私立中高進学通信
2022年特別号
私学だからできるオリジナル教育
東洋英和女学院中学部
「MetaMoJi ClassRoom」の活用で
授業を活性化
英語のグループワークでは、各自の意見をモニターに映し出して議論します。
リアルタイム授業支援アプリを使いこなし、生徒の自ら考える力を伸ばし、アクティブに授業に参加する姿勢をつくり出しています。
利点の多い授業支援
アプリを導入する
キリスト教精神を根底に、「心と知性を養い、自分の将来の夢を実現し、他者のために自分を活かす女性を育てること」を教育目標とする同校では、知識を覚えるだけではなく、自分の頭で考え、試し、結果をもとに考察する過程を重視する教育を大切にしています。
コロナ禍の影響でオンライン授業が実施され、同校でも教育のICT化が進みました。同校の特徴はあらゆる教科・活動のさまざまな場面でICTを駆使した新しい学び方を実践していることです。
同校で活用しているのは、リアルタイム授業支援アプリ「MetaMoJi ClassRoom」です。授業では、教員と生徒全員がデバイスを使用し、教員が表示した授業内容を、生徒は手元の画面で見ながら授業を受けます。
また、生徒が課題に取り組んでいる様子を教員はリアルタイムでモニタリングできるので、個々の生徒の理解度を容易に把握できます。従来式の授業であれば、生徒一人ひとりの席を回り、各自のノートを見なければできないことが簡単にできるのです。
さらに、各グループ内で共有ファイルを作成し、個々の意見や考えを入力、共有した上で意見をまとめる協働学習が頻繁に行われています。プリントに各自の意見を書くと、グループのまとめは別の用紙に書き直さなければなりませんが、「MetaMoJi ClassRoom」なら、その必要はなく、生徒一人ひとりの手元にまとめも残るので、振り返り学習に活用できます。
最も新しいのは、授業中の問いかけに対して生徒全員の意見を共有し、即座に教材にできるライブ感です。教師は生徒の提出物をその場でチェックし、各自の画面に映してさらに問いを重ねていきます。一人でじっくり思考する予習・復習と異なり、その場で考えた「生」のアイディアを共有し、全員で完成に近づけていく中で、生徒は友人の意見から新たな気付きを得て、思考を深めていきます。
生徒がアクティブに
授業に参加する
「MetaMoJi ClassRoom」を活用した授業は、生徒の評判も上々です。
「先生が強調したところがわかり、拡大することもできるので理解しやすくなりました」
「自分のペースで振り返り学習ができるし、アプリでプリントの整理ができて便利です」
「ほかの人の考えがわかるので楽しいし、自分の予想が違っていたことにも気づけます」
「自分の意見を書け、ほかの人の考えを知ることができ、先生の話を聞くだけの授業に比べて記憶に残りやすく、身につきやすいです」
これらの意見からもわかるように、MetaMoJi を使うことで生徒自身が考え、アクティブに授業に参加することで、高い学習成果が生まれているのです。
中1の理科の授業では、教員が実験の方法や手順をMetaMoJiで配信します。
生徒は、結果を予想したあと、実験をして検証していきます。意見を出し合って仮説を立て、
実験を行い、結果を考察するプロセスを大切にしています。
中3の数学の授業。教員が書き込んだことが生徒の個人デバイスに反映されます。
一人ひとりのつまずきに個別かつリアルタイムで対応できるため、学習効果が高まります。
手元で見られるので見やすく、ストレスなしに授業に集中できます。
過去の課題についての振り返り学習もしやすくなりました。
「実用的な英語力」の
向上にも大きく貢献
同校では、英語教育において「実用的な英語力」の向上を重視し、4技能のバランスよい育成を目指しています。多読の実践、レシテーションコンテスト、グループでのディスカッション、プレゼンテーション、エッセイライティングなど、4技能を駆使した取り組みが展開され、生徒の英語力が鍛えられていきます。さらに「MetaMoJi ClassRoom」を利用した授業を展開することで、自分の意見をまとめ、ほかの生徒の意見を多く知り、それをフィードバックして思索を深めていく訓練にもなっています。
ICT化の進展が、使える英語技能向上の一翼を担っているといえるでしょう。
先生から一言
教室での授業が当たり前ではなくなった今こそ
ICTを活用した協働学習でより深く理解する
棚田哲史先生
英語の授業では、グループワークで意見を出し合い、集約する際に活用しています。全員が意見を出すスタイルなので、今まで以上に予習を積極的にするようになったと思います。教員だけでなく生徒も全員の意見が把握でき、他者からの学びを深める機会にもなりました。今後は、こうした授業形態を一つのモデルとして浸透させていくよう、教員間でもフィードバックしていきたいです。
小笠原由貴先生
演習問題を教室の前に映して、解いていく手順を示すほか、生徒にもデバイス上で問題に取り組ませています。今後は生徒同士で解答を見せ合い、丸つけをさせてみたいです。数学では他の生徒の解答を見る機会があまりないため、友人の解答を見て、自分がどこでつまずいたかに気づくことで、理解が深まると考えています。また同じ解答にたどりついても、そこまでのアプローチが違う場合もあります。自分と違う考えを知ることは大切なことです。
内山さやか先生
実験をする前に、班に分かれて結果の予想を話し合います。各班の予想をまとめ、実際に実験をした結果を踏まえて、予想と違っていたなら、なぜ違ったのかをまた考えさせます。意見の集約や班ごとの予想の共有などに「MetaMoJi ClassRoom」を活用しています。今後は、実験結果を写真に残して、あとで振り返る際にも活用していきたいと思っています。
東洋英和女学院中学部
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