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私立中高進学通信

2023年4月号

私学だからできるオリジナル教育

聖望学園中学校

課題解決能力を育む
『未来デザインキャンプ』

中学3学年の縦割りグループで、近隣のテーマパークの課題解決に挑戦。
「多角的な視点と複雑化する世界で生き抜く力」を培う取り組みを紹介します。
12月の中間発表では、ムーミンバレーパークの運営スタッフの方々を招き、各班が写真やイラストを効果的に使って、それぞれの提案をプレゼンテーション。ユニークな視点を盛り込んだ提案からは、楽しみながらテーマを深掘りして考察した様子がうかがえます。

12月の中間発表では、ムーミンバレーパークの運営スタッフの方々を招き、
各班が写真やイラストを効果的に使って、それぞれの提案をプレゼンテーション。
ユニークな視点を盛り込んだ提案からは、楽しみながらテーマを深掘りして考察した様子がうかがえます。

システム×デザイン思考を
導入したオリジナル学習

 キリスト教を礎とする人間教育を土台に、最先端のICT・グローバル・英語教育を展開する聖望学園。その一環として、ビジネス界が注目する思考方法「システム×デザイン思考」を採り入れた同校オリジナルの課題解決学習『未来デザインキャンプ』を、2019年度からスタートさせました。外部の専門家であるデジタルサーフ株式会社の飯盛豊氏の指導のもと、中学3学年が1年間をかけてさまざまな思考法を体験しながら、課題解決に取り組んでいます。

「多様化・複雑化するグローバル社会において必要なのは、さまざまな価値観をもつ人々と協働して、多様な視点で物事を見て、答えのない課題を解決し、より良い世界をつくっていける力です。『未来デザインキャンプ』はそうした力を育むプログラムです」

 と、同プログラムを担当する中3学年主任の千代田みゆき先生は話します。

地域テーマパークで
『なりきりワーク』

 これまでは、校内や地域の商店街などをテーマに課題解決に取り組んできましたが、4年目となる2022年度は、近隣にある「ムーミンバレーパーク」と連携し、『私たちが考える2030年のムーミンバレーパーク』をテーマに設定。7~8名の縦割りグループをつくり、5月に同施設を訪れました。そこで行ったのが、子ども連れファミリーや外国人、車椅子を利用する人など、自分とは異なる人物になりきって、その人物の視点から視察する『なりきりワーク』です。

 生徒たちはさまざまな人の立場から課題点を見つけ出し、バリューグラフやハンバーガーワークショップなど、さまざまなシステム×デザイン思考のアプローチを取り入れて、提案する課題を絞り、練り上げていきます。

「どのような思考法が今の生徒たちに最も適合しているのか、デジタルサーフの飯盛先生と細かな点まで意見を突き合わせながら進めています。
 大切なのは、生徒が自ら考え、行動すること。正しい方向に導く助言をしながら、基本的に自由に楽しんで学べるよう見守っています」

パークスタッフに提案を
プレゼンテーション

 総合学習の時間などを使いテーマを深掘りして解決策を練り、9月の文化祭では調べた内容のポスター展示を行い、12月にはムーミンバレーパークの運営スタッフを審査員として招き、ブラッシュアップさせた課題解決のアイデアをプレゼンテーションしました。

「高齢者が快適に見学できるよう、施設を改修してみては」「ムーミンを知らない人でも楽しめるよう、キャラクターの自己紹介カードを作っては」「ファミリーが一⽇中楽しめる仕掛けづくりを」など、全16班のグループから、さまざまな解決策が発表されました。

 発表後にはグループごとに審査員から、ビジネスの視点からの厳しくも温かいフィードバックをもらいました。これを基にさらに内容を精査し、2月には最終発表を行いました。

「『未来デザインキャンプ』を通して、自ら発言する、行事に協力して取り組むなど、主体性・協調性が育っているのを感じています。幅広い観点から解決法を導く思考を身につけることで、自身のやりたいことが明確になり、進路を主体的に選ぶ生徒が増えました。
 今後も地域と連携しながら、世界の人々と協働し、より良い世界をつくっていける生徒を育てていきたいです」

各班のプレゼン後、ムーミンバレーパークの運営スタッフ3名がプレゼンを講評。「2030年まで時間をかけることを意識して」「自然とアトラクションとの共存は今なお課題。さらに掘り下げてほしい」など、ビジネス視点からのフィードバックをもらいました。各班のプレゼン後、ムーミンバレーパークの運営スタッフ3名がプレゼンを講評。「2030年まで時間をかけることを意識して」「自然とアトラクションとの共存は今なお課題。さらに掘り下げてほしい」など、ビジネス視点からのフィードバックをもらいました。
パワーポイントのスライドに加え、視覚的な訴求効果を狙い、模型を作ってプレゼンで披露しましたパワーポイントのスライドに加え、視覚的な訴求効果を狙い、模型を作ってプレゼンで披露しました
生徒インタビュー
他者の視点で物事を見ることで
たくさんの気づきを得ました!
左からYさん(中3)、Nさん(中2)、Oさん(中2)、Dさん(中3)。

左からYさん(中3)、Nさん(中2)、Oさん(中2)、Dさん(中3)。

――中間発表を終えた生徒たちに、その手応えを聞きました。

Yさん(中3)
「夏休みに日本を訪れたイギリス人」になったつもりで考察し、多言語のマップや時間帯ごとにパーク内で流れる動画の字幕を英語に変えるなどを提案しました。普段なら見過ごしてしまうことも、その立場になりきると見えてきました。

Nさん(中2)
「車いすを使う人」の視点で課題を考え、階段横にスロープを作ることと、UVレジンなどを用いてでこぼこ道を平らにすることを提案しました。フィードバックを受けて、自然がテーマのムーミンパークの世界観と、人工的な資材の共存は大きな課題だと思いました。

Oさん(中2)
ある有名な会社の社長にお金を寄付してもらい、ムーミン屋敷をたくさん建てたり、湖に橋を架けたりするアイデアを考えました。審査員の方には、著名人とのコラボにおける留意点を助言いただいたので、次は納得してもらえる内容へブラッシュアップしたいです。

Dさん(中3)
「小さな子どものいる日本人ファミリー」の視点から、子どもが喜ぶアトラクションなどファミリー層を呼び込む案を考えました。自分とは別の人の視点で物事を見る体験ができたのが新鮮で面白かったです。

先生から一言
答えのない問いを協働して追求
縦割りグループでより深い学びに
中3学年主任/千代田みゆき先生中3学年主任/千代田みゆき先生

『未来デザインキャンプ』では、多様性を常に意識し、相手の考えを否定せずに互いの個性を認め合い、共創することを大切にしています。1年間を通して3学年縦割りのグループで活動しますが、グループ分けには細心の注意を払い、生徒の性格や得意分野、相性を考慮して、それぞれの特性が引き出されるよう教員たちで話し合って組んでいます。

 4月にはグループ内でのコミュニケーション能力を高め合うことに慣れるため、『デザイン体操』を行いました。上級生が新中1生に学校案内をしながら、校内でアルファベットを見つけるワークです。扉の一部がDの形に見えたり、校庭の植物からAの形を見つけたりと、視点を変えて物事を見る体験をするとともに、他学年の生徒とのコミュニケーションも体得しました。翌月にムーミンバレーパークを訪れましたが、デザイン体操での経験が活きて、スムーズにフィールドワークが行えたと思います。

 生徒がのびのびと個性を発揮し、協働する力を育みながら課題解決に挑めるよう、今後も学校全体で全力でサポートしていきます。

進学通信 2023年4月号
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