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私立中高進学通信

2020年神奈川版

注目! News and Topics

桐光学園中学校

他者との関わりの中で自己を高める
「大学訪問授業」と「TOKO SDGs」

バラエティー番組「プレバト!!」で人気の夏井いつき氏。「俳句って楽しい!」の題で「美しい日本語を話せる私たちを喜べる感情を抱いて、大人になってくださったらうれしいと思います」と生徒に伝えました。

バラエティー番組「プレバト!!」で人気の夏井いつき氏。
「俳句って楽しい!」の題で「美しい日本語を話せる私たちを喜べる感情を抱いて、
大人になってくださったらうれしいと思います」と生徒に伝えました。

 大学教授や著名な文化人が来校し、学ぶことの意義について生徒に語る「大学訪問授業」。スタートは、2004年でした。その分野は、科学、経済、医学、哲学、文学、芸術、教育など多岐にわたります。対象は、中1から高3までの希望者。講演者には、名前や作品が教科書に載っている方、一般の書店で手に入る本を書いている方などが基準に選ばれるそうです。例年、20回ほど開催され、昨年は30回行われました。

沢木耕太郎氏の題は「主題は移動」。氏の代表作「深夜特急」の旅に出るまでの経緯を語り、「旅をすることで人間としての背丈を高くすることができます」と述べました。沢木耕太郎氏の題は「主題は移動」。氏の代表作「深夜特急」の旅に出るまでの経緯を語り、「旅をすることで人間としての背丈を高くすることができます」と述べました。
羽生善治氏の題は「決断力を磨く」。「プレッシャーを感じている時は、決して最悪の状態ではありません。もう一歩で目標を達成できるという手応えを感じているからこそ、プレッシャーを感じるのではないかと思います」と語りました。羽生善治氏の題は「決断力を磨く」。「プレッシャーを感じている時は、決して最悪の状態ではありません。もう一歩で目標を達成できるという手応えを感じているからこそ、プレッシャーを感じるのではないかと思います」と語りました。
夏井いつき氏や沢木耕太郎氏、羽生善治氏などが来校

 昨年の5月にはノンフィクション作家の沢木耕太郎氏が、6月には俳人・エッセイストの夏井いつき氏が講義。

 一昨年は棋士の羽生善治氏などが来校しました。これまでに作曲家の坂本龍一氏、ジャーナリストの池上彰氏や田原総一朗氏、建築家の隈研吾氏、法政大学総長の田中優子氏、精神科医の香山リカ氏、評論家の立花隆氏、脳科学者の茂木健一郎氏、ノーベル化学賞受賞の根岸英一氏などが来校。桐光生に熱いメッセージを届けました。

 講演者ほぼ全員の依頼やスケジュール調整を手がけてきた中野浩校長先生は次のように語ります。

「当初は大学の学部学科の紹介を目的に、大学の先生や事務の方をお呼びしていました。私が前校長から引き継いでからは、各分野の第一線で活躍されている方々をお招きすることにしました。大学の紹介よりも好きなことを話していただくようにしたのです。最初は20人をお呼びするのに100人以上に声をかけました。快諾していただけるようになったのは、私が好きな本を執筆した方々に依頼し始めてからです。書かれた本の話をすると本校の『大学訪問授業』に興味を持っていだけるようになりました。この企画を今日まで続けてこられたのは私が好きなことだからです」

好きなことが見つかれば、それが一生の財産になる

「高校生と違って中学生には『大学訪問授業』の内容は難解だと思います。しかし、中学生のアンケートを見ると『先生(講演者)がとても楽しそうに話していた』『先生が自分の専門分野をとても好きだということがわかった』という声が数多く見受けられます。勉強が嫌いな中学生も少なくありません。そんな中学生が、学ぶことが大好きな人たちがいることを、この訪問授業で知って衝撃を受けるのです」

 そう語る中野先生は新しい教育ヴィジョンを打ち出しました。「他者との関わりの中で自己を高めていこう」「失敗を恐れず失敗から学んでいこう」「一生続けられる好きなことを見つけよう」の3つです。どれも「大学訪問授業」とつながりがあります。

