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私立中高進学通信

2024年9月号

基礎学力の育て方

日本大学第一中学校

毎日の積み重ね学習が
学習習慣の構築と
基礎学力の向上に結実

芹川先生の数学の授業

芹川先生の数学の授業

学習方法がわからないという生徒の声から生まれた「毎日数学」。中学は定期試験、高校は「基礎学力到達度テスト」対策としても効果をあげています。

無理のないペース配分が
毎日の継続的な学習に
数学科/芹川智哉先生数学科/芹川智哉先生

 日本大学最初の付属校として110年以上の歴史を誇る日本大学第一。校訓の「真・健・和」に基づき絆を重んじ、良き生活習慣をもった次世代人の育成に力を注いでいます。同校の目標は、生徒たちを自立した人間として育てること。考える力や集中力を培うための学習習慣の確立も目標の一つです。そのなかで「自宅での勉強方法がわからない」という生徒の声を受け、「毎日数学」と呼ばれる取り組みが始まりました。高校では「チリツモ」に名称を変更する「毎日数学」について、発案者である数学科の芹川智哉先生にお話を伺いました。

「3年前から自宅学習のベース作りとなるように、30分程度でこなせる数学の課題を作成し、毎朝タブレット(ロイロノート)で配信、紙でも配付する『毎日数学』の取り組みを行っています。『毎日数学』は、文字通り毎日少しずつ、授業の復習も兼ねた簡単な計算問題から応用問題まで学習できる仕組みにしました。これにより、試験前の生徒の負担が軽減され、何より毎日の積み重ねがもたらす基礎学力の定着につながりました」

 取り組みを発表した当初、生徒たちは不安な表情を見せていました。取り組みが始まると、「短時間で終わる基礎問題が中心なので負担にならない」という声が多いと言います。

「最初は毎日のルーティンに取り入れるのに苦労していたようですが、継続することで自身のタイムスケジュールが構築されて生活リズムの一部となり、時間の使い方の練習にもなっています」

 自宅学習を前提としているため、課題の提出は自宅からタブレットを使って送信する決まりがあるものの、部活動や習い事が忙しい生徒は、学校にいる間の空き時間を使って取り組むこともできます。部活動への積極的な参加を奨励している同校の配慮がうかがえます。

 また、課題へのフィードバックとして、芹川先生が手書きの解答をタブレットで配信しています。問題集では省略されてしまう計算過程も確認することができ、各問題に添えられた一言アドバイスにより、「理解が深まる」と生徒から好評を得ています。

最終目標は
自主学習の完全定着

 取り組み開始から3年が経ち、数学という教科に関して、生徒たちのなかに変化が生じてきました。

「毎日の積み重ね学習によって培われた計算力・基礎力の定着が試験結果の推移にも見られ、特に計算力の成長は目覚ましいものがあります。これもひとえに生徒たちが毎日、真剣に課題に取り組んでくれた成果だと考えています」

 順調に効果を上げている「チリツモ(毎日数学)」の今後について、芹川先生は次のように話します。

「『毎日数学』は学習サイクルの形成に悩んでいる生徒のガイドラインとして始めましたが、将来的には廃止し、その後の自主学習を生徒自身の力で完全に計画・判断できるようにすることがこの取り組みの到達点だと考えています。例えば、高校に上がると教科や専門科目が増えます。その時に、どのような割り振りをして時間を使うのか、自分自身で考えて勉強を進めてほしいという思いがあります。最終的には、生徒自身の学習習慣の完全確立を目標としています」

育成のポイント①
試験の結果につながる
実践的な課題を毎日配布
数学係の生徒は「毎日数学」専用棚から課題を回収します。数学係の生徒は「毎日数学」専用棚から課題を回収します。

 職員室前には「毎日数学」専用の棚が設置されており、数学科の先生が作成した課題がクラスごとにセットされています。朝、各クラスの数学係が課題を回収し、クラスメートに配付します。

 課題の内容について、中学では定期試験の範囲から問題が出題されますが、高校では高2の4月から日本大学進学につながる「基礎学力到達度テスト」の受験が始まります。その試験に向け、高1から過去問や類似問題を少しずつくり返し解いていくことで、実践的な試験対策になります。

 また、中高ともに30分程度で課題を終わらせることができるので、生徒にとって無理のない継続学習が可能になっています。


育成のポイント②
手書きの解答でより詳細に
よりわかりやすく

「毎日数学」の特徴の一つとして、先生による手書きの解答・解説が作成されている点があげられます。答えまでの道筋が詳細に記されているので、生徒が苦手な箇所を把握でき、数学に対する苦手意識の克服に一役買っています。

先生の手書きによる解答・解説は、課題配布と同時にタブレットに配信されます。

先生の手書きによる解答・解説は、
課題配布と同時にタブレットに配信されます。


育成のポイント③
ICT機器の活用で
現代に即した人材を育成する

 同校では生徒一人につき一台タブレットを配付し、ICT教育の推進に力を入れています。学習状況を管理するClassiやロイロノートの活用によって、学習サポートの効率化はもちろん、タブレットを日常的に使用することにより、ICT機器を使用した情報処理能力が向上し、情報化社会に適応した人材の育成につながります。

 なお、同校では独自のネットリテラシー指導を行うことで、一人ひとりが安全にインターネットを活用することができます。

 そして、持ち運べるという利点を活用し、「毎日数学」など課題の提出は自宅からタブレットを使って送信する決まりにしているため、保護者はお子さんが勉強している姿を自宅で確認することができます。また、課題が毎日配付されていることによって、学習の進行具合について、お子さんに声がけしやすくなったという保護者の声が届いています。

先生からのメッセージ
知識は答えを導く道具になる

「数学は単元と単元がつながっていく教科です。前に習った単元が、次の単元では答えを導く道具になります。例えば、小学校ではかけ算の次に割り算を習いますね。なぜなら、割り算を計算するには、かけ算という道具がないと解けないからです。このつながりは中学でも、高校でも続いていきます。道具はただ使うのではなく、“使いこなせる”ことが大切です。道具を自分の物にしていくためには、毎日少しでも数学に触れて、積み重ねていくことが習得の鍵になります」(芹川先生)

進学通信 2024年9月号
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