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私立中高進学通信

2024年9月号

注目! News and Topics

サレジアン国際学園世田谷中学校

中2本科コースの9つのゼミが中間発表!
研究者としての確かな一歩を踏み出す

人文社会科学の3つのゼミ(ホモ・スコラ[文化学]、ビジョナリーキャピタル[経済・経営学]、DE&I[社会探究学])の中間発表は、マリアホールで実施され他様子の写真です

人文社会科学の3つのゼミ(ホモ・スコラ[文化学]、ビジョナリーキャピタル[経済・経営学]、
DE&I[社会探究学])の中間発表は、マリアホールで実施されました。

学問の枠組みを越えた
ジャンル横断型のゼミ
市橋朋之先生の写真です本科推進部長/市橋朋之先生

 同校の本科クラスは、「熱く探究する生徒」の育成をめざし、PBL(問題解決)型授業とゼミでの探究学習を軸に展開しています。ゼミでの探究学習とは、生徒自身がテーマを設定し、研究に打ち込む個別探究のこと。本科クラスのゼミは同校の独自プログラムとして2023年からスタートしました。準備期間として中1で「プレゼミ」を経験し、中2で自ら選んだゼミに所属します。

 ゼミは、「自然科学」「人文社会科学」「数理情報プログラミング」という3つの学問領域に、計9つ設けられています。4月からゼミの時間が週2コマあり、6月中旬には各研究の中間発表を実施。放課後の時間を使ってチームで準備を進め、準備期間が2カ月半とは思えないほどレベルの高い内容を披露しました。

「生徒には当初から『研究者の姿勢で取り組もう』と伝えています。なかには思ったように発表できなかったチームもありましたが、それもまた成長するための良いきっかけになったと思います。発表後の質疑応答で、生徒から批判的精神に富んだ質問が出たことをとても喜ばしく思いました」(本科推進部長・市橋朋之先生)

 ゼミを始めるにあたり、教員で話し合いを重ね、ジャンル横断型にしたいという意見で一致しました。生徒たちは大学進学後に、文系や理系といった学問の枠を越えた学びに取り組むようになるからです。

「ゼミを行ううえでの教員の基本的なスタンスは、“教えない” “指導しない”。教員が先導すると、教員の知識が上限になってしまいます。生徒たちの興味や知識が教員を超えていくように、私たちはジェネレーター、つまり火付け役として関わることになりました」

「本当に好きなことは何か」
自分への問いが探究の礎

 1年の「プレゼミ」では、研究のベースとなる手法や問いの立て方などを学び、2~3年(中2・中3)の「ゼミ」で自分が熱意をもって取り組むことができる探究テーマを決め、リサーチを進めます。4~5年(高1・高2)の「ゼミEX」では、それまでの取り組みをさらに深化させていきます。

「ゼミを選ぶ際、生徒たちは600字以上の志望理由書を書いて提出しますが、一度で審査に通ったのは全体の3分の1以下でした。大半の生徒は、自分がどんな課題を立て、何を研究テーマとするのか、何度も考えて書き直します。どうしても書けない生徒は教員と面談を行い、『本当は何が好きなのか』を話し合います。何となく経済に興味があると思っていた生徒が、突き詰めていったら『シャープペンシルが好きだ』と気づき、『シャーペンを作る研究』というテーマを見つけたこともありました」

自分の判断基準を作るゼミ
発想はもっと“狂って”ほしい

 本科では生徒たちの成長のために、あえて褒めないようにしているという市橋先生。ゼミの中間発表の際も、教員から鋭い質問が飛んできます。そんな先生の問いかけに、一生懸命答える生徒たちの姿が印象的でした。

「2年後の『ゼミEX』で外部コンテストなどへの参加を想定していましたが、すでにビジネスコンテストへの参加を目標にしているチームもあります。昨年度末に一部の生徒が、高校生の発表が多いという外部のポスターセッションに参加しましたが、そこでの経験が今回の発表に生かされていました。発表方法の工夫や研究の進め方をしっかり見て、自分の中に吸収してきたのだと思います。
 ゼミの意義とは、生徒の判断基準を磨くことにあると思います。彼らの人生にはこの先何があるかわかりません。未来に何が待っているにせよ、自ら問い続け、考え続けることができる『心の軸』を築く必要があります。しっかりとした軸があれば、大学受験はもちろん、その先のキャリア形成においても優位に働くことでしょう」

 ゼミに取り組むことで、生徒たちのプレゼン能力が上がったと話す市橋先生ですが、発想という点ではもっと大胆であってほしいと要望します。

「幕末の志士・吉田松陰は、弟子に対し『諸君、狂いたまえ』と言ったそうです。現代と幕末は不確実性が高いという点で類似性があります。この言葉は本科生のキャッチコピーとして掲げられているので、生徒たちにはもっと突き抜けた発想を期待します」

他チームの発表で積極的に質問する生徒の写真です他チームの発表で積極的に質問する生徒が目立ちます。
「生徒たちは発表者の話に関心をもって熱心に聞くと同時に、自分の意見も述べることができます。PBL型授業とゼミ活動が相乗効果をもたらしたのではないかと思います」(市橋先生)
数理情報プログラミングの様子の写真です数理情報プログラミングには、コーディングデザイン、DAL(データサイエンス)、ネクストラボという3つのゼミがあります。“アレクサ(音声サービス)”を応用したプログラムで学校生活を便利にする研究などが行われていました。
防災服の研究での実験結果をパソコンに写し出した写真です
布の耐性(燃えにくい素材など)についての検証している様子の写真です

防災服の研究では、布の耐性(燃えにくい素材など)についての検証を重ね、実験結果をデータ化します。

人文社会科学のゼミの様子の写真です人文社会科学のゼミでは、早くも外部のビジネスコンテストへの出場を目標に定めたチームもあります。アプリの開発や新しいサービスのアイデアだけでなく、より現実的な運用を考えて研究を進めています。
自然科学の授業の写真です自然科学には、リビングラボ、アイサイエンス、スケーリングラボの3つのゼミがあります。メダカの特性を生かした研究や、強炭酸水をドライアイスで作る研究などが行われていました。
進学通信 2024年9月号
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