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私立中高進学通信

2026年8月号

注目! News and Topics

東洋大学京北中学校

独自の理数教育「KSST Jr」「KSST」
「未来の科学者育成プロジェクト」で成果

高3対象の「KSST」では、iPS細胞などさまざまな先端技術を扱う企業とのワークショップも行われています。

高3対象の「KSST」では、
iPS細胞などさまざまな先端技術を扱う企業とのワークショップも行われています。

2019年から展開する
独自の理数教育
理数探究部部長/齋藤楓大先生理数探究部部長/齋藤楓大先生

 東洋大学を創立した哲学者・井上円了によって1898(明治40)年に創設された東洋大学京北。「本当の教養を身に付けた国際人の育成」を教育理念に掲げ、「哲学教育」「国際教育」「理数教育」を柱とした教育を行っています。

 なかでも理数教育は、大きく3つのプロジェクトが用意されています。中学でフィールドワークなどを行う「KSST Jr」、中3生対象の東洋大学との中高大連携プログラムで科学的探究活動を行う「未来の科学者育成プロジェクト」、そして高校生を対象に大学の理系研究室訪問や企業とのワークショップ、国際的研究施設の見学などを行う「KSST(※)」です。これらが生徒の理数分野への興味・関心を高め、将来の進路選択をよりいっそう広げており、5年間この理数教育を受けてきた2025年度の卒業生からは、総合型選抜入試で、横浜国立大学への進学者も出しています。

「2019年に『未来の科学者育成プロジェクト』を始めた当初は、生徒は大学の先生方から与えられるテーマのなかで試行錯誤をしていました。ですが年を追うごとにやりたいこと、より自分たちが興味をもつことに積極的に取り組むようにシフトしてきています」

 そう話すのは、理数探究部部長の齋藤楓大(ふうた)先生です。

「2025年度の卒業生は、新型コロナ・ウイルスの流行でいろいろなことができなかった学年なので、『行事があるなら参加したい』という意欲が特に強かったように思います。彼らが中3の時のKSST Jrの観音崎臨海実習を行った際には、中学の3学年で100人を超える応募があり、当初の予定を変更して応募者を2チームに分け、2回実習を行いました。予想を超えた生徒たちの前向きな姿勢は、私たち教員にとってはうれしい驚きでした」と、理科を担当する赤石裕美恵先生は話します。

 こうしてスタートした中学での理数教育プログラムを充実させていくと同時に、高校ではKSSTの準備が進められており、生徒たちへのアナウンスも行われていたといいます。

「例えばKSSTではハワイ島でのフィールドワークや国際的研究施設の見学、東京大学などの研究室訪問、再生医療を研究する企業とのワークショップなどを準備し、中学で取り組んでいる探究をさらに幅広く、より踏み込んで行える環境が高校で用意されていること、それらを経験することで将来の進路が広がることを周知していきました。そうして整備された『KSST Jr』『未来の科学者育成プロジェクト』『KSST』の全てを最初に経験したのが、2025年度の卒業生たちなのです」(齋藤先生)

※KSST…KEIHOKUスーパーサイエンスチーム。特化した理数教育を行う希望制のプロジェクトチーム。

一つの興味が勉強への
前向きな姿勢を育てる
理科/赤石裕美恵先生理科/赤石裕美恵先生

 こうした同校の取り組みは、早くも成果を生み出しています。

「『未来の科学者育成プロジェクト』や『KSST』などの校内の活動を通して興味を刺激され、校外の『RIKENサイエンス合宿』などに応募して選抜された生徒がいました。彼女は東京都の高校生世代チャレンジアシストプログラム(東京都教育委員会・東京スポーツ文化館による助成)に参加するなど、校内外のさまざまなものを活用して探究に取り組み、総合型選抜で横浜国立大学への進学を決めました」(赤石先生)

 こうした成果を踏まえて、今後はさらに「探究」を強化していきたいと齋藤先生は話します。

「現在授業として『探究』に取り組んでいるのは高校だけなのですが、今後は中学も含めた6年間で取り組むことを考えています。本校では入学当初から『挑戦することの大切さ』を生徒たちに伝えていますが、それを6年間の探究で突き詰め、自らの進路を勝ち取る力に昇華してほしいと思っています」

 そうした教育を行うことで、「理数だけでなく、アカデミックに物事を考えられる生徒を育てたい」と齋藤先生と赤石先生は口を揃えます。

「何かに興味をもつと、関係する物事にも興味が湧き、学習に前向きに取り組むための原動力となります。本校の理数教育がそうした姿勢の生徒が増えるきっかけとなるよう、今後も充実させていきたいですね」(赤石先生)

「やりたいことを見つけるためには、興味のある分野にアンテナを張ることが必要になります。将来へつながる電波を逃さずキャッチするためにも、いろいろなことに興味をもつ生徒を育てていきたいと思っています」(齋藤先生)

東洋大学の教授による指導のもとで研究活動を行う、中3生が対象の「未来の科学者育成プロジェクト」。東洋大学の教授による指導のもとで研究活動を行う、中3生が対象の「未来の科学者育成プロジェクト」。
中学生対象の「KSST Jr」の伊豆大島フィールドワーク(2泊3日)で、地層を観察する生徒たち。中学生対象の「KSST Jr」の伊豆大島フィールドワーク(2泊3日)で、地層を観察する生徒たち。
観音崎で磯の生物観察などを行う「KSST Jr」の臨海実習。観音崎で磯の生物観察などを行う「KSST Jr」の臨海実習。
校内で行われた「未来の科学者育成プロジェクト」の中間発表会の様子。校内で行われた「未来の科学者育成プロジェクト」の中間発表会の様子。
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