私立中高進学通信
2020年10月号
中1の始め方
日本大学第一中学校
絆を重んじ生活を大切に
6年間のスタートライン
宿泊研修では、集団におけるコミュニケーションの基礎を身につけます。
コミュニケーションを重視した学校行事で温かなクラス、学年づくりを心掛けています。新型コロナウイルスによる休校中も、さまざまな工夫で教員と生徒、生徒間の距離を縮めながら、学習を継続しました。
コミュニケーション重視の
宿泊研修と学習支援
自立した人間として生徒を育てるため、「基本的な生活習慣の確立」「学習習慣の確立」「人間性を豊かにする活動への積極的な参加」の3つを奨励している同校。
中1の学校行事で大切にしているのは、コミュニケーションを重視した人間関係づくりと生活習慣の確立です。連休明けの5月上旬には、山中湖へ1泊2日の宿泊研修に出かけます。演劇の手法を取り入れたワークショップや、自然の中でのウォークラリー、班ごとのバーベキューなどで友達との距離を縮めます。夏休みには3泊4日の夏季学校を実施。ミニ運動会や、チームで課題解決をしながら人間関係を築く「プロジェクトアドベンチャー」などを体験します。
学習習慣の確立に関しては、先生方がきめ細かなフォローをして基礎学力の定着に努めています。入学後、授業に慣れてきたころから、補習や小テストなどを行い、つまずきを作らないようにしています。教科担当の先生による補習のほか、日本大学理工学部の学生が「チューター」として週3回程度学習支援を行っています。職員室前には長机が設置され、先生への質問以外に、生徒同士で教え合うこともできます。
日本大学に付属推薦で進学するには、高校で、全国の日本大学付属校の生徒を対象とする「基礎学力到達度テスト」の受験が必須です。中学で基礎学力を身につけるだけでなく、定期考査に向けて自ら計画や準備をする力、疑問点を放置せず質問しに行くといった学び方の姿勢を確立することは、大学進学時の選択肢を増やすことにもなるのです。もちろん、他大学に進学する場合でも、こうした学びの習慣が身についていることは有利に働くはずです。
近年は数学の指導に力を入れており、学力調査でも学校全体に伸びが見られるといいます。文系・理系の枠を越えた「数学的思考力」が求められる今、同校では数学に自信を持って大学進学する生徒が増えているそうです。
情に厚い仲間感覚を
学校行事で育む
2学期には中高合同の全校行事『櫻墨祭(おうぼくさい)』があります。9月末の文化祭と10月中旬の体育祭を合わせてこのように呼んでいます。文化祭で中1生は、先輩との初めての協働作業を経験します。体育祭では、クラス対抗で全員が参加する「全員リレー」があります。走ることが苦手な生徒に対しても、クラスメートが励ましながら皆で完走するそうです。
生徒の人間関係の形成には、先生方も一役買っています。体育祭ではクラス対抗の綱引きに、担任の先生が飛び入りで加勢するのが習わしです。冬の合唱祭では、誰より大きな声援を送るのが客席にいる担任の先生だといいます。
「教員はみな、クラスや生徒に対する愛情が深く、全身全霊で関わります。生徒も保護者もそれを受け入れ、互いに笑顔で応援し合う、心の距離の近さを実感できる学校です」(入試広報部・見目卓之先生)
真剣さの中に、寛容さとユーモアを忘れない校風は、100年以上の歴史を持つ同校ならではの特色と言えるでしょう。中1生は絆を強めながら、日大一中生として歩み始めます。
休校中でも強まった生徒と先生の絆
(中1担任/国語科)
新型コロナウイルス感染症の拡大による休校で、中1生は担任と対面で顔を合わせることなく、オンラインで新学期がスタートすることになりました。
まず、私から心を開く気持ちで、「失敗しても再び立ち上がる粘り強さを一人ひとりが持ってほしい。そしてそれを見守れるクラスにしたい」というメッセージを、自己紹介とともに配信しました。そして、「みんなのことも教えてほしい」と呼びかけたのです。すると、次第に生徒からメッセージが寄せられるようになり、コミュニケーションが活発になっていきました。返信の頻度が少ない生徒には電話をかけて様子を聞くなどして、個別にフォローしました。生徒が常にポジティブな気持ちで学習に臨めるよう、授業や課題への質問は、担任と各教科の担当が共有するなどの工夫もしました。
休校中は直接会うことはできなかったものの、能動的に自学自習する経験が、これまでの中1よりもたくさんできたことは、生徒たちの財産になったはずです。2学期以降も「今年の状況だからこそできたことを強みにしていこう!」と、生徒に伝えたいですね。
(この記事は『私立中高進学通信2020年10月号』に掲載しました。)
日本大学第一中学校
〒130-0015 東京都墨田区横網1-5-2
TEL:03-3625-0026
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