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私立中高進学通信

2020年10月号

THE VOICE 校長インタビュー

東洋英和女学院中学部

自己肯定と他者尊重の心を
大切に育てています

石澤 友康 (いしざわ・ともやす)校長先生

石澤 友康 (いしざわ・ともやす)校長先生
1963年、山形県生まれ。東京理科大学を卒業後、1986年に東洋英和女学院に理科教諭として赴任。
学年主任、生徒会担当主任、教務主任などを歴任し、
2004年中学部教頭、2007年高等部教頭。2014年4月から中学部長。

ロールモデルの存在と
受け継がれる学校文化
学校生活を支える5つの支援
  1. 海外支援…海外留学支援室の充実
  2. ICT支援…全員所有の個人PCをサポート
  3. 学習支援…卒業生チューターによる個別指導
  4. 心の支援…ソーシャルワーカーを新たに配置
  5. 経済支援…給付型奨学金を新設

 今年はコロナ禍により、4月に入学式ができませんでしたが、休校期間中に生徒会や高3生たちが「新入生のためにできることはないか」と考え、制服の正しい着こなしや校歌、学校生活を紹介する動画を作りました。今まで、先輩からたくさん教えてもらってきた分、今度は自分たちが後輩のために何かしたいという思いが自然にわき起こったのでしょう。

 残念ながら夏休みの野尻キャンプも中止としました。このキャンプは本校の伝統行事で、中3から高3の参加者が協力し合い、他者への感謝と仲間との絆を強めるものです。そのため「何か別の形で、キャンプで得られるはずだった体験を、後輩たちに味わってもらいたい」と思った高3生が声をあげ、オンライン上で呼びかけ、校内で学年を越えて交流する機会をつくったことは生徒たちの成長を感じる出来事でした。

 創立以来、本校では、「英和生である」という高い意識と「自分が経験したものを良しとし、それを後輩にも伝えたい」と願う “学校文化”が途切れることなく続いています。在学中はずっと、先輩や後輩の存在を感じながら成長していくのです。憧れるロールモデルが身近にある学校生活は、本校にとって何よりの誇れる宝だと思っています。

不透明な時代だからこそ
大切にしている教えがある

 コロナ禍によって人間は一人では生きていけないことがより鮮明になりました。今こそ建学の精神『敬神奉仕』が説くように、隣人を理解・尊重し、ともに生きていく社会を作っていかなければなりません。その担い手となるために、いま皆さんは勉強に励んでいるのだということを入学式や始業式ではお話しさせていただきました。

 困難な状況でも、私たちは神様から命を与えられ愛されていること、そして一人ひとりがかけがえのない存在であることを、繰り返し、繰り返し伝えています。そのことで生徒たちは自己肯定感を高めると同時に、他者尊重の精神も自然と育っていくのです。

 今回のコロナ禍で起きたさまざまな問題の中には、何が正しくて間違っているのか、答えが出ないものもあります。人それぞれ迷うのは当たり前で、不透明な社会を生きていくためには、心のよりどころや判断の基準を持つ必要があります。そのための最も大切な指針が本校では聖書であり、礼拝です。休校中もオンラインで毎日、礼拝を続けたことで、生徒たちにも本校の教育の根幹が何であるかをわかってもらえたと思います。

のびのび過ごす学校生活
多彩な進路で強みを伸ばす

 学校とは進学実績などではなく、数値化できない部分に魂があると考えています。例えば、本校は良い意味で生徒と教員との距離が近く、意見や思いを何でも伝えられる気安さや、挑戦できる雰囲気があります。これは厳しい束縛がなく、生徒と教員がお互いに尊重し合う風土だからです。のびのびとした本校の空気感を、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思います。

 進路指導では、生徒の希望や夢が叶うように全力でサポートすることを一番大事にし、目標に向かってがんばることや、自分に与えられた能力を磨く努力が大事なのだと伝えています。結果、国公立大学や有名私立大学を全員がめざすのではなく、芸術系に進む生徒もいれば、海外大学に目を向ける生徒、内部進学を希望する生徒がいるなどめざす進路は多彩です。

 自らの個性や強みは、仲間と一緒に過ごす中で見えてきます。神から授けられた才能「タラント」を磨き、他者のために尽力する人になってほしいと願っています。

 本年度の新しい試みとしては、海外留学支援室とICT支援室を校内の中央部に移設し、誰もが気軽に立ち寄れる場所にしました。スクールカウンセラーに加えて、新しくスクールソーシャルワーカーも配置し、それぞれの悩みに対応できるようバックアップ体制を充実させています。

 またコロナ禍の影響で経済的な事情で夢を断念しようとしている生徒を支援したいとの願いから、授業料などを免除する給付型の「村岡花子基金」奨学生を来春から募集することとしました。

 このような時代だからこそ、本校が果たすべき教育の役割を今後も考え続けたいと思っています。

[沿革]
 1884年、カナダ・メソジスト教会(現在のカナダ合同教会)の宣教師マーサ・J・カートメルによって設立。以来、「神から愛されて存在する私たちだからこそ、神を敬い、互いに愛し合い、隣人のために尽くさねばならない」という聖書の教えを受け継ぐ。『赤毛のアン』を翻訳して日本に初めて紹介した村岡花子氏が、給費生として学んだ学校としても知られている。

進学通信 2020年10月号
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