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私立中高進学通信

2024年9月号

私学の英語最前線

横浜創英中学校

生徒自身が学び方を決める
「自律学習」で「教わる」から「学ぶ」

英語の2コマの「自律学習」では、「何を」「誰と」「どのように」「どこで」学ぶかを生徒自身で決めています。

英語の2コマの「自律学習」では、「何を」「誰と」「どのように」「どこで」学ぶかを生徒自身で決めています。

教員から生徒へ一方通行で教える一斉授業では、多様な生徒のニーズに応えることは困難です。そこで、横浜創英では生徒自らが学び方を選ぶ「自律学習」へと、教育改革が進められています。

最適な学びを
生徒が自ら選んで決める「自律学習」

「考えて行動のできる人」の育成を最上位の教育目標とする同校では、2021年度より、学校改革を進めてきました。「自律」と「対話」、さらには「創造」のコンピテンシーを身につけるべく、また目標達成のために自分自身が学ぶという当事者意識をもつことが大切であるという理念のもと、生徒は「教わる」から「学ぶ」へ、教員は「教える」から「支援する」へと意識を変え、生徒に能動的な学習スタイルを定着させる取り組みを推進してきました。

 英語の授業もこの考えに基づき、新しい形態が導入されています。その具体的な取り組みについて、副校長の山本崇雄先生と入試広報部副部長で英語科の千葉哲也先生に伺いました。

「中1の入学時点で、すでに英検3級程度の学力をもつ生徒もいれば、アルファベットから学ぶという生徒もいます。平均的な生徒を対象とする一斉授業では、そのどちらもが取り残されてしまいます。そこで、週2コマは中学生全員を縦割りにして、目標に向かって自分で学ぶ手段が選べる『自律学習』の時間としています。『何を』『誰と』『どうやって』『どこで』学ぶかを生徒自身が選択するのです。自分の目標を達成するために、『教科書を使って先生から学ぶ』『AIや問題集を使って個で学ぶ』『友達と教え合いながら学ぶ』『英会話を学ぶ』『プログラミングを学ぶ』『マインクラフト(仮想世界でのゲーム)で学ぶ』の中から最適な手段を選んで自ら学びます。教員が指示を出すのではなく、生徒が自分で学びを決めていく仕組みです」(山本先生)

 英語を学ぶ目標には、共通目標と個人目標があります。共通目標は、「定期考査の試験範囲を十分に理解する」といった学校としてつけさせたい力ですが、個人目標は、「将来英語を活用した職業に就く」「洋画を字幕なしで観る」「英検3級を取得する」など多様です。同校ではそれぞれの目標に向けて、まず「自分は何ができて何ができないか」のメタ認知に基づき、目標を達成するにはどのように学ぶかを生徒自身が思考して選ぶ制度を導入しているのです。

 いくつかに分かれた教室のひとつ、『プログラミングを学ぶ』では、ネイティブ教員からロボットを動かすためのプログラミングを英語で学びます。生徒の英語力に差があっても、めざす目標は同じなので、差があるなりに英語を理解するそうです。

「プログラミングなど人数を固定している教室以外は、自分が何を必要とするかに応じて、毎週違った教室を選ぶこともできます。入学当初にどう選んだらよいかを入念にサポートし、その後は生徒自ら毎週どの教室に行くかを選ぶようになります」(千葉先生)

「英語の授業は、中1から中3までの全学年を通した縦割りで行い、自分にとって最適な学びができる2コマ、学年ごとに学ぶ2コマ、さらに学んだことを使う英会話の1コマに分かれています。英会話では、AIと対話するアプリなども開発中です」(山本先生)

生徒が責任を負うことで
「考えて行動のできる人」へ

 学びの選択肢が多いことで、生徒が戸惑う懸念はないのでしょうか。

「英語に関して“どうなりたいか”を生徒にイメージさせ、そのためにはこういうやり方があると道筋を示します。そのために最適な勉強方法やツールを提示して、自律学習ができるようコーチングしています」(千葉先生)

「中学における自律学習の導入は2年目で、試行錯誤しているところもありますが、アンケートの回答を見ても生徒の9割以上は肯定的に捉えてくれています。生徒の能力とモチベーションに応じた学びができるので、伸びる子はどんどん伸び、苦手な子はいつでも基礎からやり直せるといった対応ができています」(山本先生)

 同校では今後、自律学習をさらに発展させていく予定です。

「来年度は、中3で英語力が高く、目標も高い生徒には、高校の授業が受けられる仕組みを取り入れたいと考えています。また、英語以外の教科でも同様の対応をする予定もあります」(山本先生)

「自律学習では計画性が何より大切になります。生徒たちには年間の試験時期を周知していますが、早い段階でそこに合わせて、その後の学びへの見通しを立てられる生徒が増えてきたように感じています。試験に向けて普段からコツコツ勉強する、集中して取り組む時期を設定するなど、そのペースは教員が指示するのではなく生徒の裁量に任せています」(千葉先生)

「個人目標は一人ひとり違います。多様な目標を達成できるよう、生徒自身が責任を負うことも必要です。厳しいようですが、これからの社会を考えると必須になる力でもあります。また、それが『考えて行動のできる人』という、本校最上位の育成目標にもつながるのです」(山本先生)

POINT1
目標を達成するための
道筋を生徒自ら選ぶ

 個人目標は生徒一人ひとり異なります。目標達成のために進む道(手段)は、目標ごとに違っているはずです。生徒はどの道が最適かを選んで実行しています。

POINT2
ネイティブ教員のもとで
プログラミングを学習

「自律学習」の中には、ロボットを走らせるプログラミングの作成を英語で学ぶメニューもあります。中1から中3まで混在するため、英語のレベルに差はありますが、目標がはっきりしているため、意思の疎通ができるようになるそうです。

担当の先生より
中学のうちから将来の自分の姿をイメージできるように
副校長/山本崇雄先生(左)・入試広報部副部長・英語科/千葉哲也先生(右)副校長/山本崇雄先生(左)
入試広報部副部長・英語科/千葉哲也先生(右)

「自律学習」を導入して、生徒自らが将来を見据えた学習をすることで、明確な進路を選ぶ力がつくようになると考えています。

 高校でも同様の仕組みを導入していく予定です。多くの高校では必要な数を大きく上回る単位を課していますが、本校では単位をギリギリにして、自分の進路に応じたカリキュラムを選択できるようにしていきます。そのため、授業のない時間ができたり、ゆっくり登校するといったケースも起こります。志望大学・学部が早くから決まっていれば、それに合わせた学習が可能です。そのためには、中学のうちからどんな自分になりたいかを考えなければなりません。

 自分で選択できるので、一斉教授型の授業に魅力を感じていない生徒には最適でしょう。学校説明会では授業体験もあるので、ぜひ足を運んでください。

(この記事は『私立中高進学通信2024年9月号』に掲載しました。)

横浜創英中学校  

〒221-0004 神奈川県横浜市神奈川区西大口28
TEL:045-421-3121

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