私立中高進学通信
2020年11月号
実践!未来の学び「メディアセンター」
横浜創英中学校
2020年2学期より新校舎での
新しい学びがスタート!
今年の夏に完成したばかりの新校舎は、カフェテリア、メディアセンター、
多目的に使えるグリーンホール、ICTに完全対応した教室など、生徒たちの学びを支える施設を完備。
メディアセンターは
自主的に学ぶための拠点
『考えて行動のできる人』の育成を建学の精神に掲げ、生徒が主体となって学ぶ教育を実現するため、さまざまな改革を行っている同校。2学期からは改革の一環である最新設備を備えた新校舎での学びが、スタートしました。
新校舎内の「メディアセンター」は、図書室として、またグループワークがしやすい探究スペースとして、放課後には自習室としても活用できるように設計されています。
「先日の中3の授業では、メディアセンターでプレゼンの練習をしました。ホワイトボードもあり、話し合いもしやすく、授業でもよく使われています」(入試広報部部長/松岡徹先生)
「中1の数学では、メディアセンターで自分のタブレット端末を使って演習問題を解いてみました。『この授業で何を学習するか、目標を決めて取り組みなさい』と伝えると、生徒たちはざわつくこともなく、自主的に取り組み始めました。
1人で集中する生徒もいれば、みんなで一緒に考える生徒もいて、教室とは異なる環境で、リラックスして問題を解いていました」(教育開発部長/粕谷憲義先生)
「黒板を使って教員が一方的に教える授業は、本校では少なくなりました。例えば、数学では、タブレット端末の演習アプリを活用しています。わからない問題があれば個別に小学校までさかのぼって学べるため、生徒は自主的に取り組んでいます。教員は生徒が自力で学べるよう、声がけをして促します。通常の授業でも生徒が能動的に動いて学べるように、ホワイトボードや付箋を使うなど工夫しています」(教頭・入試広報部 中学主任/坂口きくえ先生)
発言を否定されない教室で
失敗を恐れずチャレンジ
同校の生徒が能動的に学ぶことができるのは、中学3年間、独自の探究学習『創学』に取り組んでいるからです。
「本校では授業に『PBL』(※1)を導入していますが、急にできるものではありません。そこで『創学』の時間では、自分の好きなものを発表し合うことから始めます。最初は他人の目線を気にしてしまいますが、そこを中1の1学期からほぐして、互いに認め合うことの重要性を繰り返し伝えると、生徒はどんどん自分から発表ができるようになります」(粕谷先生)
「発言をして、それを否定されない雰囲気づくりは、各教科の先生方も努力をされています」(坂口教頭先生)
教員が強力にバックアップする環境で、生徒たちがイキイキと自分を発揮し、自ら学び取るようになるのです。
※1 PBL…「Project Based Learning」の略。新たな課題や自ら発見した課題の解決をめざすプロジェクト型学習。
最新の設備を完備
能動的な学びを推進する新校舎
※2 アフタースクール…同校が部活動とは別に行っている放課後の活動。自由に参加でき、プログラミングなど、生徒が興味を持つ講座を催しています。
『行動できる人』になるための
仕掛けづくりが大切
左から坂口教頭先生、松岡先生、粕谷先生。
教員全体が連携し合い、各教科で生徒の自主性を伸ばす授業を展開しています。
これからの時代、「言われることだけやればいい」という受け身の姿勢は通用しません。一人ひとりがしっかりと考えて行動することが求められます。同校では、『行動できる人』になるために、どんな取り組みを行っているのでしょうか。
「まず、教科では『書く』『表現する』ということを重視しています。そして課題解決型の学習と発表を繰り返し行うことで、消極的だった生徒も、少しずつ発言できるようになっていきます。
授業ではグループワークも多用し、“相手のためにフィードバックをしていこう”と伝えています。先日は中3の授業で、『批評と批判の違いとは?』という学習をしました。批判するのではなく『こうすればよくなるのでは?』という伝え方をしていくことが大事です。前向きな意見交換ができるようになると、どんな生徒も臆さずに自分を発揮できるようになります」(松岡先生)
新校舎の多目的教室は、横長の教室で、壁いっぱいにホワイトボードを設置し、
生徒が主体的に動く授業をしやすい作りになっています。今後、授業研究などにも活用する予定です。
(この記事は『私立中高進学通信2020年11月号』に掲載しました。)
横浜創英中学校
〒221-0004 神奈川県横浜市神奈川区西大口28
TEL:045-421-3121
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