私立中高進学通信
2026年7月号
海外大学・国際系学部への道
富士見丘中学校
英語学習と研究活動の積み重ねで
アイビーリーグ名門大学への進学を実現
M・Tさん(右)と模擬国連部顧問で英語科の田中裕樹先生。心地よい風が通るパティオにて。
実体験から生まれた探究心
21世紀の社会を生き抜く真のグローバル人材として、必要な能力や資質の育成に努めている富士見丘。2026年3月に卒業し、9月からアメリカのコロンビア大学工学部に進学するM・Tさんが同校で中高6カ年を過ごそうと入学を決めたのは、テニス部が強豪だったからだと振り返ります。
「小学生の時から競技テニスに打ち込んでいて、中学でもテニス部に入り、日々の練習や大会に全力を注いでいました。富士見丘が英語に力を入れる学校であることは、入学する前はそれほど強く意識していませんでした」(M・Tさん)
部活動で経験した出来事が、現在の進路へとつながるきっかけをもたらしました。
「中3の時に出場したテニスの大会で、暑さで体調を崩し、全力でプレーできずに後悔したことがありました。事前に確認していた予報では29度でしたが、当日は実際の気温が32度まで上がっていたんです。3度も違うと暑さ対策も変わってくるので、予報の精度は重要だと思いました」(M・Tさん)
彼女はこの実体験をきっかけに、気象をテーマとする研究活動へと踏み出しました。
「高1から、『天気予報の精度に影響を与える局地的要因等の分析』をテーマに研究活動へ取り組み、外部のコンテストにも挑戦しました。気象について専門的に学べるコロンビア大学工学部への進学を考え始めたのもこの頃からです。多様なバックグラウンドをもつ学生と共に学べる環境にも魅力を感じました」(M・Tさん)
着実な学びで伸ばした
生きた英語の力
英語の学習歴と習熟度に応じて4つのコースを設けている富士見丘。中学で英語特別コースBに在籍したM・Tさんは、日本人教員による英語の授業を通して4技能の基礎を着実に培いました。その後、英語力の伸びが認められ、高校ではアドバンストコース・インターへ進級。ネイティブ教員が全ての英語の授業を担うオール・イングリッシュの環境で学び、IELTSで7.5を取得するまでに実力をつけました。
「英語を勉強しているというより、学校生活のなかで英語を使うことはごく当たり前という環境だったと思います。授業中に洋書を読み、表現を分析するなかで、自然と英語を使えるようになり、より深い学習に取り組むことができました」(M・Tさん)
さらに、模擬国連部での活動も英語力の向上につながったと振り返ります。
「各国の大使役として社会課題を調べ、英語で議論し、最終的に決議案をまとめる一連のプロセスを経験して多くの大会に出場しました。一番楽しかったのは合宿です。先生にかき氷をごちそうになったり、夜は仲間と花火をしたり、かけがえのない思い出となりました」(M・Tさん)
模擬国連部顧問の田中裕樹先生は、M・Tさんの成長にある背景を次のように語ります。
「英語での発言に物怖じしないのは、発表機会の多い授業を通して4技能を磨き上げたことや、社会課題への当事者意識をもち、探究成果を発信することで自信を得た点が大きいですね。本校ではこうした学びを土台に、国内大学と同様に、海外大学もひとつの選択肢として考えることが可能です。高1で海外大学進学セミナーを実施し、実際に海外大学を志望する生徒には、英語での出願書類作成に助言する機会や、推薦状の依頼方法を支援する環境に加え、学習面でのサポート体制も整えています」(田中先生)
自主研究「5×2」が拓く
海外大学への道~希望進路の実現
研究で積み重ねた経験が進路選択の支えに
「6年間を過ごしたなかでその全てがかけがえのない思い出」と語るM・Tさん。海外大学の受験においては、「何を学びたいのか」という明確な動機と、それを裏付ける経験が重視されます。同校の自主研究「5×2」は、その基盤となっています。
