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私立中高進学通信

2020年神奈川版

The Voice 新校長インタビュー

湘南学園中学校

新たな歴史をつくろうと奮闘するきみたちを
これからも全力で応援する

伊藤 眞哉校長先生T・Rさん (高2・総務委員会 総務委員長)Y・Rくん (高2・総務委員会 会計)

伊藤 眞哉校長先生
T・Rさん (高2・総務委員会 総務委員長)
Y・Rくん (高2・総務委員会 会計)

伊藤 眞哉 (いとう・しんや)校長先生
1965年、東京生まれ。大学の文学部卒業後、湘南学園中学校の国語科教員に。以来32年間、湘南学園の一教員として多くの学園生と時を過ごしている。2020年4月、湘南学園中学校高等学校校長に就任。

自主的に動くきみたちを頼もしく思う
〇伊藤
「自主的積極的に行動できる人間」
になるために、身につけるべき3つの力。
  1. 苦しい時でも、物事に粘り強く、
    地道に取り組んでいける力
  2. さまざまな制約に負けずに、
    自分の夢や目標を育んで、努力していける力
  3. 周りの人とコミュニケーションをとって、
    力を合わせて進めていける力

伊藤
本来なら「今年度から校長を務めさせていただきます伊藤眞哉です…」と、入学式や始業式でご挨拶させてもらう予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、校長として生徒の皆さんと対面する機会がほとんどありませんでした。そのような中、総務委員会の皆さんは活動を止めることなく、具体的な目標を共有しながら、自主的に動いています。本当に頼もしく思っています。

T・R
例えば、体育祭や学園祭にしても、これまでと同じようなものができるとは思っていません。しかし、だからといって諦めるのではなく、逆に今回のコロナ禍をチャンスととらえて、湘南学園らしく私たちが主体になってどういう形のものにできるかと、休校中から仲間たちと一緒に、オンライン会議を中心に話し合ってきました。

Y・R
学校によっては、体育祭や学園祭を早々に中止にしたところもあるようですが、僕らは違います。むしろこれまでの学校行事の在り方を検証しながら、だったら今年はどうするかと、みんなで議論を続けているのです。そういったこれまでになかった作業が今、しっかりとできているので、とても充実した日々を送っています。

活動を任せてもらえる喜びを後輩たちにも
〇T・Rさん

伊藤
学校行事は普段の学校生活の中にごく普通に存在しているものですが、改めて〝何のためにやっているのか〟と、話し合うことはとても有意義なことですね。特に高2の皆さんは、中1から縦割りで連なるグループのリーダーとして、学校行事はこういうふうに運営するという手本を示す立場にあるだけに、今は大きく成長するチャンスではないかとも思っています。

T・R
そうですね。私たちが卒業した後も学校行事が続いていく中で、仮にこの1年を空けてしまうと、下の学年の生徒たちは、肝心なことを経験しないまま、いきなりリーダー学年として活動しなければならなくなってしまいます。湘南学園ではけっこうハードな部分、深いところまで生徒主体で任せてもらっているので、その喜びを後輩たちにも味わってもらいたいのです。

Y・R
僕は高1の時に初めて、T・Rさんに誘われて総務委員会に加わり、活動することのやりがいを感じることができました。失敗することより、どうしたら成功するかということを常に考えるようになったのは、自分としても成長した部分ではないかと思っています。

伊藤
そう言ってくれる皆さんを、私たちはいつも誇りに思っています。コロナに関しては、学校としてまだまだ慎重に対応していかなければなりませんが、きちんとバトンを繋いでいこうとするきみたちを信頼しているからこそ、これからもきみたちに託したいのです。

どんな状況下でも全力を尽くす
〇Y・Rくん

伊藤
先ほど、Y・Rくんが総務委員会に入ったきっかけを話してくれましたが、T・Rさんの場合はどのようなものだったのですか?

T・R
卒業生でもある3つ上の兄が総務委員長を務めていて、いつも生徒主体で活動できる楽しさを話してくれました。実際に入ると、そこには尊敬できる先輩がいて、気がつくとこの先輩に恥じない自分でいたいと思うようになっていました。それが中2の時で、周囲にもうちょっと目を配ってみよう、全体の利益についてもっと考えてみようなどと、具体的な目標が次々と定まっていきました。

Y・R
僕は途中から総務委員会の活動に加わりましたが、行事に参加する側から運営する側に回ると、新たな発見といいますか、学校が生徒の主体性を全面的に応援してくれるからこそ、自覚や責任を持って行動することの大切さに気づくことができました。今はまだコロナ禍の中で、具体的な行事は何一つ運営していませんが、どんな状況になるかわからなくても、全力を尽くすことが何よりも大切なことと信じてがんばっています。

T・R
総務委員会以外にも、今この機会だからできることはないかと、個人レベルで動き出している生徒もいます。私たちもそのサポートに回ることもありますが、今日もどこかで新しい何かが始まっているというワクワク感が、湘南学園の魅力なんだと思います。

Y・R
個人発のプロジェクトチームもいくつもありまからね。

伊藤
組織であっても個人であっても、「ちょっとこれをやってみたい」という声を聞けば、それを全力で応援するのが本校の伝統です。コロナ禍という逆境に負けず、新しい歴史をつくろうと、奮闘しているきみたちを、これからも全力で応援していきます。

[沿革]
1933年、個性尊重の自由教育を望む保護者と教師の協力により、玉川学園の分園として藤沢市鵠沼に開校。初代園長は玉川学園創立者の小原國芳。建学の精神は『個性豊かにして身体健全 気品高く 社会の進歩に貢献できる明朗有為な実力のある人間の育成』。中学校開校は1947年で、1979年に中高6年間一貫教育を開始。2013年、ユネスコスクール加盟。2015年にはスーパーグローバルハイスクールアソシエイト校に指定された。

進学通信 2020年10月号
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