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私立中高進学通信

2026年特別号

校長先生はこんな人!

西武台千葉中学校

一人ひとりの可能性を引き出す
多彩な挑戦の場となる学校へ

中村 淳一 (なかむら・じゅんいち)西武台千葉中学校・高等学校校長
1964年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、英語科教諭として千葉県の公立高校に勤務。
市立柏高等学校、成田国際高等学校で教頭を務めた後、2020年4月から2023年3月まで市立柏高等学校校長、
2023年4月から2026年3月まで千葉県立流山おおたかの森高等学校校長を歴任。
2026年4月、西武台千葉中学校・高等学校校長に就任。

原点は小学校時代に
出会った一人の先生でした

 私は神奈川県横浜市で生まれ育ちました。子どもの頃は外で遊ぶことが大好きで、決して勉強熱心なタイプではなく、今振り返ってみると、生徒のお手本になるような子どもではなかったと思います。

 そんな私を大きく変えたのが、小5の時に担任になった先生との出会いです。その先生は厳しさのなかにも温かさがあり、子どもたち一人ひとりの良いところを見つけ、それをクラス全員に伝えてくださいました。「この子はこんなことが得意だから、この役割を任せてみよう」。そうやって子どもたちがお互いを認め合える雰囲気を、半年ほどかけてつくりあげていったのです。

「自分にも得意なことがある」「友達にも良いところがある」と皆が思えるようになり、クラスは少しずつ変わっていきました。その様子を見て、「こんな先生になりたい」と思い立ったことが、私の教員としての原点です。

 中学・高校ではバレーボール部に所属しました。顧問の先生からは、努力を続けることの大切さや、人として成長することの意味を教わりました。教員になるなら授業だけではなく、部活動も含めて生徒と関わりたいという思いもこの頃に芽生えました。

 その一方で、高校時代には洋楽にも夢中になり、「英語をもっと理解できるようになりたい」と考え始めます。大学では英語を学び、卒業後は千葉県の公立高校で英語教員となりました。その後38年間、公立高校で教諭、教頭、校長を務め、このたび縁あって西武台千葉中学校・高等学校の校長に就任しました。

 私立学校も、中高一貫教育も私にとって初めての経験です。しかし、新しい環境だからこそ挑戦しがいがあるとも考えています。

「武の精神性」を土台に
一人ひとりの可能性を育てたい

 西武台千葉には、創立当初から大切にしてきた「武の精神性」があります。

 礼儀や思いやりを大切にしながら、人として成長していく。この考え方は授業のみに限らず、部活動や学校行事、補習など、学校生活のあらゆる場面に息づいています。

 私自身、この学校に来て最も感心したのは、生徒たちの素直さと礼儀正しさです。

 朝の登校指導では、自然に気持ちの良い挨拶を返してくれます。授業や部活動を見学した際も生徒たちの表情は明るく、学校行事にも主体的に取り組んでいます。

 先日の終業式では、「この1学期間であなたはどのようなことに挑戦してきましたか」と問いかけた後、「近くの人と話し合ってみましょう」と促すと、生徒たちはすぐに隣の友達と意見を交わし始めました。その姿がとても印象に残っています。また、「グローバル人材とは何だろう」をテーマにした話もしました。

 グローバル人材に求められる力の一つは、自分の考えをもち、それを相手に伝えながら対話できることです。言われてすぐ行動に移し、自然に意見を交わす生徒たちの姿に、日頃の学校生活や学びの積み重ねがしっかり根付いていることを実感しました。

AI時代だからこそ
人とのつながりを大切に

 時代は大きく変わっています。AIが発達し、人と直接会わなくても、多くのことができるようになりました。

 しかし、だからこそ「人と人とのつながりがより重要になる」と私は考えています。

 SNSだけでは伝わらないことがあります。相手を思いやる気持ちや、互いを認め合う姿勢は、人との関わりの中でしか育ちません。

 最後は結局「人」なのです。西武台千葉が大切にしてきた「武の精神性」は、これからの時代にこそ必要な価値観だと思っています。

 そしてもう一つ、生徒たちに伝え続けたいことがあります。

 それは、「挑戦しないことのほうがリスクである」という考え方です。失敗は成長の糧になります。失敗を恐れて何も挑戦しないことは、自分の可能性を自ら閉ざしてしまうことになります。

