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私立中高進学通信

2020年神奈川版

コロナに負けない!私学のアクション

聖園女学院中学校

休校中のオンライン授業は
制服を着用して受講
心も生活リズムも安定

Zoomで行われたオンラインホームルーム。対面で交流するほか、生徒に「今日は何をするか」をオンライン上のカードに書いてもらい、見せ合うことでコミュニケーションを促すなど、交流の場として機能するよう工夫を凝らしました。

Zoomで行われたオンラインホームルーム。対面で交流するほか、生徒に「今日は何をするか」を
オンライン上のカードに書いてもらい、見せ合うことでコミュニケーションを促すなど、
交流の場として機能するよう工夫を凝らしました。

生徒たちの心の不安を取り除くことに心を砕く

 カトリックの学校らしく「ごきげんよう」のあいさつが飛び交う同校。高座丘陵の高台に位置する8万3000㎡もの広大なキャンパスは、豊かな緑に満ちています。校舎に入ると、いつも生徒たちを見守っている聖母マリアと幼子イエスの像もマスクを付け、7月から登校が再開した生徒たちを優しく迎え入れています。

「休校期間中に教員が心がけていたのは、まずは、生徒たちの心の不安を取り除くことでした」

 と話すのは、入試広報部長を務める鐵尾千恵先生です。

 3月~4月は配信による課題と郵送で配布した課題で学習を進めてもらい、5月初旬にはZoomによるオンライン授業をスタートさせました。午前中は教員と生徒が顔を合わせる双方向授業を行い、午後は配信した課題に各自が取り組めるよう、学習態勢を整えました。

「本校はもともと、iPadを使った授業を行っていましたので、在校生に対するオンラインでの働きかけは比較的スムーズに進みました。新入生については配布する前に休校となってしまったので、教員たちで梱包し、各家庭にiPadを配布する作業を行いました」

 教員のこうした取り組みは、学校ホームページやFacebookでも紹介され、生徒たちと会う日を心待ちにしている様子が常に発信され続けていました。

 双方向授業では、学習面の充実だけでなく、教員と生徒、そして生徒同士の交流を重視。とくに担任教員やクラスメートと顔合わせをする前に休校になってしまった新中1生には、できるだけコミュニケーションを取り入れた授業を心がけていきました。個別に質問ができるようにとオンライン上に質問ボックス開設したところ、課題に対する質問をはじめ、多くのコメントが寄せられました。

「“先生が私のためだけにコメントをつけてくれる”というのがうれしかったようで、質問ボックスを通して、良いコミュニケーションを取ることができました」

 休校期間中の前半は、どうしたらよりわかりやすいオンライン授業が行えるかについて、教員同士の知恵の出し合いが続きました。試行錯誤のうち、授業動画やオンラインで行う双方向授業の長さは、最低限に抑えることに決めたそうです。

「長時間にわたって画面を見ることで、頭痛や肩こりを訴える生徒がいるとの報告がありました。オンラインでは集中できる時間も限られます。そこで5教科のオンライン授業の時間は1コマ30分とし、あとは課題を解くなどオフラインでの学習を進めていくカリキュラムを組み立てました。前例のない状況の中、生徒は自宅で不安を抱えながら過ごしているわけです。学業の継続も大切なことですが、生徒たちの心と体の健康を守ることを第一に考えて、休校期間を過ごしました」

休校中でも授業では制服を着用

 休校中のオンライン授業は、制服で参加するように、生徒に促していたと鐵尾先生は言います。

「家着で在宅ワークをしていたら、効率が落ちたというニュースを目にし、生徒たちも同じなのではないかと考えたのです。授業のために制服に着替えることで、生活リズムも整ったと好評でした。
 とくに、制服に袖を通す機会がなかった新入生は、画面越しではありますが、制服姿で会えることが、とても励みになったようです」

 休校期間中に双方向型のオンライン授業を進めてきたおかげか、生徒同士の親近感は確実に育っていると言います。

「登校開始後、『初めて会った気がしない』と互いに話す新中1生の姿も見られました。これからも、生徒たちに寄り添いながら学校運営を進めて行こうと思っています」

コロナ対策事例1
思わぬ形で広がった
Misono English Academy

 創立以来、英語教育に力を入れてきた同校は、中1から高3まで、ネイティブ教員による少人数編成の授業を実施し、帰国生や英語力の高い生徒を対象にした『ACE(Advanced Class of English)』クラスも設けています。

