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私立中高進学通信

2026年8月号

生成AI活用事例

芝浦工業大学附属中学校

思考を深める学びの
パートナーとして活用

AIを使って生徒が作成した画像

AIを使って生徒が作成した画像
『AIによる制作物に著作権を認めるべきか』をテーマにレポート課題を実施し、
生徒一人ひとりが自分の意見を整理しながら、多角的に考察しました。

 芝浦工業大学附属では、AIを単なる便利なツールではなく、「学びのパートナー」として積極的に活用しています。工学系大学の附属校として、全ての教員が理工系の素養を備え、各教科の学びの中にその視点を取り入れている点も特徴です。こうしたデジタルと理工の基盤を背景に、同校ならではのAI活用が広がりつつあります。

 今回はその中から、中1の数学、高校社会科における論文作成、そして生徒による自主的な活用事例も紹介します。

REPORT
中1 数学
AIを“学習アドバイザー”に
楽しみながら学ぶ自立学習の実践
「個別アドバイス用アプリを作りました」
数学科教諭
市川和貴 先生

 生徒が本当に力を伸ばすのは、教員が一方的に教え込んでいる時ではなく、自ら学び、考え、アウトプットしている時です。本校ではその土台づくりとして、中学で週2〜3コマ『Self Development(SD)』の時間を設け、自立学習を大切にしています。その一環として、自学自習用の学習アプリを開発し、中1の数学で活用を始めました。AIを使っても学びの本質は変わりません。むしろAIを活用することで、一人ひとりの課題や思考のプロセスをより細かく分析し、個別最適化した学びにつなげています。さらに現在は、手書き漢字をOCRで判定するアプリも授業で活用しており、今後はさまざまな教科へ展開していく予定です。

生徒一人ひとりのつまずきや苦手分野の傾向を、
データによって視覚的に把握できます。

教員側も、生徒一人ひとりの進度やつまずきの傾向を
把握・分析できる点が大きなメリットです。

アイコンの獲得やランキング機能など、
ゲーム感覚で楽しみながら取り組めます。

生徒は単元ごとに、自分のペースで問題に取り組みます。
ランキング機能や、レベルに応じて獲得できるアイコンなど、
ゲーム感覚で楽しみながら学べる工夫も取り入れられています。

AIから的確なアドバイスを得るための、
適切なプロンプトも提示されます。

生徒の解答内容をもとに、
AIからアドバイスを受けるためのプロンプト(指示文)を自動生成する仕組みも導入。
その内容をChatGPTやGeminiなどに入力することで、
生徒自身が“AI学習アドバイザー”として活用できるようにしています。


高校 社会科
AIを“相談相手”に深める思考と表現
レポート指導の新しい形
社会科担当 菅原聡 先生「AIとの対話から自分の考えを磨きます」
社会科担当
菅原聡 先生

 高校社会科では、生成AIをレポート作成に活用しています。社会科では、学んだ知識をもとに自分の考えを深め、表現することが大切ですが、これまでは一人ひとりに十分なフィードバックを返すことには限界がありました。生成AIを個々の論文添削指導に活用することで、生徒が自分の思考を整理し、多角的な視点を得ながら学びを深められるようになっています。すぐに正解を求めるのではなく、『自分ならどう考えるか』に向き合えるテーマ設定を意識し、さらに評価ルーブリックを明確に示すことで、生徒自身がAIとの対話を通して文章を見直し、自分の言葉で表現する力を育てられるように工夫しています。単に答えを求めるのではなく、『どう考えるか』を支える相談相手としてAIを活用してほしいと考えています。

AIから適切なフィードバックを得られるよう、
先生方が評価ルーブリックやプロンプトをていねいに設計しています。

INTERVIEW
仲間と高め合う中で育つ力
高3 Yさん「エンジニアの自覚が育っています」
高3 Yさん

 社会科の授業で自分の書いたレポートをAIに評価させるのですが、自分の考えを客観的に見直す機会になったと同時に、使い方を工夫する大切さも実感しています。また、AIには人との信頼関係や温かさといった部分は代替できないとも感じました。

 私が所属する電子技術研究部の広報部では、アプリの開発、記事の作成、メール配信、進捗管理などの業務効率化にAIを活用しています。生成AIに関心が高く、最前線の知識をもつ仲間とAIを使っていくなかで、技術力だけでなく、マナーやモラルを含めた情報リテラシー、さらにエンジニアとしての自覚やチャレンジ精神も自然と育まれています。


書いて学ぶことも大切に
中1 Mさん「楽しみながら自分のペースで学べます」
中1 Mさん

 数学は得意なので、アプリだと気軽に、自分のペースでどんどん問題を解き進めていけるのが楽しいです。でも、やっぱり自分の手で書かないと覚えにくい教科や分野もあると感じています。生成AIはすぐに答えが出てきて便利ですが、全部をそのまま信じるのではなく、自分で考えながら上手に使っていきたいです。


「解き方」を見てもらえる
中1 Hさん「解答の考え方までしっかり見てくれます」
中1 Hさん

 数学は答えだけでなく、どう考えて解いたかも大切です。AIで自分の解き方まで見てもらえると、頑張ろうという気持ちになります。最初はAIとの付き合い方が難しかったのですが、自分で考える部分と、アドバイスを参考にする部分が少しずつわかってきました。自分のペースで学習できるところも良いと思います。

中高合わせて約170名が在籍する電子技術研究部には、ITやAIに詳しい仲間が多くいます。
テスト対策用にフラッシュカードを作ったり、
動画編集のエフェクトを相談した結果を情報共有したりして、学びを深めています。

進学通信 2026年8月号
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