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私立中高進学通信

2020年神奈川版

コロナに負けない!私学のアクション

横須賀学院中学校

生徒一人ひとりがかけがえのない存在
つながりを支えるICT活用

新1年生が視聴した礼拝動画。

新1年生が視聴した礼拝動画。

リアルタイムのオンライン礼拝が実現
こだわりポイント
  1. 「敬神・愛人」(神を敬い・隣人を愛する)
    に基づく教育
  2. 1人1台のiPadを活用し
    オンラインで教育活動を展開
  3. 生徒の気持ちを尊重しつつ、
    学びを止めないカリキュラム

 一人ひとりが神様から愛されている、かけがえのない存在であるというキリスト教の人間観に立ち、横須賀の地で70年教育を実践してきた同校。世界に貢献できる知恵と実力、そして豊かな心を持つ若者の育成を中高一貫教育でおこなってきました。

 同校の1日は、毎朝の礼拝から始まります。聖書の言葉に耳を傾け、讃美歌を歌い、祈ります。生徒はいのちが神様から与えられていることを心に留め、人間関係や生き方について考える時間を積み重ねていきます。

 コロナ禍による休校が長期化する中、先生方が強く意識したのは、「横須賀学院のつながり」を大切にすることでした。特に、中学1年生にとっては、新しいクラスメイトや先生に会えない不安がありましたし、2、3年生も含め「生徒の生活リズムが心配」という声も先生方から上がっていました。

 そこで「オンライン礼拝」の検討が始まりました。まず、新中2、3年生はすでにiPadを導入していたことから、ビデオ会議システムのGoogle Meetを用い、午前中にリアルタイムの礼拝を企画しました。

 新1年生は、iPadが未配付だったため、リアルタイムではなく、家庭で自由な時間に視聴できる動画配信形式の礼拝としました。4月中に礼拝ガイダンス動画を、5月に週1回の礼拝動画の配信を目指すことにしました。

一言メッセージや
学年集会も盛り込んで

「『とにかく、やってみましょう』、という掛け声で、多くの先生の力を借りながら始めました」と、話すのは、中学宗教主任の安達正希先生です。生徒達が「つながり」を感じられるようにと、内容もさまざまに工夫をしました。

 オンライン礼拝の参加は強制ではありませんでしたが、毎回100人以上、多いときでは先生も含め180人の参加があったといいます。午前中に礼拝を行うことで、生徒の生活リズムが整っただけでなく、生徒同士のコミュニケーションも生まれ、精神的な安定にもつながりました。

「生徒たちは休校中、宿題の確認をしたり、ゲームをしたりと個人同士ではつながっていました。そこに、オンライン礼拝が始まったことで、学校や先生の話題が出てくるようになったと、生徒たちは話していました」
(理科担当・五十嵐司先生)

 生徒との会話を通して生徒理解も進んだといいます。

「多くの生徒が家事の手伝いをしていたんです。朝食を作ったり、祖父母の様子を見に行ったりする生徒もいて、普段、学校では見られない姿を知ることができ、新しい気づきになりました」(五十嵐先生)

週1回の配信リストで
自主的な学びを促す

 オンライン授業も、礼拝と同時に進められました。3月の休校時点から、オンラインで自宅学習の課題を出す教科もあれば、担任の先生がホームルームを行うクラスもありました。それを中学全体の取り組みとして5月から展開したのです。毎週月曜日に「授業動画の配信リスト」を配付、生徒が自主的に選んで受講するスタイルとしました。

 登校が再開した現在も、保護者面談のオンライン化や、中学入試学校説明会でのオンライン理科実験教室の開催など、場所を選ばずつながれるオンラインの強みを生かした、多彩な取り組みが生まれています。

