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私立中高進学通信

2020年11月号

実践!未来の学び「主体性とICT活用」

京華中学校

中1から主体的な授業を実践
個性が光るプレゼンテーション

タブレットPCの画面をプロジェクターで投影してプレゼンテーション。
全教室にタブレットPC連動型のプロジェクターを設置しています。

調べ学習の成果を
PowerPointで発表
生徒が作ったPowerPointのデータは全員で共有します。授業のあとに、復習として見直すことも可能です。生徒が作ったPowerPointのデータは全員で共有します。授業のあとに、復習として見直すことも可能です。

『ネバー・ダイ』を校訓に、確かな“実行力”を身につけた男子の育成をめざしている同校。未来を切り拓く“実行力”を養う取り組みの一つとしてICT教育を推進。同校の中高の全生徒が1人1台のタブレットPCを持ち、Microsoft Teams(※1)、Google Classroom(※2)など、さまざまなオンラインツールを学習に活用しています。

 この日は中1の社会科の授業で、地理のプレゼンテーションが行われていました。テーマは「旅行プランを作成してみよう」です。生徒はそれぞれ興味のある国を選び、調べ学習をして実現可能な旅行プランを立て、Power Pointでスライドを作成してプレゼンテーションをします。生徒たちは1学期ですでにPowerPointの操作にも慣れ、それぞれが思い思いのプレゼンテーションを作り上げています。授業では、2名の生徒が自ら考案した旅行プランについて発表し、クラスで意見を交換し合いました。

※1 Microsoft Teams…Microsoft 365で行うチームコラボレーションのハブで、スケジュール管理、チャット、オンライン通話、Web会議サービスなどのほか、ExcelやWordなどMicrosoft Officeアプリとの連携など多種多様な機能を備えています。ビジネス用として開発されましたが、近年、学校内の課題配布や探究学習などにも活用されています。

※2 Google Classroom…Googleの授業支援ツール。課題の配布や振り返りなど、教員と生徒の間の連絡をオンライン上で一括管理できます。

価値観のぶつけ合いで
自分の個性を知る
生徒主体の授業では、ファシリテーターとしての教員の役割も重要です。生徒主体の授業では、ファシリテーターとしての教員の役割も重要です。

 この授業を担当した中1学年主任・西村博樹先生は、次のように話します。

「旅行プラン作成の課題では、最低限必要な項目のみを指示し、あとは自由に作成してもらいました。結果、それぞれの個性が表れたプレゼンになりました。中1生もタブレットPCを学習ツールの一つとして使いこなしています」

 学校全体で主体性を育む授業を推進するなか、中学生の場合は、教員がサポートする部分も多くなります。

「中学生にプレゼンテーションを促すには、“問い”がすべてです。議論に発展する、難しすぎない“問い”をこちらが設定することが大事です。今回の課題は旅行という設定があるため生徒も個性を出しやすく、交通事情や食・文化など、多角的に他国を知る契機にもなりました。
 生徒主体の授業であっても放任ではなく、教員が関わり方を工夫することで、学びをより発展させるように気を配っています」と西村先生は話します。

 授業中はタブレットPCだけを使うわけではなく、友達が発表している時はタブレットを閉じ、「ノートにメモを取りながらきちんと聞く」という姿勢を習慣づけるように促しています。

「何かについて調べるだけなら1人でもできますが、他人の意見を直に聞き、価値観を交換できるのが学校の授業です。価値観をぶつけ合う中で自分の個性や立ち位置、自己の考えを確立してほしいと考えています」と西村先生。個性をのびのびと育み、生徒の力を存分に引き出しているのです。

