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私立中高進学通信

2020年11月号

実践!未来の学び「理科好きを育てたい」

城北中学校

YouTubeで公開した理科の実験動画
生徒に驚きと感動を届ける

同校の理科実験室では生徒たちがさまざまな実験に挑戦し、理科の面白さを体験しています。

新型コロナウイルスが
きっかけで動画を作成

 新型コロナウイルスの影響で全国の学校が休校を余儀なくされた3月、同校の理科を担当する佐藤潤先生は、YouTubeに実験動画をアップしました。

「政府からの休校要請で、高2の『無機化学』のまとめになる重要な実験を、あるクラスだけできなくなってしまいました。実験をする機会がないまま進級してしまう生徒が出ないようにしなければと考え、急遽、実験動画を作ることにしました」

 当時は休校要請直後で、学校側も態勢を整えている最中だったため、佐藤先生は、誰でも見られるYouTubeに動画を公開しました。

「動画を見た生徒たちからは、『実験は自分ではできないので、ありがたいです』という声をいくつももらいました。もちろん、動画で見るよりも実際に実験をしたほうがいいのは言うまでもありません。自分で薬品を手にして匂いを嗅いだりすることが重要で、そうした体験や驚きが理科に興味を持ち、好きになるきっかけになると思います」

理解と興味は
体験を通してこそより深まる
実験を通して理科の楽しさを生徒たちに伝える佐藤先生。実験を通して理科の楽しさを生徒たちに伝える佐藤先生。

 教科書の化学反応式を見て覚えるだけでは、理科が好きな子どもは育たないと佐藤先生は話します。

「教科書に書かれた文字だけを見て覚えろと言われても、面白くないじゃないですか。そんなことばかりでは、理科が嫌いになる生徒が増えても不思議ではない。実験でフラスコの中に物質ができる様子は面白いし、そのイメージが頭に残っていれば化学反応式が何を表しているのか理解しやすくなると思うのです。そのような体験を少しでも増やすために、生徒にはなるべく実験をさせてあげたいと思っています。例えば、私は高校時代にテニスを始めました。今はスマホやゲーム機でテニスを楽しむこともできますが、20年続けられるゲームはないですよね。でも、私は20年以上テニスをプレーし続けていて、今でも面白いと思うし、やっていて楽しい。そう考えると、実際に体を使って経験することは面白いし、大事だと思いますね」

 理科好きの子どもを育てたいと語る佐藤先生は、実験以外の授業で心がけている点があります。

「特に化学は、私たちの生活に関わってくることが多い学問なので、この化合物は身の回りのどんなものに使われているかといったことも絡めて教えるようにしています。例えば、テストで“食べられる化合物”の問題を用意して、問題解説の時に、実際にその化合物を生徒に食べてもらって、味を確かめることも毎年やっています。最近は入試に出るところにしか興味を示さない生徒もいますが、入試で点数を取るだけではなく、もっと大切なものを伝えていきたいですね」

教えてユーチューバー先生!
実験動画のこだわりポイント
ここに注目!
生徒の意見も参考に
楽しく見られる演出を取り入れました!
理科・中3学年主任 佐藤 潤 先生
生徒が作ってくれたエンディングを追加した動画も
理科を教える佐藤先生は、硬式テニス部の顧問も務めています。理科を教える佐藤先生は、硬式テニス部の顧問も務めています。

 佐藤先生による化学の実験動画は、現在YouTubeで6本見ることができます。

「最初に作った高2の『無機化学』のまとめとなる『金属イオンの系統分析』は、実験をする手元ばかりを写した動画だったんです。ところが4月からオンライン授業が始まると、板書を写した授業動画に対して『先生の顔が見えない』という意見が出ました。そこで中3と高3の課題の解答として作った『砂糖と塩を見分ける7つの実験+α』では、私の顔も映るようにしました」

 こうして生徒の声を反映しつつ、6本の動画が作られました。「エンディングを作ったので使ってください」という中3生もいたそうです(生徒の作ったエンディングは、『アンモニアの噴水と二酸化窒素の噴水』で見ることができます)。

 なかにはRPG(ロール・プレイング・ゲーム)的な演出を取り入れた動画もあり、佐藤先生も楽しんで動画を作っているのが感じられます。

「せっかく生徒に見てもらうために作る動画なので、少しでも楽しんでもらいたいと思って作っているうちに、私もだんだん楽しくなってきました」

 学校が再開した今は、“密”への対策をした上で少しずつ実験を再開しています。佐藤先生の授業の一端を垣間見ることができる実験動画は、必見です。

佐藤先生の実験動画の中にはゲーム的な演出を取り入れたものもあり、生徒たちを楽しませています。

佐藤先生の実験動画の中にはゲーム的な演出を取り入れたものもあり、生徒たちを楽しませています。

「YouTube 佐藤潤」で検索!
佐藤潤先生の実験動画一覧

 佐藤先生が作ってYouTubeで公開している理科実験解説動画を紹介します。
いずれもかなりレベルの高い内容で、大学入試にも対応できるように考えて作られています。

⃝「金属イオンの系統分析」

 高2の「無機化学」のまとめとなる実験で、佐藤先生が最初にアップした動画です。

⃝「砂糖と塩を見分ける7つの実験+α」

 新型コロナウイルス感染拡大防止の休校期間中に、中3と高3に出した課題の解答動画です。

⃝「有機化学 検出反応と構造決定」

 毎年高3の1学期に実施している「酸素を含む脂肪族化合物の未知試料分析」の実験動画です。

⃝「アンモニアの噴水と二酸化窒素の噴水」

 中2の最後に行われた「アンモニアの噴水実験」の際に出た、「別の気体の噴水も見たい」という生徒の声から作られた動画です。

⃝「芳香族化合物の分離」

 授業で行われた「演示実験」では細部が見にくかったため、補足用に作られた動画です。

⃝「アゾ染料の合成実験(ベンゼンのニトロ化、アニリンの合成、ジアゾ化、カップリング反応)」

 「有機化学」を学ぶ高校生用に、化学の楽しさを感じながら学習するために作られた動画です。

動画では、大学受験にも対応したハイレベルな実験が行われています。

動画では、大学受験にも対応したハイレベルな実験が行われています。

最初に公開された動画では、手元のアップを中心に撮影されています。

最初に公開された動画では、手元のアップを中心に撮影されています。

進学通信 2020年11月号
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