 今年で創立70周年を迎える同校。「つながり」を大切にする、あたたかな校風を土台とし、ICTを活用して主体的な学びを創造できる生徒の育成が続きます。

コロナ対策事例1
午前中のオンライン礼拝で
顔を合わせ、生活リズムを整える

 5月から始まったオンライン礼拝は、生徒の視聴の負担を軽くするために15分を10分に短縮し、生徒が自由に参加できるようにしました。礼拝後に他の先生からの「一言メッセージ」の時間や、「学年の集い」を設けて、同じ学年の生徒が顔を合わせる時間を設けるなど、クラスや学年、そして中学校全体のつながりを深めていきました。1年生用の配信動画では、礼拝の前にキャンパス案内や学院の歴史紹介等のコーナーも加え、登校できる日を少しでも楽しみに待てるような工夫もしました。

 現在、創立70周年事業として、大チャペルにパイプオルガンの設置が予定されています。「3密」を避けるため、礼拝はまだ各教室で放送を通して行っていますが、コロナが収束した際には、素晴らしい音色とともに礼拝が行われることでしょう。

オンライン礼拝の配信風景。初めの頃は色々な機材を持ち込み、試行錯誤の連続でした。教室にキーボードを持ち込み、讃美歌の伴奏を教員がしました。時には、ギターの伴奏もありました。オンライン礼拝の配信風景。初めの頃は色々な機材を持ち込み、試行錯誤の連続でした。教室にキーボードを持ち込み、讃美歌の伴奏を教員がしました。時には、ギターの伴奏もありました。
創立70周年を記念して大チャペルにはドイツ製のパイプオルガンを設置中です。創立70周年を記念して大チャペルにはドイツ製のパイプオルガンを設置中です。
コロナ対策事例2
オンラインホームルームで
コロナの不安やストレス軽減
同校の卒業生でもある、五十嵐先生から新中学1年生へのメッセージ。同校の卒業生でもある、五十嵐先生から新中学1年生へのメッセージ。

 休校が長引くと、友達に会えない、学校の勉強や部活動はどうなるのか、など、生徒たちも不安がつのります。オンライン上で担任の先生と生徒が集う、ホームルームも開かれました。先生が順番でオリジナルメッセージを収録し、配信を行うなど、つながりを絶やさない、さまざまなアイデアが誕生しました。

担任の先生と、クラスをつなぐオンラインホームルーム。この様子を見ている保護者も多かったようです。

コロナ対策事例3
毎週月曜に配信リストを提示
自ら学ぶ姿勢を尊重

 オンライン授業は、同期型のリアルタイム配信と、視聴する時間を自分で決められるオンデマンド配信型を組み合わせた形に落ち着きました。毎週月曜日に「配信リスト」を提示し「午前はオンラインで体育の授業を受け、午後は、数学の配信動画を繰り返しながら見る」といったように、比較的ゆとりのあるスケジュールにしました。「普段と同じような時間割を組むことも考えましたが、ICTの環境下で、生徒たちがどんな気持ちで学んでいるかを想像すると、過度なストレスがかかることは避けたほうがよいと判断しました」(五十嵐先生)

体育の授業は先生の動きを配信しました。体育の授業は先生の動きを配信しました。
教室で収録することで、普段の授業のように親近感のある動画になりました。教室で収録することで、普段の授業のように親近感のある動画になりました。
先生から一言
生徒達の気持ちを受け止め
共に生きていく

「オンライン礼拝では、早く学校に行って友達に会いたい、という生徒の気持ちと同時に、先の見えないコロナに対する不安な気持ちを受け止めるように意識しました。学校が再開し、教育は人と人とが接することから始まるのだなと改めて感じています。これからも、一人ひとりが神様から与えられた命を大切にし“共に生きる”ことを考えていきたいと思います」(聖書科・中学宗教主任/安達正希先生)

「休校中はいろいろな新しい取り組みができましたし、たくさんの生徒が挑戦することを楽しんでくれました。オンラインを実践してみて、授業の進め方や課題の出し方など、各教科での振り返りがまとまってきました。今後はそれらを活かしながら、さらなる授業改善を進めていきたいと思います」(理科/五十嵐司先生)

進学通信 2020年10月号
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