「たくさんの人の話を聞き、たくさんの経験をする。その中から好きなことがきっと見つかるはずです。それは一生の財産になるでしょう。そして、好きなことを仕事にできれば、こんなに幸せなことはありません。つらいことも乗り越えられます」

「TOKO SDGs」を考え
諸問題に対応できる力を
中野先生は「仕事本 わたしたちの緊急事態日記」(左右社)に寄稿。「あれだけ休日を喜んでいた生徒たちが今や一日も早い学校再開を望んでいる―(中略)―ここに学校というものの本質があることを自覚できたのは、自分にとってかけがえのない経験に違いない」と述べています。中野先生は「仕事本 わたしたちの緊急事態日記」(左右社)に寄稿。「あれだけ休日を喜んでいた生徒たちが今や一日も早い学校再開を望んでいる―(中略)―ここに学校というものの本質があることを自覚できたのは、自分にとってかけがえのない経験に違いない」と述べています。

 中野先生には、強い関心を寄せていることがありました。国連のSDGs※です。新しい教育目標とともに、このSDGsを同校の教育に組み込むために「TOKO SDGs」を発案。「TOKO SDGs委員会」も立ち上げました。この委員会では教員と生徒が語り合って同校独自の17の目標を設定したそうです。

「生徒が社会に出た時、今回のコロナのように、正解が見つからない問題に直面する機会は必ずあります。そのために『TOKO SDGs』の講習を開講します。様々な問題に対応できるトレーニングを中高時代に積んでほしいからです。また、生徒が好きなことを学べる講習もさらに増やしていく予定です」

※SDGs……2017年から2030年までに世界で達成すべき17の環境や開発に関する国際目標。Sustainable development Goalsの略称で、「持続可能な開発目標」と訳されています。

「TOKO SDGs」の17の目標。「今の中高生にとって切実な問題について考えていこうと思い、生徒と教員が議論を重ねて目標を決めました。それぞれの目標に10の具体的な項目があります」。(中野先生)
「TOKO SDGs」の17の目標。「今の中高生にとって切実な問題について考えていこうと思い、生徒と教員が議論を重ねて目標を決めました。それぞれの目標に10の具体的な項目があります」。(中野先生)

「TOKO SDGs」の17の目標。「今の中高生にとって切実な問題について考えていこうと思い、
生徒と教員が議論を重ねて目標を決めました。それぞれの目標に10の具体的な項目があります」。(中野先生)

中1から高3まで200人で組織された「TOKO SDGs委員会」。「たとえば、15番目の目標『芸術について考えてみよう』の項目10には『そもそも人間にとって芸術は必要なのか?』という問いがあります。講習では、こうした正解のない問いに対して、生徒が教員と対等な立場でともに考えていきます」。(中野先生)中1から高3まで200人で組織された「TOKO SDGs委員会」。「たとえば、15番目の目標『芸術について考えてみよう』の項目10には『そもそも人間にとって芸術は必要なのか?』という問いがあります。講習では、こうした正解のない問いに対して、生徒が教員と対等な立場でともに考えていきます」。(中野先生)
桐光学園には年間約600もの講座を揃えた「講習」があります。そのひとつ「ユニーク講習」は、教員が好きなことをテーマにしたもの。「実験!化学合成研究室」「映画館へ行こう!(放課後シアター)」「数学検定3級を取ろう」などがあります。写真は「フィールドワーク入門講座(江の島)」の様子です。桐光学園には年間約600もの講座を揃えた「講習」があります。そのひとつ「ユニーク講習」は、教員が好きなことをテーマにしたもの。「実験!化学合成研究室」「映画館へ行こう!(放課後シアター)」「数学検定3級を取ろう」などがあります。写真は「フィールドワーク入門講座(江の島)」の様子です。
知識を得て、自分の意見を考え、他の人の意見にも耳を傾けてほしい
校長 中野 浩 先生校長 中野 浩 先生

「TOKO SDGs」の基本姿勢は4つあります。まず、目標や問いに関する知識や情報を得ます。次にそれらについて自分の意見を考えます。そして他の人の意見を聞いてみます。意見交換をするのです。その結果、自分の意見が変わるかどうかを確認します。この4つは一生必要となる姿勢であり、中高時代に身につければ、人生が豊かなものになるはずです。

進学通信 2020年10月号
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