 昼休みや放課後には、英語に触れる機会を増やすために、英語専用ルーム『Misono English Academy』(以下MEA)を開設しており、ネイティブ教員とともに英語を使ったアクティビティを楽しむ生徒たちでいつもにぎわっていました。

 休校中は、このMEAをオンライン上で実施。オンラインでも積極的に英語でのコミュニケーションが図れるよう、進め方を工夫して、さまざまなアクティビティを行いました。

 これが生徒たちにとても好評で、多い時には50人以上の生徒が同時に参加するほどの人気ぶり。MEAに興味はあったものの、これまでは部活と時間が重なり参加できなかった生徒が、休校中にやっと参加できたという声も多く聞かれました。

校内の英語専用ルームには、MEAの看板が掲げられています。校内の英語専用ルームには、MEAの看板が掲げられています。
普段のMEAと同様に、ネイティブ教員2人の掛け合いからスタート。普段のMEAと同様に、ネイティブ教員2人の掛け合いからスタート。
コロナ対策事例2
どうすれば理解しやすいかを追求
工夫を凝らした授業動画

 家庭科の編み物の授業動画で使われていたのは、なんとキッチンのシンク下の整理に使われる棚でした。台の上に撮影機材を載せることで、手元の作業をはっきり見せることができるのです。

 棚を使用した撮影は、登校再開後の美術の時間にも活用されました。鉛筆をナイフで削っていく動作は、通常授業では生徒を教員の周りに集合させてデモンストレーションをしていましたが、これでは生徒同士の距離を取ることができません。そこで鉛筆を削る教員の手元を手作りの棚を使って撮影し、テレビの生中継さながらに、リアルタイム配信を行いました。教室にいる生徒たちは、自分の手元にあるiPadで配信された動画を閲覧しました。

 このように、オンライン授業で培ったノウハウは、登校再開後もさまざまな面で活用されています。

自分の手元と同じ向きで見えるため、とてもわかりやすい動画だと好評に。自分の手元と同じ向きで見えるため、とてもわかりやすい動画だと好評に。
登校再開後も3密を避けての授業が行われています。美術科ではオンライン授業のノウハウを活かして、教員の手元を撮影し、リアルタイム配信。その様子を生徒はiPadで閲覧することで密になることを避けました。登校再開後も3密を避けての授業が行われています。美術科ではオンライン授業のノウハウを活かして、教員の手元を撮影し、リアルタイム配信。その様子を生徒はiPadで閲覧することで密になることを避けました。
コロナ対策事例3
Zoomで一緒に在宅学習
オンライン上に自習室を開設

 休校期間中は、自由に出入りできるオンライン自習室をZoomで開設しました。学習する時間と休憩時間を設け、休憩時間は画面越しにおしゃべりタイムを楽しみました。

 通常時も校内に自習室を設けており、現役大学生がメンターとして常駐し、質問を受け付けています。オンラインでも同じように、質問がある場合はZoom上で声がけすれば、オンライン上で個別指導が受けられるようにしていたそうです。

『テストの振り返り講座』『はじめての英検!対策講座』など、生徒のモチベーションを上げるミニイベントも開催されていました。

 時には休憩時間に学年を超えて交流することも。画面越しに上級生が新入生を気遣う姿も見られました。

先生から一言
対面で授業ができる喜びをかみしめて明日に活かす
オンラインで国語の授業を行う鐵尾先生。休校中は、いつにも増して生徒の心に語り掛けることを心掛けたそうです。オンラインで国語の授業を行う鐵尾先生。休校中は、いつにも増して生徒の心に語り掛けることを心掛けたそうです。

 生徒たちに会えないことに涙する教員もいるほどに、本校は生徒たちを愛する教員が多いのが特徴です。とくに、新入生へのアプローチには心を砕いてきました。制服も冬服から夏服へ、季節の変化を自粛や短縮授業の中で迎えたわけですが、登校が再開され、新入生も今ではすっかり聖園の制服姿が板についてきました。心を通わせる教育を、さらに実践していきたいと思います。(鐵尾先生)

進学通信 2020年10月号
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