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私立中高進学通信

2020年11月号

実践!未来の学び「ICT活用」

聖望学園中学校

ICT活用で生徒と教員が情報共有
問題点をリアルタイムで解決

生徒たちがiPadに書いた授業のノートは、内容が即時に電子黒板に投影され、
間違いがあればその場で先生に指摘してもらえます。

デジタルノートで
生徒の“今”をとらえる
中1の時から全員に1台ずつiPadが貸与されます。生徒たちが毎日使う大事なツールです。中1の時から全員に1台ずつiPadが貸与されます。生徒たちが毎日使う大事なツールです。

 全生徒に1台ずつiPadを貸与している同校では、学校生活や学習においてリアルタイムで生徒とやり取りをすることに力を入れているといいます。ICT教育部長の永澤勇気先生にお話をうかがいました。

「本校では独自の『R-ISMノート』という振り返り用ノートをiPadに入れています。その日に学んだことや課題、理解度などを記録するデジタルノートです。以前は紙のノートでやり取りをしていましたが、回収した時点から生徒はノートに書き加えることができなくなってしまう。今は、iPadでデータのやり取りをするので、生徒はいつでも書き加えることができるし、私たち教員もいつでも見られるようになりました。お互いに離れた場所にいながらチャットのようにやり取りすることも可能になったのです」

 R-ISMノートをデジタルに移行したことで、生徒の本音を聞く機会が増えたと永澤先生は話します。

「『今日は学校でこんなことが……』といった書き込みから教員がその背後にある問題点に気付けば、早く対処することができます。ICTの導入で生徒とコミュニケーションをとりやすくなったことは、非常にメリットが大きいと感じています」

ICTの活用で
平均点が大幅アップ

 リアルタイムで生徒とやり取りができることは、学習面でも大きなメリットがあります。

「生徒はiPadを授業のノートとしても使っていて、そのノートは教員のタブレット端末にも瞬時に表示されます。それを見れば生徒が間違って理解していることにもすぐ気が付き、その場で正すことができるのです。以前は教員が黒板に板書して生徒がノートに写すのが基本でしたが、今では教員の授業を聞いて、生徒がiPadに書いたことがそのまま電子黒板に映し出されて、さらにそこへ解説を加えていく。教員から生徒への一方通行ではなく、双方向の“やり取り”になっているのです。おかげで非常に効率的に授業を進めることができるようになりました」

 授業を理解するうえで障害になっている部分が見えやすくなったことに加えて、理解や関心を深める点でもICTは有効です。

「昨年、天文関係の授業でVRを使いました。星の動きを見せてから授業に入ったところ、生徒たちの興味の持ち方がまったく違うのです。定期試験の理科の平均点が20点ぐらい上がりました。そのほかにも『原子』のような見えないものを説明する時に、ICT機器を利用するとわかりやすくなります。古文や現代文を読んで情景をiPadで簡単に絵にしてもらうと、文章を正しく読みとれているかどうかすぐにわかります。絵に描かれていない人や物については、文章から読みとれていない可能性が高いですから。
 生徒が授業で得たものを可視化する手段として、ICT機器は欠かせません。それぞれの生徒の理解が足りない部分は、本人ではなかなか気が付かないですから、個別対応を素早く行えるのは、ICTの最大のメリットですね」(永澤先生)

担当教員に聞きました
聖望学園のめざす場所
ここに注目!
人前で発表する機会を増やして
自分の意見を伝えられる人を育てたい
ICT教育部長 永澤 勇気 先生
自分の意見が求められる
時代に必要な人材とは?
理科担当の永澤先生は、クラウド上で理科の教員同士が教材や資料を共有する「理科ボックス」を授業に活用しています。理科担当の永澤先生は、クラウド上で理科の教員同士が教材や資料を共有する「理科ボックス」を授業に活用しています。

 ICTを積極的に活用して教員と生徒がリアルタイムで情報をやり取りできる環境を備えた同校が次にめざすのは、“物事を正しくとらえて分析し、それを自分の意見として発表できる生徒を育てる”ことだと永澤先生は話します。

「今は情報を調べることは簡単ですし、もし生徒が間違って理解していることがあれば、教員がすぐに正す環境も整っています。iPadに何か書けば、それがすぐに教員と共有されて黒板にも投影されるので、以前のように授業中に手を挙げて先生に指名されてから意見を言うよりも、素早く自分の意見を教員やクラスの仲間に伝えることができます。自分を表現することが必要な場で、意見をどんどん発表できるようになることは、とても大事なことだと思っています」

 自分で調べて考えたことを相手に伝えるためには、人前で話せるようになることも重要です。そうした機会を増やしていくことも、学校教育の重要な課題になると永澤先生はいいます。

「最初は恥ずかしがって下を向いていても、慣れると堂々と発表できるようになります。発表することが当たり前になってしまえば、緊張することなく実力を発揮できますから。物怖じせずにしゃべって、自分で考えた意見を相手に伝えて、社会から評価してもらえる人に育てていくのが我々の目標です」

課題について、iPadを使って調べたことを発表する生徒たち。

課題について、iPadを使って調べたことを発表する生徒たち。

九州の姉妹校との連携で
生徒の発表の場を学外にも広げたい
ICTの活用で、リモート授業への移行がスムーズかつスピーディーに行われました。ICTの活用で、リモート授業への移行がスムーズかつスピーディーに行われました。

 永澤先生は現在、生徒たちの発表の場を学外にも広げようと考えています。

「姉妹校である熊本のルーテル学院中学・高等学校との連携を目標に調整を進めています。その一環として先日、ルーテル学院の先生に、2016年に発生した熊本地震について生徒に話していただきました。今は新型コロナウイルスのため実際に行き来するのは難しいですが、ICTを活用すればリモートでの交流は十分に可能ですし、学外で発表するチャンスを生徒たちに与えられると面白いと思っています」

ICTで休校要請期間の
リモート授業も最速導入

 日頃からICTに慣れ親しんでいる同校では、新型コロナウイルス感染拡大防止の休校要請へも素早く対応できました。

「普段使っているシステムを応用して、教室に入れない生徒のために、教室の授業を別室に投影する準備をしているところだったのです。そのため教室の映像を各家庭に届けることは簡単でしたから、休校要請の始まった3月の早い段階には、本校ではリモート授業をスタートしていました。日本でもトップクラスに早かったのではないかと思いますね」(永澤先生)

進学通信 2020年11月号
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