 4月の校長就任直後、私は先生方にも「生徒には期待すれども、落胆せず」という言葉を伝えました。

 結果だけに一喜一憂するのではなく、生徒一人ひとりの可能性を信じ、何度でも生徒の挑戦を支えてほしいという思いを込めています。

 そのためにも、地域や企業、大学との連携をさらに発展させ、生徒たちが授業だけでは出会えない学びや体験に触れる機会を増やしていきたいと考えています。現在、本校では将来の道として「教員」「医療人」「情報クリエイター」をめざす生徒に対し、「教員養成プロジェクト」「メディカルプロジェクト」「ICT未来創造プロジェクト」を用意しています。この「3大プロジェクト」を軸に、学びを教室の外へ広げる取組を進めています。

 例えば東京情報大学とは、ICT分野だけでなく看護学部との連携も視野に入れ、医療と情報を組み合わせたデータ分析など、分野を横断した学びを構想しています。一つの専門にとどまらず、多様な世界に触れることで、「自分にはこんな可能性もあるのか」と気付くきっかけをつくりたい。それが私の願いです。

 生徒たちは、自分で限界を決めてしまいがちです。しかし、大人から見れば、まだまだ大きな伸びしろを秘めています。その可能性に気づき、一歩を踏み出す勇気がもてるよう、学校としてさまざまな学びの場をよりいっそう充実させていきたいと思っています。

私自身も挑戦を続け
生徒と一緒に成長していきたい
普段は電車で通勤している中村校長。この日は愛車のバイクで出勤されたため、記念に一枚撮影しました。土曜日などはバイクで学校へ通うこともあるそうです。普段は電車で通勤している中村校長。この日は愛車のバイクで出勤されたため、記念に一枚撮影しました。土曜日などはバイクで学校へ通うこともあるそうです。

 生徒に挑戦を促す以上、私自身も挑戦を続けたいと思っています。

 実は、公立高校で校長を続ける選択肢もありましたが、あえて私立学校という新しい環境へ飛び込みました。慣れた場所にいるほうが楽だったかもしれませんが、私自身が挑戦しなければ、生徒に挑戦の大切さは伝えられません。

 高校時代に夢中で読んだカール・セーガンの『コスモス』には、人類は宇宙の歴史から見ればほんの小さな存在に過ぎないと描かれています。でも、その奇跡的に生まれた、限られた人生だからこそ、一日一日を大切に生きたい、そう思ったことを今でも覚えていますし、その思いは今も変わりません。

 私が思い描く西武台千葉の未来は、生徒たちが学校で学んだことを土台に、自ら世界へ飛び出していく姿です。

 部活動でも、探究活動でも、教養講座でもかまいません。一人の挑戦が次の挑戦を生み、「自分もやってみよう」と仲間を刺激していく。そんな学校でありたいと思っています。

 人生において中高時代をどのような環境で、どのような人たちに囲まれて学ぶかはとても重要です。中高一貫校には、高校受験に追われることなく、自分の興味や可能性をじっくり育てられる6年間があります。そして何より、この学校には礼儀正しく、互いを認め合える仲間がおり、安心して学ぶことができます。

 そんな仲間と共に過ごす6年間は、きっと人生を大きく成長させてくれるはずです。一人でも多くの皆さんに、この西武台千葉で新しい挑戦を始めてほしいと願っています。

[沿革]
1986年に高等学校、1992年に中学校を開校。今年で高校は創立41年、中学校は35年目を迎え、卒業生は1万人を超えています。「豊かに知性を磨き 美しく心情を養い 逞しく身体を鍛えよ」という校訓のもと、知・徳・体の調和のとれた全人教育を実践。進学指導では国公立大学や難関私立大学への進学を支援するとともに、将来の夢や進路に応じた特色ある学びも充実。「教員養成プロジェクト」「メディカルプロジェクト」「ICT未来創造プロジェクト」の3大プロジェクトでは、大学や企業、地域と連携した研修や体験活動を通して実践的な学びを展開。生徒一人ひとりの可能性を広げています。

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