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私立中高進学通信

2020年神奈川版

コロナに負けない!私学のアクション

サレジオ学院中学校

「使い方」ではなく
「使う人の在り方」を重視したICTの導入

Facebookで公開された、中学生が作成した学校紹介動画。

Facebookで公開された、中学生が作成した学校紹介動画。

生徒一人ひとりに
個別に配慮した対応
ICT導入の中心的人物で高2担当の高木俊輔先生。ICT導入の中心的人物で高2担当の高木俊輔先生。

 同校では、2019年4月から現在の高2の生徒を対象に、1人1台Chromebookを導入して授業に活用するなど、ICT環境を積極的に推進。そうしたICTの整備の強化が、コロナ禍での長期休校に約立ちました。

「休校前からすでに1人1台Chromebookを活用している高2生に対しては、動画配信などのオンライン授業を実施し、そのほかの学年の生徒たちには、「G Suite for Education」(※1)を使って課題や小テストを配信できるようにしました。
 動画配信については、学年によってはライブ配信もしましたが、生徒の学習進度や視聴環境などに合わせて学習動画を見ることができるように、教員が作成した授業動画を配信するという形を取りました」(ICT担当/高木俊輔先生)

入試広報委員長・英語科教諭の朝倉広明先生。入試広報委員長・英語科教諭の朝倉広明先生。

「新入学の中1生に対しては、担任教員と生徒との関係づくりに努め、ほぼ毎日、オンライン朝礼を行いました。6月に延期した入学式の時には、教員と生徒が互いに顔と名前が一致しているようにしたいと考えたからです。4月~5月の間に中1に限って1日10名に人数を絞って登校してもらい、個別面談も行いました。
 休校期間中は、生徒が自立するチャンスにもなったと思います。休校期間中は時間割などで生徒を縛らず、生徒が自分の興味・関心をとことん掘り下げる機会にしてほしいと考えました」(朝倉広明先生)

「本校の教育法は、ヨハネ・ボスコが言う『アシステンツァ(assistenza(伊)/assistance(英))』という、“ともに居ること”を意味する言葉に土台を置いています。これは教員が常に生徒とともに居ることにより、生徒の考え、気持ちや行動を理解し、その発達段階に応じて適切な指導ができるという考え方です。
 休校期間中も学年毎に生徒たちのことをよく知る先生方が、学年や生徒の個性や特性に合わせて柔軟に対応してきました」(高木先生)

※G Suite for Education …Google Classroom、Google Meetなど、Googleのツールをトータルで活用できる教育用のアプリセット。

人としての在り方を問う教育を

「これまでChromebookは高1生から1人1台を導入していましたが、今後に備えるために中学からの導入を決定しました。9月には中学生にも1人1台Chromebookを用いた教育体制が整う予定です」

 と高木先生は話します。また、休校期間中の生徒たちへの対応を通して、「もう一度教育とは何か、学校とは何かを考える機会になった」と言います。 

「私の担当する科学の授業は、休校期間中も予定通りの進度で進めることができました。なかには『オンライン学習でも十分学ぶことができた』という生徒もいるでしょう。それでも登校できるようになると、友達や教員と一緒に過ごせることを心から喜んでいます。
 私たち教職員は、“学校”という場の意味を改めて考えなければならないと強く感じました。ICTツールの使い方を教えることやスキルアップを図ることは教育の本質ではなく、人を育てることが本校の教育です。だからこそICTツールをどう用いるのかという在り方を教えることは、生徒の価値観や生き方につながっていきます。
 カトリック・ミッションスクールである本学院の教育の一環として、ICTを何のために使うのか。本校の教育理念に立ち返り、その活用を進めていきたいと思います」

コロナ対策事例1
デジタルツールを使って進化
高2物理の授業の様子。単振り子の周期の測定をし、そのデータをもとに重力加速度を計算。Chromebookでデータを集計し、リアルタイムで表示しています。高2物理の授業の様子。単振り子の周期の測定をし、そのデータをもとに重力加速度を計算。Chromebookでデータを集計し、リアルタイムで表示しています。

 昨年4月から当時の高1生(現・高2)を対象に、1人1台にChromebookを導入し、毎日の授業に活用。休校中のオンライン授業でも活用されました。

「Chromebookを活用することで、あらゆる作業を効率的に行えるようになりました。大切なのはツールをどのように使うかです。節約できた時間で、共同作業などの対話的な学習や、一人ひとりの興味・関心を深める探究学習をするための時間に充てていくことをめざしています」
(高木先生)

『地理院地図』(国土地理院サイト)を使い、球磨川の氾濫した場所と地形との関係を考察する、高2地理の授業の様子。

高3では、8,000字の論文作成に向けて研究・調査・発表を繰り返し、準備を進めています。
ようやく休校が明けて行われた発表の様子を、高2生も「Google Meet」を使って視聴しました。

コロナ対策事例2
生徒がオンラインで情報発信
中2生による『学校紹介動画』

 中学受験生向けの『学校紹介動画』を中2生が学年企画で作成。5月28日から連載で作品の一部を紹介、第1弾から第5弾まで、シリーズで配信されました。

Facebookで公開された学校紹介動画。ジャグリング部が実演をしながら学校のことを紹介する動画や、
ぬいぐるみを使って親しみやすい紹介動画を作成した生徒もいました。

コロナ対策事例3
使い方は自由!
高校生徒会『オンライン選挙』を開催
オンラインで行われた高校生徒会選挙では、「Googleフォーム」を活用。オンラインで行われた高校生徒会選挙では、「Googleフォーム」を活用。

 休校期間中に高校生徒会によるオンライン選挙が行われました。事前に社会科教員が作成した選挙についての動画を視聴してから、立候補した生徒の演説動画を視聴し、投票。無事に新しい高校生徒会が発足しました。

「オンライン選挙は『選挙は立会演説会をやらなければならない』『投票は紙でなければならない』『ICTは学習にのみ使うものである』といった既成概念を取り払い、生徒たちにも自由な発想でICTを活用してほしいと、先生方が企画しました。今後は生徒が主体となって、さまざまなアイデアを上げてきてほしいと思います」

先生から一言
モチベーションや意欲を育てる教育をめざす

 ICTの活用には、原動力となるモチベーションや意欲を育てることも大切です。今、高2生が中心となって、オンライン文化祭の内容を模索しています。その原動力となるのは、制約がある中でも、人とつながりたいという強い気持ちです。何に喜びを感じるのか、何をしたいのかという自分の気持に気づけたことは、成長のチャンスです。

 休校期間中も生徒たちの取り組みはさまざまです。どんな環境下にあっても、意欲がある生徒は何としても学ぼうとしています。今回の休校期間から得た反省点も活かし、生徒が自ら学んでいく強い気持ちを鍛えていくことに重きを置いていきます。そのうえで、本校ならではのICTを活用した学びを生徒と一緒に模索しながら、実現していきたいと思います。(高木先生)

進学通信 2020年10月号
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