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私立中高進学通信

2026年7月号

未来を切り拓くグローバル教育

サレジアン国際学園中学校

グローバルなイノベーターを育む
理数探究の『MEDICO』

本科クラス『ロボティクス・プログラミングゼミ』の活動風景。日常生活や社会をより良くしていくため、アプリやロボットの制作に取り組んでいます。

本科クラス『ロボティクス・プログラミングゼミ』の活動風景。
日常生活や社会をより良くしていくため、アプリやロボットの制作に取り組んでいます。

 先進的な英語環境と探究学習で注目を集める同校。2026年度より始動した『MEDICO(メディコ)』は、理数を中心とした学びによって次世代のイノベーターを育む新プロジェクトです。

日々のグローバル環境が
「世界基準の理数研究」の土台
募集広報部長/宮島健太郎先生募集広報部長/宮島健太郎先生

 開校から5年目を迎え、年々人気が高まっているサレジアン国際学園。特にインターナショナルクラスでは、グローバル社会で活躍できる力の育成に期待が大きく、高い英語運用能力をもった生徒が数多く入学しています。

 そんな活気あふれる同校の本科クラス内に新たに設置されたのが、理数特化プログラム『MEDICO(メディコ)』(※1)で、2026年4月に第1期生が入学しました。まずは募集広報部長の宮島健太郎先生に、その前提となる同校の学習環境について伺いました。

「本校の大きな特徴は、“日常の中に世界がある”というグローバルな環境です。本校には、専門的な学びを深めることで多様な進路を実現する『本科クラス』と、日英のバイリンガル環境で論理的思考力を伸ばす『インターナショナルクラス』という2つのクラスがあります。中1の段階では、これら2クラス混合の『ハイブリッド学級』を編成し、帰国生や高い英語力をもつ生徒と、これから本格的に英語を学んでいく生徒が同じ教室で過ごします。
 本校には約30名もの専門性をもった外国籍の教員(IT:International Teachers)が在籍しており、ダブル担任制のもと朝礼も英語で行われるなど、中1から本物のグローバル環境に身をおくことになるのです」

※1 MEDICO…MEDICOとは “Mastery Education for Dedication with Innovation, Curiosity, Originality” の略で、「革新性・好奇心・独創性をもって、社会に貢献するための、ひたむきな学び」を意味します。

数学・理科は、中2から
MEDICOだけの取り出し授業
教頭/尾﨑正靖先生教頭/尾﨑正靖先生

 さらに同校では、全教科において、『PBL型授業』(※2)を実践し、生徒一人ひとりの論理的思考力や表現力を養っています。本科クラスでは、個人研究『ゼミナール』の授業を展開しており、その成果を国際大会で発表して高評価を得る生徒も出てきています。こうしたグローバルかつ探究的な土台のうえに、さらなる専門性を深める学びの場として『MEDICO』が誕生しました。

 MEDICO設置の背景や教育内容について、教頭の尾﨑正靖先生は次のように語ります。

「MEDICOは、本校の『本科クラス』のなかに位置づけられるプログラムです。理数系やデータサイエンスを深く学びたいという生徒たちの知的好奇心を高め、医学・医療系への進学をめざす生徒の希望に応えることはもちろん、大学進学後も主体的に学び続けられる生徒を育成するために設置を決めました。
 中1ではほかの本科クラスの生徒とともに、ゼミの前段階である『プレゼミ』を経験し、中2からは数学・理科の授業でMEDICOだけの『取り出し授業』を行います。これは単なる先取り学習ではなく、より専門的で高度な内容を、教科横断型の授業をベースに深めていくのが特徴です」

 MEDICOでの授業イメージは次のようなものです。例えば、「テントウムシ」を題材にした場合、その細胞、羽の構造や生態の観察は生物学に、「飛ぶ」動きの分析は物理学に、軌道の解析は数学の関数へとつながります。また、外敵から身を守るために出す液体の成分を調べれば、化学の領域にも入ります。

 一つの事象を多角的な視点から探究し、実験やデータサイエンスを駆使して分析する。それがMEDICOならではの学びです。指導にあたるのは、主に博士課程を修了した専門性の高い教員で、生徒たちを本格的な研究の道へと導いていきます。

