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私立中高進学通信

2020年10月号

THE VOICE 新校長インタビュー

安田学園中学校

自ら考え学び人間力を高める
『自学創造』教育を実践

稲村 隆雄 (いなむら・たかお)校長先生

稲村 隆雄 (いなむら・たかお)校長先生
1965年、茨城県出身。明治大学卒業後、1989年、安田学園に商業科教員として赴任。
実業科廃止後は社会科を担当する。
2005年より教務課長、2012年より中高一貫部教頭を8年間務め、2020年4月より校長に就任。
1990年には全日本選手も輩出する中学男子バレーボール部を創設し、2度の全国優勝を果たした。

生徒と教員が信頼し合い
自主性と可能性を伸ばす
6年間を通じてめざす力
  1. 「仮説力」…客観的に現状を分析・判断し、仮説を立てて実行する
  2. 「実行力」…教わった知識・教養を超え、常に一歩先へと踏み出す
  3. 「協創力」…多様性を受け入れ、相互に協力して新しい価値を創造する
  4. 「自己統制力」…自分の可能性を信じ、チャレンジ精神を持ち続ける
  5. 「人間力」…
    •倫理的で謙虚に自立的に行動する「誠実」
    •常に前向きに良好な人間関係を構築する「明朗」
    •社会への使命感を持ち思いやりを持って行動する「奉仕」

 私が安田学園に赴任したのは、1989年、平成元年のことです。当時はまだ男子校で、実業科を中心とした学園でした。その後、本校はグローバル社会の発展を見据え、そこで活躍できる人材育成をめざし、実業科を廃止して男女共学校へと移行しました。

 学習面においても、一貫部は東京大学など最難関国公立大学を進学目標とする『先進コース』と、国公立・難関私立大学をめざす『総合コース』の2コース制とし、高等部では国公立大学、難関私立大学を進学目標とした3コース制(S特・特進・進学)を実現するなど、さまざまな面で大きな改革を行ってきました。

 本年度より新校長を拝命するにあたり、あらためて私自身を振り返ると、教員として歩んできた約30年間の平成の時代は、そのまま本校の進化の歴史だったことを実感するとともに、身の引き締まる思いを感じています。

 本校は『自学創造』を教育目標に掲げ、「探究」「人間力」「学校完結型の学習環境」といったキーワードをもとに、さまざまな教育活動を続けています。

 本校は男子校時代から、明るく、スポーツにも勉学にも懸命に取り組む生徒が多くいましたが、共学化を経て、そこに女子の力が融合することによって、授業はもちろん、クラブ活動や学校行事への取り組みもより活発化し、生徒が自ら積極的に動く『自学創造』の基盤が強固になっていると感じています。

 そのうえで教員側は、「 “探究”を中心とした魅力ある授業の推進」「自由と責任を大切にする生徒への対応」「いじめを許さない姿勢の徹底」を貫くことを重点事項とし、生徒と教員が相互に信頼し合いながら長所を伸ばしていく学園をめざしています。

生徒の“なりたい自分”に
寄り添ったサポート体制を

 本校は多面的な改革以降、学習面における改革もめざましい成果を上げています。とくに中高一貫部では、学校完結型の学習カリキュラムを組み上げ、生徒は個別学習、グループワークを通じて論理的思考を伸ばし、多角的な視野とコミュニケーション力を獲得しています。

 年々、新入生の学力レベルも授業の質も向上し、本校ならではの『学び力伸長システム』を徹底することで、一貫部の共学化一期生が挑んだ2020年の大学入試は、東京大学現役合格者2名を含む国公立大学に46名、早慶上理ICUに59名、GMARCHクラスに204名という合格実績を残しています。

 研究者や医師をめざす生徒が多いのも本校の特徴で、生物研究をめざし、高2で千葉大学に飛び級で合格をした生徒もいます。生徒自身が明確な進路プランを持ち、全教員が一人ひとりの多様性に寄り添い、自発性を育んでいるからこその成果だと感じています。

 私が一貫教育で最も重視している部分は、思いやりの心を持った生徒第一主義です。大学合格実績は結果として存在しますが、大切なのは生徒が本校で“なりたい自分”を見つけ、教員がそれを認めて良さを引き出すことです。大学進学はあくまでも通過点でしかありません。社会へ出たときに役立つ力、本当に生徒がやりたいこと、めざす自分像を育てることこそが、本校の教育がめざすべきものだと考えます。

10年後の目標は
国公立大学への進学率50%

 本校は、今後も生徒第一主義を貫きながら進化を続けます。進学実績を例に挙げると、現在、約20%の国公立大学への進学率を、5年後には30%、10年後には50%へと引き上げたいと思っています。

 しかし、それはあくまで数字としての目標に過ぎません。詰め込み型の教育に陥ることなく、生徒自身の自発的なインプット・アウトプットをフォローしながら、本校に寄せられる期待に応えていきたいと思います。

 本年度はコロナ禍の影響もあり、教育について深く考える機会が多くありました。休校明けの生徒の明るい笑顔、イキイキとした姿に触れ、我々も生徒から大きな力をもらうことができました。創立100年を控え、さらに『自学創造』の歩みを進めていきます。

[沿革]
 1923年、東京保善商業学校として創立。1948年には安田学園中学校、安田学園高等学校に改称。1965年に普通科を設置。2005年には6カ年一貫新体制をスタート。2009年から2012年にかけて実業科を廃止し、2014年に共学化。2019年には中高ともに完全共学化を果たした。

進学通信 2020年10月号
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