「平日5日間の通常授業からの『学び』と、週末(土・日)2日間の自らの『研究』の相乗効果を期待して、『5×2』(ゴカケルニ)と名付けられています。自分で課題を設定し、調査や研究を重ねながら学びを深めつつ、学級担任を中心に教員が定期的に研究内容への助言を行い、内容の充実を図ります」(田中裕樹先生)
中学時代の実体験から気象に関心をもったM・Tさんは、「天気予報の精度に影響を与える局地的要因等の分析」をテーマとして研究活動に取り組みました。自らの関心を深めるなかで得た手ごたえとさらなる研究活動への意欲が、進路選択へとつながっていったのです。M・Tさんがコロンビア大学への出願に際し利用したのは「Early Decision(ED)」方式です。
「Early Decision(ED)は、第1志望の大学に早い時期に出願し、合格した場合は入学を約束する制度です。“なぜこの大学でなければならないのか”“何を学びたいのか”をエッセーなどで明確に示すことが求められます」(M・Tさん)
「5×2」の研究活動で積み重ねた経験をもとに、M・Tさんも自身の関心や将来像を言葉にしました。
「結果だけではなく、そこに至るまでの過程をどう伝えるかが大事だと感じました。研究で積み重ねてきた経験が、進路を考えるうえで大きな支えになったと思います」(M・Tさん)
全国の高校生と高等専門学校生を対象に行われた、科学技術の自由研究コンテスト「JSEC(Japan Science & Engineering Challenge)」に出場したM・Tさん。
研究を通して培った、自ら調べ、考え、まとめる力が、希望する進路の実現に結びつきました。模擬国連部で磨く
世界と対話する力
自ら考え、行動し
議論する力を養った部活動
海外大学進学において重視されるのは、語学力だけではなく、自ら考え、行動し、他者と議論する力です。その力をM・Tさんは模擬国連部の活動を通して身につけました。
「まず担当する国が決まったら、その国の立場や背景を調べてスピーチを準備し、議論に臨みます。部内では、国の割り振りや活動の進め方も生徒が決めていくので、英語面だけでなく、議論に至るまでの一連の過程も含めて大きな学びになりました。各国のスピーチの後には、他国との質疑や交渉が続き、最終的に決議案をまとめていきます。自国の主張だけを通そうとするのではなく、ほかの国の立場も踏まえながら、どう合意点を見つけるかを考える必要がありました」(M・Tさん)
活動を通して、論理的思考力と発信力を身につけていったM・Tさん。その力は、「第71回国際理解・国際協力のための高校生主張コンクール 東京都大会」での金賞受賞にもつながりました。
「『日本に住む外国人児童・生徒の学習支援』をテーマに新たなSDGsの取り組みを提案しました。コンクールを通して、調査した内容を伝えるだけではなく、自分の考えをどう言葉にして届けるかを考えるようになりました」(M・Tさん)
田中先生は、模擬国連部の活動についてこう語ります。
「模擬国連部の活動は、英語力の向上にとどまりません。大事なのは、正解を出すことではなく、自分の考えをもって議論に参加することです。調べる、考える、伝える、聞き取る、そして調整するという一連のプロセスを経験することが、主体的に学ぶ力を育てていきます。こうした力は、海外の大学を希望の進路として定める意欲と勇気を育むことにもつながります」
「第71回国際理解・国際協力のための高校生主張コンクール」東京都大会では、外国人児童・生徒向けの日本語学習支援活動の実体験から得た成果と課題をまとめてスピーチしたM・Tさん。見事金賞を受賞しました。
国際関係に関する洋書や文学作品を読み、現在の話題や使われる表現を分析するなかで、自然と英語に触れる毎日を過ごしました。(この記事は『私立中高進学通信2026年7月号』に掲載しました。)
富士見丘中学校
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚3-19-9
TEL:03-3376-1481
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