※2 PBL授業…PBLは「Project Based Learning(プロジェクト型学習)」の略称。生徒が主体的に課題を設定し、社会課題や正解のないテーマに取り組みながら、調査・検討を重ねて解決策や提案を導き出す学習手法。

本科ゼミ『化創ラボ』の生徒たちは、理数分野のコンテスト『つくばサイエンスエッジ2026』に参加。本科ゼミ『化創ラボ』の生徒たちは、理数分野のコンテスト『つくばサイエンスエッジ2026』に参加。
化創ラボは、2025年夏にゼミ合宿を実施。大型放射光施設『SPring-8/SACLA』の見学ほか多彩な体験をしました。化創ラボは、2025年夏にゼミ合宿を実施。大型放射光施設『SPring-8/SACLA』の見学ほか多彩な体験をしました。
2027年度からは大学レベルの
研究環境が整う新校舎へ

 MEDICO生は本科クラスに所属するため、中2からは『ゼミナール(個人研究)』へ本格的に取り組みます。金曜日の午後に設定されたゼミの時間には、自分の興味・関心に基づいたテーマを、思う存分に探究することができます。

 こうした探究心をさらに加速させるのが、2027年に完成予定の新校舎です。新校舎には、化学・生物の専用的な実験器材が揃ったラボラトリーに加え、データサイエンス室が設置されます。インキュベーター(細胞培養装置)やドラフトチャンバー(有害物質を扱う際の安全装置)など、大学の基礎実習レベルの本格的な機材が揃います。

「新校舎の広いスペースを活用して校内で学会のポスター発表会を開催し、研究者から直接フィードバックをもらえるような機会も創出していく計画です。科学的な知識や技術を身につけるだけでなく、それをどう社会に役立てるかという倫理観をもった人を育てていきたいと考えています」(尾崎先生)

 MEDICO生がめざす将来は、国内の理数系大学への進学にとどまりません。同校ではすでに、校内で行う『アメリカ大学フェア』や、オーストラリア・台湾などの大学との交流を通じて、生徒のキャリア構想のなかに海外の大学で学ぶという選択肢が芽生えています。

「私たちの目標は、生徒たちが自らの興味・関心を深め、希望する進路を自ら実現できる力を育てることです。医学部をはじめとする医療系への進学支援をはじめ、データサイエンティストやエンジニアなど、さまざまな理系分野での活躍を国内外問わず期待しています」(宮島先生)

2027年4月の使用開始に向け、現校舎の敷地内に地上5階地下1階建ての新校舎を建築中。
教室やサイエンスラボなどの特別教室のほか、図書ラウンジやカフェ、体育館なども収容されています。

サレジアン国際学園▪クラス構成とサポート体制
本科クラス『ゼミナール』の成果が
探究型コンテストの世界大会へ
世界大会でも金賞を受賞するなど、研究成果が評価されています。世界大会でも金賞を受賞するなど、研究成果が評価されています。

 探究活動においては、すでに本科クラスの先輩たちが目覚ましい成果を上げています。2026年3月、大阪で開かれた『第3回学びの協奏コンテスト』において、本科クラスの『TEC~Technology・Energy・Cosmic~』ゼミナールに所属する高2生2名が大賞を受賞しました。そのうち1名は日本代表として、4月にカンボジアで開催される世界大会『ICIA2026』に出場しました。研究テーマは「温度に左右されない農業を目指して」。冷却素材を土の中に埋め、農作物の育成環境の温度を一定に保つという独自の農業手法を、実験をもとに提案。気候変動による高温環境に対応する独創的な技術として評価されました。

「生徒はポスター発表の資料を全て英語で作成しました。本校のネイティブ教員(IT)から指導を受け、専門的な英語のブラッシュアップを図れたのも、本校の環境ならではです。こうした先輩たちの姿は、これから本格的な研究を始めるMEDICO生にとって大きな刺激となるはずです」(尾﨑教頭先生)

(この記事は『私立中高進学通信2026年7月号』に掲載しました。)

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