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私立中高進学通信

2022年特別号

熱中!部活動

東京電機大学中学校

放送部員全員の共同作業で
コンテストの上位入賞に輝く

コンテスト用作品の構成を相談する放送部員。

 全国規模の放送コンクールで、伝統的に優秀な成績を収めている東京電機大学中学校・高等学校の放送部。コロナ禍においても、中学生と高校生が強い絆で結ばれ、同じ目標に向かってコツコツと進み続ける姿勢が、よい結果につながっているようです。放送部の活動の様子を取材し、優秀な成績を収め続けることができる秘訣を探ってみました。

中学生9名(男子2名、女子7名)、高校生17名(男子7名、女子10名)で活動しています。

中学生13名(男子4名、女子9名)、高校生13名(男子6名、女子7名)で活動しています。

伝統的にコンテストで好成績を収める

 2021年度に開催された第19回関東地区高校放送コンクールのビデオメッセージ部門で、同校の高校放送部が2位に当たる優秀賞を受賞しました。コロナ禍の影響により、会場での受賞とはなりませんでしたが、このコンクールを目標に作品をつくってきた部員にとって、この上ない励みとなりました。

 高校放送部の実績はこれだけではなく、2019年第66回NHK杯全国高校放送コンテストドキュメント部門全国大会出場、2020年度には第43回東京都高等学校文化祭放送部門アナウンス部門第4位、第44回東京都高等学校文化祭ビデオメッセージ部門第5位という栄誉に輝いています。2022年度も、第69回NHK杯全国放送コンテスト東京都大会においてテレビドキュメント部門の作品が全国大会に進出することが決まりました。

 中学の放送部も、負けてはいません。2018年第35回NHK杯全国中学校放送コンテストラジオ番組部門全国大会出場、2018・2019年度のパナソニック主催キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)ビデオコンテストで佳作を連続受賞するなど実績を残しています。

 これらの成果は、コロナ禍によって多くの部活動が制約を受けるなかでも、コツコツとできることを進めてきた証と言えます。

 放送部の活動は多岐にわたります。昼休みに流す番組の制作、文化祭や体育祭での放送やそこで発表する作品の制作をはじめ、年間で数回行われる放送コンテストに出品する作品も制作します。1つの作品をつくるには、テーマ決めに始まり、テーマに沿った構成の制作、構成に沿った撮影・編集作業と、多くの工程を要します。それらの工程を部員たちが話し合いを重ねながら進めていくのです。

 活動は、中高ともに週4回です。週3回の活動という部が多い中、放送部の活動頻度は多いそうです。また4回のうちの2回は中高が合同で活動します。合同活動日には、中学生は高校生から多くを学び、さまざまなアドバイスをもらいます。また、単独で活動する日は、中学生は高校生に頼らず、自分たちだけでできることを行います。そのバランスがうまくとれていることが、コンテストでの好成績につながっているようです。

 取材日は、ちょうど中高合同での活動日で、中高それぞれが、コンテストに向けた作品の構成を固めていく作業の真っ只中でした。中学生のコンテストにはアナウンス朗読部門と番組部門の2つがあり、それぞれに準備を進めています。グループ部門に挑戦する部員たちは、先生方へのインタビューで構成する作品をつくるために、インタビューでの質問事項を決める準備をしています。

 それとは別に、昼に流す校内放送の制作も進めなければならず、限られた時間の中で忙しく活動していました。

 全校生徒へアピールする機会が多いことは、負担も大きい半面、放送部員にとってのやりがいにもなっています。中学生のある部員も、「体育祭や文化祭での出番が多く、仕事も多いですが、それが楽しみのひとつです」と語ってくれました。

作品の構成について話し合いを深める中学生たち。

作品の構成について話し合いを深める中学生たち。

作品制作はみんなで協力して

 高校生のHさんに、活動の様子ややりがいを聞きました。

Hさん(高3)Hさん(高3)

「今は、コンテストに向け作品づくりをしています。社会問題について、先生に語ってもらう作品の構成を相談しているところです。第19回関東地区高校放送コンクールのビデオメッセージ部門で優秀賞になった作品も、部員全員が作品の制作に参加し、みんなでつくりあげました。本校のことを知らない人でもわかるような内容を映像で表現することが大変でした。
 放送部の活動では、先輩・後輩の垣根なく、みんなで話し合って活動する中で、とても仲良くなれるところが魅力です。また、普通ではなかなか触ることのできない機械に触れることも楽しみです。週4回の活動は大変ですが、作品づくりにはどうしても時間が必要ですから」

高3のMさん(左)とTさん(右)高3のMさん(右)とTさん(左)

 同じく高3生のMさんとTさんにも聞きました。

 Mさんは、次のように語ります。

「私は、撮影後の編集作業を担当しますが、どんな作品をつくるかといった構成はみんなで話し合います。編集作業では、決まった時間内に、いかに効果的に収めるかを考えます。
 先輩や後輩とおしゃべりすることがとても楽しいです。
 構成を考えるときには、大まかに結末を考えますが、あらかじめ決めつけていると、よい評価は得られません。取材や撮影の段階でわかったことをもとに、どんどん変えるようにしています。いい作品ができると、自分でも手応えを感じます」

 Tさんは、部活動での印象深かったことを次のように話します。

「中1時の体験入部で先輩が優しく接してくださり、雰囲気もよかったので入部しました。
 作品の題材は、身近にあるのにあまり関心を寄せていなかったようなことを取り上げます。そのため、放送部の活動を始めてからは、身の回りの問題に関心をもつようになりました。私は中2のとき、競歩について、会話形式で進めていくラジオ番組をつくり、よい評価をいただいて全国大会まで進むことができました。制作はとても大変でしたが、何をどう話し、どう表現するかといった点を学ぶことができました」

責任感をもちつつ楽しむことを大切に
副顧問/小林絹先生副顧問/小林絹先生

 放送部の活動は、基本的に部員たちが自主的に進めています。

 副顧問の小林絹先生は、生徒への接し方について、次のように話します。

「コンテストに出す作品づくりをはじめ、活動は、基本的に部員の自主性に任せています。私は国語科なので、その立場で原稿を見て感想を述べ、アドバイスをするくらいです。
 放送部は、学校行事のさまざまな場面で頼られる存在ですが、強い責任感をもってしっかりやってくれています」

顧問/下邨貴裕先生顧問/下邨貴裕先生

 顧問の下邨貴裕先生は、部活動を通じて生徒たちの成長ぶりがうかがえると言います。

「部員間の仲がよいのは伝統的な特徴なのですが、それは作品をつくる過程や行事の運営などにおいて、みんながしっかり話し合わないとよい結果に結びつかないという特質も理由だと思います。何をどうつくるかを決める過程では活発な議論があり、時には対立することもあるようですが、いったん決まれば力を合わせ進めていきます。
 先輩にいろいろ教えてもらっていた生徒も、上級生になるとリーダーシップをとって頼もしくなります。また、男女区別なく活動することで、多角的な視点が作品に盛り込まれます。さらに、さまざまに試行錯誤することは、教科での学びや進路選択にも役立っていると思います。
 部活動なので、責任感をもちつつ楽しむことが大切だと思いますし、今の放送部はそれがしっかりできていると思います」

 部員がますます絆を強めることで学校生活が充実し、その充実ぶりがさらに上の入賞を狙う原動力となっていくようです。

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