中1社会科の授業レポート
生徒たちが考案!
「旅行プラン」発表会
タヒチアン・ダンスの実演で
楽しいプレゼンテーションに

 1学期の社会科では興味ある国について調べ、その延長で「好きな国の旅行プラン」が課題に出されました。最初の生徒は、フランス領ポリネシアのタヒチ島について紹介。島内での移動手段、宿泊先のホテル、現地の物価を日本と比較するなど、写真を使いながら細かい部分まで説明しました。プレゼンが終了すると、質問タイムがスタート。スライドで説明されていた「タヒチアン・ダンス」への質問では、教員が「ちょっと踊ってみてくれる?」と促すと、プレゼンをした生徒が習っているダンスを披露。クラス全員で踊ってみる楽しい展開になりました。

タヒチ島の旅行プランを発表した生徒が、リクエストでタヒチアン・ダンスを披露。「みんなで踊ってみよう!」とクラス全員で挑戦することに。タヒチ島の旅行プランを発表した生徒が、リクエストでタヒチアン・ダンスを披露。「みんなで踊ってみよう!」とクラス全員で挑戦することに。
物価など、国の現況についても調べて発表しました。教員が詳しく補足説明する場面も。物価など、国の現況についても調べて発表しました。教員が詳しく補足説明する場面も。

旅行代理店のパンフレットを参考に
具体的な旅行プランをプレゼン

 次の生徒が提案した旅行先はイタリアです。旅行代理店のパンフレットなども参考にして、具体的な旅行プランを練り上げていました。ローマ最古のレストランの紹介など、楽しい中にも知識を深められる内容に、生徒たちは興味を示していました。

 イタリア各地の世界遺産についても詳しく紹介し、質問タイムには、「どんなパスタを食べてみたいですか?」「ヴァチカン市国へ行くにはパスポートはいらないのですか?」など、どんどん質問が飛び出しました。

旅行プランをしっかりと組み立てた観光地の紹介を通して、イタリアの多彩な面を紹介するプレゼンに。旅行プランをしっかりと組み立てた観光地の紹介を通して、イタリアの多彩な面を紹介するプレゼンに。
プレゼンをした生徒が質問の答えに窮していると、教員がすかさず質問した生徒に「自分で調べてみよう」と促します。タブレットPCで検索し、みんなで答えを共有しました。プレゼンをした生徒が質問の答えに窮していると、教員がすかさず質問した生徒に「自分で調べてみよう」と促します。タブレットPCで検索し、みんなで答えを共有しました。
オンラインを使って
課題共有
ドイツの自動車産業についてMicrosoft Teamsで共有。日本の産業との類似性などに話題が広がり、活発な意見交換へとつながりました。ドイツの自動車産業についてMicrosoft Teamsで共有。日本の産業との類似性などに話題が広がり、活発な意見交換へとつながりました。

 課題の配信などには「Microsoft Teams」を活用しています。3密を避けるため、グループワークをMicrosoft Teamsで行うことも。1学期の社会科の授業では「なぜドイツでは自動車産業が盛んなのか」という問いについてみんなで考え、調べ、意見交換をしました。

「旅行プラン」を作成したPowerPointのデータもMicrosoft Teamsで共有。今後の参考にするなど、活用されています。

先生からの一言
サポートしながら段階的に自立を促す
社会科・中1学年主任 西村 博樹 先生社会科・中1学年主任
西村 博樹 先生

 武道や芸道には「守破離しゅはり」という言葉があります。まずは指導者から教わる「型」を守り、次に自分なりの創意工夫によって「型」を破り、最後は指導者の元から離れて、学んできたこと、試してきたことをさらに発展させていくという考え方です。

 本校の最終目標は、生徒たちがそれぞれ独自の方法を構築し、本校を巣立っていくことです。まずは「人の話をよく聞く」など基本的な「型」を身につけ、さまざまな学びを通して自分の「型」を作ってもらいたい。そして、教員が生徒の中に入っていく頻度を徐々に下げることで主体性を伸ばし、自立する力を育てていきたいと考えています。

(この記事は『私立中高進学通信2020年11月号』に掲載しました。)

進学通信 2020年11月号
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