私立中高進学通信
2020年4・5月合併号
私学の光輝
玉川学園(中)
好きなことを見つけるきっかけをつくる
2つの学園祭

英語劇の発表の1シーン。玉川学園展は、基本的に個人での発表、展示が多いのですが、
この英語劇のようにグループで発表するケースもあります。
興味のあるテーマを追究
「個性尊重」「自学自律」など「12の教育信条」を掲げ、生徒の育成を行う玉川学園の学園祭は、5~8年生(小5~中2)が開催する「玉川学園展」と9~12年生(中3~高3)が開催する「ペガサス祭」があります。
5~8年生(小5~中2)は各学年の最初に研究分野を決めて1年間自由研究を行い、その成果を玉川学園展で発表します。「自由研究は週1回の授業時間だけでなく、夏休みや冬休みに活動することもあります。生徒が一番興味のあるテーマをどこまでも追究していくので、輝ける場面もたくさんあると思います」
と話す市川信先生。市川先生の担当する「サンゴ研究」をはじめ、多くの自由研究では校外での研修活動や玉川大学の研究室で学ぶ機会も設けられています。「大学の最先端の研究に触れ、専門家の意見も聞きながら研究テーマを深めていきます」
5~8年生(小5~中2)の間、毎年同じテーマを継続して研究しても、1年ごとに研究テーマを変えてもよく、学園展の研究発表を見て「次回はこの研究をしたい」と新たなテーマを見つける生徒もいます。
「研究を進めるノウハウは1年間の授業で学べるので、テーマを変えても応用が利きます。本物に触れ、自分で考えて発信するというプロセスをしっかりと蓄積し、将来自分が興味を持った分野で堂々とプレゼンできる人になってほしいと思います」
9年生(中3)は1年間「学びの技」という授業で論文制作に取り組み、その中間発表をペガサス祭で行います。また10~12年生(高1~高3)は課題研究型の自由研究を行い、その成果をペガサス祭で発表します。玉川学園展が全員参加であるのに対し、ペガサス祭は任意参加。個人またはクラス、部活動などの団体でエントリーする形で、全体の8割以上の生徒が参加しています。発表、展示のほか、お化け屋敷やアトラクションゲームもあり、玉川学園展よりもエンターテインメント性が高い内容です。担当する清水雅文先生は、こう説明します。
「子どもから年配の方まで幅広い年代の方が来場してくださるので、研究発表などのアカデミックな要素とクラス展示などのフェスティバル的な要素の両方を盛り込んでいます」
またペガサス祭実行委員会には、資材、装飾、販売など8つの課があり、各課で連携をとりながら運営しています。
「催しが終わると事後報告書を提出し、『今年はこうだった、来年はこうしよう』という話し合いが行われます。ペガサス祭を通して、生徒に一番身に付けてほしいのは社会性です。チームの中で自分の役割を見つけ、ほかの生徒や先生と意見交換しながら、自分を磨いてほしいと思います」
玉川学園展、ペガサス祭とも「生徒が自分の好きなこと、得意なことを見つけ、それを伸ばすきっかけにしてほしい」という思いが込められています。同学園では、今後さらに中高の連携を強め、2つの学園祭を充実させていきます。


サンゴを飼育する生徒(左)と、サンゴ研究の発表をする生徒(右)。
同学園では、サンゴ研究部というクラブ活動もあり、大学の研究室と連携し、
サンゴの研究・研修・飼育・養殖活動を行っています。


ロボット部の展示(左)とチアダンス部の発表(右)。
ペガサス祭では、アカデミックな要素、フェスティバル的な要素の両方が盛り込まれ、
「それぞれの発表や展示に個性を感じます」と清水先生。



「迷路を自動走行するロボットの研究」を発表する7年生(中1)。
玉川学園展の発表では、このようにポスターセッションとパワーポイントを使ったスライドの2つを併用するケースが
増えているそうです。
「発表のスタイルはどんどん洗練されていますし、年々レベルは上がっていると思います」(市川先生)



(この記事は『私立中高進学通信2020年4・5月合併号』に掲載しました。)
玉川学園(中)
〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
TEL:042-739-8931
進学通信掲載情報

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