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私立中高進学通信

2020年10月号

私学だからできるオリジナル教育

和洋九段女子中学校

SDGsの学びが
視野を広げ成長する糧に

国連が主導するSDGs(Sustainable Development Goals)で
世界とつながることをグローバル教育の柱に、教育活動に取り組んでいます。
「SDGsすごろく」を開発した「team ami」の6名(高1)。チーム名の「ami」は、国連の公用語であるフランス語で「友達」を表します。

「SDGsすごろく」を開発した「team ami」の6名(高1)。
チーム名の「ami」は、国連の公用語であるフランス語で「友達」を表します。

社会貢献をめざして
主体的な取り組みを

 教育活動のひとつとしてSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを本格的に始めて4年目になる同校。SDGsの17の目標に向かって地球市民としての役割を考え、問題解決をめざして、教科を横断したプログラムを進めています。

「SDGsを教育に取り入れたのは、世界規模の社会貢献という目標に生徒たちが主体的に取り組むことで、国際的な諸問題が身近な “自分ごと”となり、世界を知る上で最適なツールになると考えたからです」(高1学年主任/水野修先生)

 中1ではSDGsの基本的な知識を学び、中2ではSDGsに取り組む企業やNPO法人に取材し、その成果を文化祭でプレゼンテーションします。中3になると、シンガポールへの修学旅行の際に海外のSDGsの取り組みを調べ、企業訪問や交流体験を通して学びます。

 2019年度、この学びをソーシャルアクションにつなげようと集まったのが、当時中3の6人の生徒たち、「team ami」。彼女たちは「SDGsすごろく」を開発し、SDGsの達成に向けた取り組みを審査するコンテスト「SDGs探究AWARDS2019」(主催・未来教育推進機構)の中高生部門で優秀賞を受賞しました。全体で945件という応募作品の中から上位の評価を得られ、チームのメンバーだけでなく、学校中が喜んだと言います。

積極的に「提案」ができる
生徒たちへと変化

 こうした学習を通して、先生方は生徒たちの変化を感じているようです。

「積極的になりましたね。以前は教員の言葉を素直に聞くことはできても、提案するところまではできませんでした。今は、自分たちの提案で学校を変えられる体験もして、例えば、生徒総会などで積極的に提案する生徒が増えたという変化を感じています」(水野先生)

 中1からこの学習をスタートさせた学年の生徒たちは現在高校生になり、さまざまなアクションを始めています。新型コロナウイルスの影響でなかなか校外に出向くことはできませんが、オンラインで講演を聞いたり、ディスカッションに参加したりする生徒も多く、 “自分ごと”として社会の問題をとらえる習慣が身についてきているのです。

「今後、また何か形になるものが出てきてくれればいいですね。自分たちが社会とつながり、行動することによって世の中を変えていく経験を、どんどん重ねてもらいたいと思っています」(水野先生)

「未来の社会で活躍する女性に」。同校が育てたい人物像に、生徒たちは着実に近づいているようです。

生徒たちの思いが詰まった
「SDGsすごろく」

「SDGsすごろく」は、ゲームを通して多くの人にSDGsについて知ってもらうことを目的として開発されました。「だれ一人取り残さない」をコンセプトに、世界のさまざまな問題を“自分ごと”としてとらえてもらうため、楽しめることはもちろん、それだけにとどまらない工夫もちりばめられています。最後には、プレーヤー自身が自分を見つめ直すようなしかけを施すなど、生徒たちの思いが詰まったゲームとなっています。

すごろくには勝敗や順位はなく、最後に振り返りの時間が設けられ、「自分の国」がどうなったかを発表します。すごろくには勝敗や順位はなく、最後に振り返りの時間が設けられ、「自分の国」がどうなったかを発表します。
ファシリテーターやスライド操作も生徒自身で行います。ファシリテーターやスライド操作も生徒自身で行います。
プレーヤーは「自分の国」をコマにして、すごろくを進めます。プレーヤーは「自分の国」をコマにして、すごろくを進めます。
「SDGsすごろく」は、すべて生徒たちの手作り。「SDGsすごろく」は、すべて生徒たちの手作り。

ゲームを進めながらSDGsの17の目標が書かれたカードを集めていきます。
SDGsの目標はそれぞれが関連しているので、マス目の順番を考えるのが大変だったそうです。

SDGsの活動が
自分を変え、将来を考えるきっかけに
見事、優秀賞を受賞しました。見事、優秀賞を受賞しました。

 受賞した「team ami」の生徒たちは、この活動を通して自身の中に起きた変化を実感しているようです。それぞれの思いを聞いてみました。

「私は将来、国連で働いてみたいと思うようになりました。もしその夢が叶わなくても、何らかの形でSDGsに関わりたいです」(戸嶋さん)

「『SDGsすごろく』は、小さいアクションから徐々に多くの人にSDGsを届けられるものになり、私たちの自信にもつながりました。世界の問題はずっと続くと思うので、将来も世界を視野に入れた活動をしたいと思います」(小林さん)

「日ごろから、身近なこともSDGsに関連づけて考えていきたいです」(池谷さん)

「今までは正面からしか物ごとを見ていませんでしたが、この活動を通していろいろな角度から見る力が培われました」(織田さん)

「新しいことに踏み出すのが苦手だった私が、この活動を経て外部のワークショップや講演に参加してみたいと思うようになりました」(漆原さん)

「信頼できる仲間と出会い、自分の意見を人に伝えることができるようになりました。将来は、自分が興味を持った社会問題を解決する手助けができる仕事をしたいです」(安田さん)

コンテストに応募するためのプレゼンテーション動画は、早朝や放課後に学校で撮影し、
締め切りギリギリまで編集をしたそうです。今も6人で話し合い、さらに「SDGsすごろく」に磨きをかけています。

「『SDGs探究AWARDS2019』審査員から、『ゲームを楽しみつつ学びが深まる設計が垣間見られ、SDGsの認知に貢献できると考えられる』と高く評価されました。
 生徒たちには今後も社会貢献をめざしてアクションを起こしていってほしいですね」(水野先生)

生徒の提案が
学校を動かす
シーセフと飲料メーカーのコラボ自動販売機。生徒たちの提案で、校内に設置されました。シーセフと飲料メーカーのコラボ自動販売機。生徒たちの提案で、校内に設置されました。

 SDGsを学ぶプログラムの中には、企業やNPO法人を取材してプレゼンテーションを行うものがあります。ある生徒たちは、公益財団法人CIESF(シーセフ)というカンボジアなどの開発途上国を支援する団体について調べました。シーセフが企業とコラボした寄付機能付き自動販売機があると知った生徒たちが提案し、その自動販売機が学校に導入されることが決まりました。水野先生は「自分たちの行動が学校を動かした経験を将来に活かしてくれれば」と、話します。

進学通信 2020年10月号
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