掃や鉱坑の探査、慎重な回収など、さまざまなミッションが発表されました。それらを確実に成功させるため、ロボットの試作を200回以上繰り返しました」と話すのはロボット製作を担当したKさん(中2)。わずかな角度の違いや部品配置の工夫が結果を左右するため、失敗のたびに原因を分析して改善を重ね、より精度の高いロボットへと磨き上げていきました。

『イノベーションプロジェクト』担当の生徒たちは、「考古学」のテーマを深掘りするため明治大学の教授に取材。博物館での調査も通じて、日本各地に伝わる伝統的な編みかごの技術が失われつつある現状を知ります。

「そこで私たちは、多摩地域に伝わる『めかいかご』の文化を次世代につなぐ方法を考えました」(Kさん/中3)

 生徒たちは地域の方々から編み方を学び、里山に自生する篠を使った伝統工芸と、石灰石から作られる革新的な素材「LIMEX」を組み合わせた『めかいかご製作キット』を開発。日本語と英語を併記した説明書を作成し、編み方だけでなく、歴史的背景や自分たちの思いも盛り込みました。完成したキットは生徒たちが自ら浅草で外国人観光客に配布し、QRコードを使ったアンケート調査で反応を確かめました。多くの好意的な意見が寄せられ、その成果をプレゼンテーションの題材としてまとめていきました。

 関東大会、全国大会を制したチームのメンバーは、ロボットの改良や英語でのプレゼンテーション練習などそれぞれが修練を重ね、アメリカ・ヒューストンでの世界大会に挑みました。

「アメリカ行きが決まった時は夢のようでした。言語の壁はありながらも、イタリアや韓国などいろいろな国から来た同世代の人たちと交流することができ、一気に世界が広がりました。
 今回のメンバーは9人中6人が初心者でしたが、支えてくださった先生と先輩に感謝です。次年度も後輩が世界大会に出場できるようしっかりサポートするつもりです!」と、リーダーのHさん(高2)は笑顔で話します。

FLLに出場した中1~高1(当時)の有志チーム『MUL-TROVE』。メンバーのうち6名はレゴロボット製作の初心者だったそうです。探究シーン2
FLLに出場した中1~高1(当時)の有志チーム『MUL-TROVE』。メンバーのうち6名はレゴロボット製作の初心者だったそうです。
FLL世界大会では、各国がブースを出し、プレゼンやロボットを紹介し合います。他国の生徒たちと言葉を超えた交流が生まれました。探究シーン3
FLL世界大会では、各国がブースを出し、プレゼンやロボットを紹介し合います。他国の生徒たちと言葉を超えた交流が生まれました。
生徒に聞きました
世界の同世代との交流で
視野が広がりました
チームリーダー・ロボットゲーム Hさん(高2)チームリーダー・ロボットゲーム担当 Hさん(高2)

 全国大会を目標にしていたので、それ以上の結果を得られたうれしさと同時に、驚きも感じました。世界大会は、日本の大会とは全く違うお祭りのようなノリで、テンションが上がりました。

 他国の同世代との交流も楽しかったです。『めかいかご』のキットを一緒に作ったり、ポケモンの話で盛り上がったり。日本へのリスペクトを感じ、誇らしい気持ちになりました。FLL出場は16歳までなので、次年度は後輩が世界大会に出られるようしっかりサポートするつもりです。将来の目標は数学の先生になることです。先生になって今回の経験を生徒に自慢します!


世界大会での経験を力に
次は世界一をめざします
イノベーションプロジェクト担当 Kさん(中3)イノベーションプロジェクト担当 Kさん(中3)

 テーマの「考古学」を深掘りしながら調査を進めていくなかで、考古学分野の大学教授や『めかいかご』の伝統を守っている地域の方々など、普段は出会えない人たちとの交流を通して、大きな学びを得ました。

 浅草で外国人観光客にキットを配ったことも、貴重な経験でした。「日本の伝統工芸です」と伝えると興味をもってくれる人が多く、たくさんの温かいフィードバックをいただきました。活動を通して、自分から人に話しかけたり、相手の意見を聞いたりする力が身についたと感じています。今回はサブリーダーでしたが、次の大会ではリーダーとしてチームを引っ張り、世界1位をめざしたいです!


「ロボットのことなら任せて!」
と言えるまでスキルが向上
ロボットゲーム担当 Kさん(中2)ロボットゲーム担当 Kさん(中2)

 小さい頃からLEGOは好きでしたが、入部当初はプログラミングの知識がほとんどなく、先生や先輩に教わりながら自分でも調べ、改良を重ね、一つのロボットを完成させるのに1カ月ほどかかりました。その経験を通して、諦めずに挑戦し続ける力やコミュニケーション力、積極性も身についたと感じています。

 世界大会では、イタリアのチームが歌やダンスで盛り上がるなど、多様な文化に触れることができました。英語でのプレゼンも、ネイティブの先生の指導のもと何度も練習したことで自信につながりました。次のロボットゲームでは満点をめざします!

先生に注目!①
成功体験を糧に
たくさんの挑戦をしてほしい

 生徒たちは細かいところまで改善を繰り返し、粘り強く頑張っていました。小さな努力を地道に重ねて大きな成果を得たという成功体験は、今後の人生で彼らのベースになると思います。

 日頃から生徒たちには、「失敗を恐れず、どんどん挑戦してほしい。挑戦した結果うまくいかなかった時は、教員がしっかりサポートする」と伝えています。そうした環境の中で、LEGO部の生徒たちは学年を重ねるごとに主体性や積極性を育み、その姿勢が後輩たちにも良い影響を与えていると感じています。(LEGO部顧問・社会科/玉野井大樹先生)


先生に注目!②
自ら学び続ける姿勢が
世界への挑戦を支えました
児嶋誠先生

 生徒たちはどんなことも自分たちで調べ、それでもわからない点は先生や先輩、専門家へ聞きにいくという姿勢で努力を重ねていました。そうした姿勢は、日々の言語活動やPBL型授業を通して培われていることを改めて実感しました。世界大会では受賞に至らず、悔しい思いをしたことも良い経験の一つだと思います。その気持ちをバネに、次に向けて何が足りなかったのかを考え、改善し、挑戦を続けてほしいですね。(LEGO部顧問・教務部 副部長 理科/児嶋誠先生)


先生に注目!③
世界の広さと多様性を体感
英語学習への意欲も向上

 英語指導を担当し、ネイティブ教員とともにプレゼンテーションの練習をサポートしました。生徒たちは原稿を何度も読み込み、発音や表現を一つひとつ確認しながら、より伝わるプレゼンテーションへと磨き上げていきました。その向上心は非常に高く、短期間で大きく成長する姿がとても印象的でした。

 また、LEGO部は学年の垣根を越えて仲が良く、先輩が後輩を自然に支えながら、チーム一丸となって挑戦する雰囲気があります。世界大会で生きた英語や多様な文化に触れた経験は、生徒たちの視野を大きく広げてくれたと思います。(LEGO部顧問・英語科/加藤健太先生)

進学通信 2026年8月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