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私立中高進学通信

2020年神奈川版

実践報告 私学の授業

北鎌倉女子学園中学校

クリエイティビティを育む『先進コース』の学び

授業の楽しさが課題解決力を育み、高める
『先進コース』では、『先進英語』『先進的な学びの時間』といった同校オリジナルの授業を設定。教科書にとらわれない学びを設定しています。

『先進コース』では、『先進英語』『先進的な学びの時間』といった同校オリジナルの授業を設定。
教科書にとらわれない学びを設定しています。

学力観を再定義した
『先進コース』がスタート

 2020年4月から、同校中学校の『普通コース』は『先進コース』へと名称を変更しました。このコースは、教育のICT化を先取りし、生徒の思考力や創造性を高める新しい学びの形を追求することをコンセプトにしています。

「授業が“楽しい”ことこそが、学校のあるべき姿だと思います。コミュニケーション力や、仲間と協働する力、分析的な思考能力を身につける観点から、授業を組み立て直そうと方向性を定めました」

 と先進教育推進室室長の三室哲哉先生は話します。

 学校改革を進めるために、ICT環境の整備に以前から着手しています。2018年度には新中1と新高1にLTEモデルのiPadを1人1台貸与し、学校全館にWi-Fiを導入。全教室に電子黒板を設置し、iPadの画面を電子黒板に投影し、教員も生徒も、いつでもプレゼンテーションできるように環境を整えています。

 システム面ではGoogleのクラウドサービスを導入し、教職員間や、教員と保護者、生徒への連絡もメールで行うなど、伝達手段でもICT化を進めてきました。

 先進的な教育の導入にも意欲的な同校は、先導的な教育に取り組む教育機関として認められ、Apple Distinguished School(ADS)に認定されています。さらに昨年度には全教員がAppleティーチャー(※1)の資格を取得。以前からアクティブラーニングを授業の軸に据えて教育を行ってきた同校の教育にさらに教員のスキルが加わり、学校全体の教育のイノベーションも大きく前進しました。

 こうしてICT化や先進的な学びの導入などで培われた同校のスキルは、コロナ禍で真価を 発揮しました。学びが止まることなく、全校がZoomなどを活用したオンライン授業にスムーズ に移行できたのです。

 新中1生に関しても4月の入学式で、iPadを手渡しして設定を指導しました。 オンライン授業が始まってからも使い方をていねいにレクチャーし、 休校中に、すっかり使いこなせるようになったそうです。

※1 Appleティーチャー…Apple製品を授業で活用するためのスキルやノウハウを学ぶ教員向けプログラムです。Apple純正アプリについて学ぶことができ、最後にテストをクリアするとAppleティーチャーの資格が与えられます。

問題解決力を高める
『先進コース』の授業設計

 この春からスタートした『先進コース』は、『先進英語』と『先進的な学びの時間』という、同校オリジナルの2つの授業を特色としています。『先進英語』では、英語で書かれたWebサイトを読む、英語でのプレゼンテーションをiPadで作成するなど、教科書にとらわれない生の教材を用いることで、英語で発信することを楽しめる生徒を育てていきます。

『先進的な学びの時間』では、最新のテクノロジーに触れると同時に、ものづくり体験も重視します。ドローンやロボットをプログラミングして動かす、3Dプリンターを使って自分が考えたものを形にしてみる、アプリ開発などの授業を予定しています。

「どんなものを作ろうか、そのためには何が必要かを考えるプロセスが、問題解決能力を高めます。一見、遊びに見えるような楽しい授業こそ、必要なのです」(三室先生)

 その他の教科でも問題解決型学習(PBL)(※2)を導入し、アクティブラーニング型授業を推進。「総合的な学習の時間」では『KGプロジェクト』と名付けた探究学習を実施。学年毎にテーマを決め、グループでの探究活動を続けています。

 自分で自分のことを発言できる、イキイキと、自信を持ってアウトプットできる生徒を中学3年間で育てたいという意識が、学校全体で高まっているのです。

※2 PBL…「Project-Based-Learning」の略。設定した課題の解決策を模索するため、調べ学習やディスカッションをすることで思考を深め、多角的な視点を学ぶアクティブラーニング型の学習方法。

