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私立中高進学通信

2020年12月号

The Voice 新校長インタビュー

佐野日本大学中等教育学校

生徒と向き合い、共に歩みながら
その力を最大限に活かしていきたい

舩渡川 重幸 (ふなとがわ・しげゆき)校長先生

舩渡川 重幸 (ふなとがわ・しげゆき)校長先生
1958年、栃木県佐野市出身。佐野日本大学高等学校を卒業後、2浪して大学に進学。
卒業後、働きながら、都心にある大学の文学部第二部教育学科(夜間部)に学士編入して通い、教員免許を取得。
その後、母校の佐野日本大学高等学校で社会科教諭に。
2015年に佐野日本大学中等教育学校の教頭に、2020年春に同校の校長に就任。

信念を突き通し、目標を諦めず
努力を重ねて教員の道へ

「栃木県佐野市で生まれ育った私は、第一志望の高校受験で不合格となり、同級生たちが合格発表の掲示板の前で大喜びをしている姿を横目に、悔しい思いをしました。佐野日本大学高等学校に進学し、推薦制度で日本大学に進学することもできたのですが、それでは合格発表の掲示板で自分の名前を見て、合格の喜びを噛み締めることはできません。そこで、何が何でも一般試験で受験することに決めました」

 舩渡川先生は予備校に通い、2年間の浪人生活を経て、ついに希望大学に合格しました。この2年間、予備校の講師陣のわかりやすい講義に感銘を受け、教える仕事に強く興味を持つようになったそうです。

「大学2年生の時に、友人から誘われ、ボランティアで小学生を対象に教育活動を行う団体に参加しました。子どもたちを夏は登山やキャンプへ、冬はスキーへ連れていきます。
 子どもたちを連れて、群馬県の山に登った時のことです。お母さんにリュックまで持ってもらい、タクシーで集合場所までやってきた子がいました。その子が4日間を山で過ごして大きく変わり、登山を終えた後は、タクシーを断って元気いっぱいに歩いて帰ったのです。お母さんからは感謝の手紙までいただきました」

体験や授業で得た成長こそが
未来への可能性を広げる
21世紀型教育の3つの柱
  1. Humanity(人間力を伸ばす教育)
    知識・技能の育成、思考力・判断力・表現力の育成など
  2. Global(グローバル教育)
    全員参加のイギリス研修や希望者対象の海外研修など
  3. Stem(※)(理数科学技術教育)

※Stem…「Science、Technology、Engineering、Mathematics」の単語の頭文字を取ったもので、科学と数学を土台に科学技術の人材育成を行う教育です。

 このボランティアを大学4年まで続けた舩渡川先生は、子どもの成長を毎日見たり、関わったりすることのできる教員という職業に就きたいと思うようになりました。

 教職課程を履修していなかったため、卒業後、大手電機メーカーに就職して経理部に所属しながら、都心にある大学の文学部教育学科の夜間部で学び、紆余曲折を経て会社を円満退社し、教職課程を取得できたのは29歳の時。縁あって母校の佐野日本大学高等学校で社会科の教員となったのです。

「教員になりたくてなったものですから、毎日が本当に楽しくて充実していました。1年目は副担任を務め、2年目に担任を持たせてもらいました。以来、27年間、毎日生徒と共に過ごしました。かけがえのない素晴らしい経験です」

 2015年、舩渡川先生は佐野日本大学高校から、中等教育学校として新たに開校していた同校に、教頭として赴任しました。

「教員になる夢を諦めなかった経験から、明確な目標を持った生徒が一歩踏み出せないでいる時は、背中を押すことが多かったように思います。
 私が担任を務めた卒業生の中に、最難関の私立大学卒業後にアナウンサーになった女子生徒がいました。彼女がアナウンサーを辞めて、医学部を受験したいと相談してきた時も、私は『まだ若いのだから、思い通りに挑戦するほうがいいよ』と答えました。その卒業生は今、大学の医学部で学んでいます」

 舩渡川先生はもう一つ大事にしてきたことがあります。

「常に生徒と共にいることです。私は文化祭も体育祭も生徒と一緒に楽しみます。生徒と一緒に悩んだこともたくさんあります。こうした一つひとつの経験が、教員の糧になると考えています。だからこそ本校の教員には、生徒が明日も学校に行くのが楽しみだと思えるように、生徒と向き合い、共に歩んでくださいと日々話しています」

 また、生徒と共に過ごす中で、『体験すること』の大切さを痛感していると舩渡川先生は言います。

「前校長は日本大学の教育理念である『自主創造』のもと『Humanity』『Global』『Stem』を3つの柱に据えた21世紀型教育を始動させました。私はこの教育を受け継ぎ、本校の教育目標『磨こう心 輝く知性 拓こう未来』を実現させたいと考えています。
 生徒の未来を拓くことが本校の使命ですが、そのためにはさまざまな体験が必要です。体験することを通して、生徒は大きく変わります。例えば、本校では中2の国内短期研修で毎年、新潟県上越市を訪れ、田植えや漁業などを体験しますが、土に触れたこともない生徒が苗を一つひとつ、懸命に植えて『カエルに触れたよ』と笑顔を見せるようになります。こうした小さな成長の集積が、生徒の可能性を大きく広げるのです。
 授業もこれと同様に大切な『体験』です。授業が終わった後、『そうか、そうだったんだ!』と理解が深まった感動の蓄積が、生徒の未来を切り拓くのです。そう考えるからこそ、日々の学びを大切にし、生徒の力を最大限に活かす教育を実践していきます」

[沿革]
 1964年に佐野日本大学高等学校、1988年に同校の前身である佐野日本大学中学校が開校し、2010年、佐野日本大学中等教育学校に。また、いち早くICT教育を採り入れた。2017年にユネスコスクールに加盟し、国際教育や環境教育を軸に据えた活動に取り組んでいる。

進学通信 2020年12月号
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