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私立中高進学通信

2024年9月号

キャリア教育の現場から

中村中学校

自分のキャリアをリアルに考え
訪問する企業の魅力を探究

W・Kさんがサイバーエージェントを訪れた際の1コマ。
訪問時は、同社が運営するサービスや取り組みのほか、業務内容の説明を受けました。
現代的なオフィスを見学する生徒たちの輝く表情が印象的です。

「30歳からのなりたい自分」へと近づくために自己のキャリアデザインを考え、行動できる「自主自律型学習者」の育成をキャリア教育の柱に据える同校。高1の「企業訪問」は、企業活動を実体験できる貴重な学びの場になっています。

会社で働くということは?
企業を多面的に捉える
インタビューに応える藤井翔先生の写真です進路指導部・
探究活動検討委員会
地理歴史公民科・社会科/
藤井翔先生

 1909年に中村高等女学校として誕生して以来、常に時代のニーズを捉えた変革を続けながら、未来を見据えた女子教育を追求している同校。生徒たちが長期的な視野から自分の将来を考えられるように、夏休みを利用した「企業訪問」を高1で導入しています。

「本校では“30歳からの自分”について考えることを目標に、キャリア教育を行ってきました。現在実施している企業訪問の対象学年は高1ですが、もともとは学校近隣の商店などにご協力をいただき、中2生が職場体験を行っていました。ところが新型コロナの影響で中止になり、本校のキャリア教育について改めて考える契機となりました。
 生徒たちの多くは社会人になると会社員として働きますが、それまでの職場体験は、パン屋さんでパンを焼いたり会計を手伝ったりといったことが主で、会社員として勤務するというベクトルとは少し異なっていました。そこでキャリア教育もより現実に即した、リアルなものにするべきと、高1の進路探究として企業訪問プログラムへと発展させたのです」(進路指導部・探究活動検討委員会/藤井翔先生)

 訪問先の企業は、複数の選択肢の中からピックアップすることができます。

「訪問する企業は年々増えており、昨年はIT企業や出版社、食品メーカーなど15社にご協力をいただきました。研修内容は各社に委ねていますが、オフィスツアーや業務体験、オンラインプログラムなどさまざまです。訪問先に自分が興味・関心をもつ分野の事業を展開している企業があれば、進路に結びつけて将来をリアルに考えられますし、それまであまり視野に入れていなかった分野の企業を訪問する際にも、その仕事の魅力に気づき、職業の選択肢を広げられると考えています」

 女性社員からは、女性の働き方や産休・育休などの実態も学べます。

「私が担当する社会科でも、働き方や結婚・出産といったライフイベントで、女性のキャリアデザインについて学びますが、授業だけでは実感が湧きにくい部分もあります。そこで訪問先の各企業には、女性社員の方々に仕事への取り組み方やプライベートとの両立などを、実体験を交えてお話ししていただきたいとリクエストしています」

 会社員として働くことを肌で感じた生徒たちは、企業の魅力をさらに深く掘り下げ、求人ポスターを作成します。

「訪問先企業の仕事の魅力を表現した求人ポスターを作成し、その企業を多面的に捉え直すという事後学習で、企業訪問プログラムは総仕上げとなります。生徒たちが作成したポスターは10月の『清澄祭』にて展示されますので、ご来場の際にぜひご覧ください」

サイバーエージェントへ企業訪問した際の写真ですサイバーエージェントでは生徒が女性社員にインタビューを実施。生徒からの質問にていねいに回答いただき、働き方や生き方についてだけでなく、仕事の裏話も語られるなど、貴重な時間となりました。
東宝へ企業訪問した際の写真です東宝では、映画・演劇・不動産という事業の柱についての説明を受けながら、「健全な娯楽を広く大衆に提供する」との企業使命をもとに作られる映画の制作工程を学びました。
女性が活躍し
オフィスも開放的なサイバーエージェントへ
インタビューに応えるW・Kさんの写真ですW・Kさん(高2)

 私が伺った株式会社サイバーエージェントは、ABEMAやゲームなどインターネット事業を展開しています。事前に同社のホームページを見て事業内容やパーパスを綿密に調べたうえで企業訪問に臨みました。

 渋谷にある巨大なオフィスビルをフロアごとに見学しましたが、印象的だったのは、社内の至る所にさまざまなスタイルで働けるスペースがあったことです。座って仕事をするだけではなく、横になってくつろぎながら仕事ができる場所もあり、社員が手軽に食事をとれる食堂やカフェ、コンビニエンスストアを併設したリラクゼーションフロアもありました。社員一人ひとりがのびのびと自由に仕事に励むことができる環境を目の当たりにして、最先端のインターネット事業の会社だと驚かされました。

 また、私たちに対応してくださったのは女性社員の方だったのですが、育休から復帰する社員は90%以上で、社員の27%がワーキングマザーということをお聞きし、女性が働きやすい職場環境がしっかりと整えられている点も現代的だなと感じました。

 事後学習で作成した求人ポスターでは、事業内容の説明とともに、開放的なオフィスや女性にとって働きやすい職場環境という部分を強調することをポイントにしました。

“心が潤うエンターテインメントを作る”
東宝社員の方の言葉に感銘
インタビューに応えるM・Mさんの写真ですM・Mさん(高2)

 私が訪れたのは東宝株式会社です。東宝というと映画を作る会社のイメージがありましたが、私の好きなアイドルが出演する帝国劇場の舞台も東宝の関連会社が制作していることを知り、ほかにどんな事業を展開しているのか興味をもち訪問しました。

 私たちに対応してくださったのは、キャリアサポートの部署で働く2人の男性社員と1人の女性社員です。主にエンターテインメント事業を展開している東宝ですが、社内の内装は意外とシンプルで、セキュリティがしっかりしているところにコンテンツを扱う会社であることを感じました。また、社員の皆さんがやりがいを感じて笑顔で仕事をしている姿を拝見して、やはり楽しく仕事をしないと楽しいものは作れないのだと実感できたことも印象に残っています。

 素敵だなと思ったのは、「娯楽は生命活動に不可欠なものではないけれど、あったら心が潤うもの。東宝が生み出すコンテンツによって誰かの心に潤いを与えたい」という社員の方の言葉です。事後学習で作った求人ポスターも、エンターテインメントの楽しさを前面に出すことを意識しました。

 まだ将来の夢は定まっていませんが、企業訪問学習を通して自分を見つめることができました。引き続きキャリア学習を続けて、この先の人生に活かしていきたいと思います。

訪問の成果をまとめた求人ポスターを手にするWさんとMさんの写真です

訪問の成果をまとめた求人ポスターを手にするWさんとMさん。

訪問先企業リスト(2023年度)

株式会社集英社、ヤフー(現LINEヤフー)株式会社、株式会社サイバーエージェント、東宝株式会社、株式会社MIXI、株式会社エーピーコミュニケーションズ、株式会社ロボケン、株式会社セールスフォース・ジャパン、アディッシュ株式会社、日本ヒューレット・パッカード合同会社、株式会社日立システムズ、株式会社コロプラ、株式会社朝日新聞出版、株式会社ボルテージ 、ハーゲンダッツ ジャパン株式会社

進学通信 2024年9月号
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