Challenge1
テクノロジーを使いこなし
楽しく4Cを伸ばす

「コミュニケーション」「コラボレーション(協働)」「クリティカルシンキング(分析的思考力)」「クリエイティビティ(創造性)」という4つの「C」を育てることを大切にしている同校。最新のテクノロジーを使うのは、これらの力を育てるためと捉えています。

 ICT機器をそろえるだけでなく、どのように授業をデザインするか、どのような生徒になってほしいかという意志が必要だと考えているのです。

「書いて覚えるのが得意な生徒もいれば、聞いて考えるのが得意な生徒もいます。一人ひとりにどこまでフレキシブルに対応できるか、学びを個別に最適化できるよう意識しています」 (三室先生)

 生徒の好奇心や積極性、自ら考える力を高めるため、Webサイトやアプリへのアクセスに関する制限は緩やかに設定しています。生徒が使い勝手の良いと思うアプリを探して自分でインストールして使い、そのアプリの良さについて、クラスで紹介のプレゼンテーションをする、といった取り組みもしているそうです。

1人1台のiPad環境。課題の提出や返却もすべてオンラインで完結します。1人1台のiPad環境。課題の提出や返却もすべてオンラインで完結します。
『先進英語』では教科書にとらわれず、様々なアプリやウェブ上の情報を活用しながら英語を学んでいます。『先進英語』では教科書にとらわれず、様々なアプリやウェブ上の情報を活用しながら英語を学んでいます。
『先進的な学びの時間』ではプログラミングを学べます。先生がiPad上に描いた宝の地図をもとに、生徒が「宝探し」をする授業も。コマンドを作って動かすというプログラミングの導入となる活動です。『先進的な学びの時間』ではプログラミングを学べます。先生がiPad上に描いた宝の地図をもとに、生徒が「宝探し」をする授業も。コマンドを作って動かすというプログラミングの導入となる活動です。
Challenge2
従来の授業観を脱し
生徒が主体的に学ぶ場を提供
グループで考え、議論しながら『KGプロジェクト』に取り組む生徒たち。こうした探究学習だけでなく、すべての授業でアクティブラーニングを実施しています。グループで考え、議論しながら『KGプロジェクト』に取り組む生徒たち。こうした探究学習だけでなく、すべての授業でアクティブラーニングを実施しています。

 教科の授業や「総合的な学習の時間」で行う『KGプロジェクト』、『先進コース』に新たに設定された『先進英語』や『先進的な学びの時間』まで、すべてのカリキュラムが、問題解決型の授業スタイルに転換しつつあります。

『KGプロジェクト』では、中1は「フェアトレード」、中2は「海洋プラスチック問題」、中3は「ゴミ問題」と、テーマを設定してグループで探究活動をしています。

 iPadを活用しながら、イメージを膨らませたり、調べものをしたりと、生徒の知的好奇心が楽しい授業を作り出しています。

ココも注目!
教員全員がAppleティーチャー
世界で約535校しかないADSって?
先進教育推進室室長・ICT教育推進委員会委員長・情報科主任/三室哲哉先生先進教育推進室室長・ICT教育推進委員会委員長・情報科主任/三室哲哉先生

 Apple Distinguished School(ADS)とは、Appleが認定する教育の先進校です。認定校はiPadやMacなどのApple製品やApple純正アプリケーションを使って教育のイノベーションに取り組み、国内外に発信することが求められています。教職員がiPadまたはMacに習熟していることも必須条件です。日本国内では10校しか認定されていませんが、同校はそのうちの1校なのです。

 三室先生をはじめICT教育推進委員会の先生方は、世界中のADS校が集まるオンラインカンファレンスにも定期的に参加します。

「コロナの影響が収まっても、オンラインの学習はこれから増えていくだろうと世界の教育関係者は見ています。その分岐点が今なのです。本校もテクノロジーを活用しながら授業を改善し、生徒の創造性をどう伸ばしていけるか、可能性を探っていきたいと考えています」(三室先生)

進学通信 2020年10月号
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