私立中高進学通信
2020年4・5月合併号
未来を切り拓くグローバル教育
江戸川女子中学校
英語学習・海外体験を
進学へとつなげる
オンライン英会話や多彩な海外研修で英語力が伸長
高1・高2生全員が受講するオンライン英会話。
来年度からはオンラインでライティングを学ぶ学習の導入も予定されています。
英語リテラシーを支える
基礎力の強化が重要
『自立できる人』を教育の最終目標に掲げ、実践的な英語力を育むグローバル教育に、積極的に取り組んできた同校。高校では志望大学に合わせたコース設定をしており、難関私立大学への現役合格をめざす「普通科Ⅱ類」、国公立大学への現役合格をめざす「普通科Ⅲ類」の2つの普通科コースを設けていますが、これに加えて英語の授業時間数を多く設定した「英語科」も設置。早慶上智など難関大学文系学部進学への手厚いサポートも行っています。
2018年4月からは、オンライン英会話を導入。現在は高1・高2の全生徒が毎週1回、受講しています。
「多国籍企業が増えているだけでなく、あらゆる職場でも外国人労働者が増えています。将来、生活するうえで英語を使わずに済む生徒はほとんどいないのではないでしょうか。そのために希望者だけでなく全員にオンライン英会話を導入し、英語の基礎力を強化しようと決まりました」
と英語科主任の熊川美帆子先生は言います。
また、同校は生徒全員が中高6年間で1度は海外体験をすることをモットーとしています。普通科は高2でカナダかフィリピンのいずれかに9日間の修学旅行を実施します。オンライン英会話を導入する以前は、現地の生徒とディスカッションをする際、英語での議論がスムーズに行えないグループもあったそうです。
「現在では全グループが、なんとか英語での議論を成立させています。オンライン英会話の導入は英語力のレベルアップが目的でしたが、英語に対してより前向きな気持ちが生まれるといううれしい副産物もありました」
海外体験を通じて
将来の夢が変わる生徒も
英語科の高2の語学研修は、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、フィリピンと多彩に行き先を設定。それぞれ体験内容も異なり、生徒は希望に合った研修先を選んで、8~10週間滞在します。
また、1年間の長期留学も7年前から実施。毎年4~5名が参加しており、帰国後は全員が大学現役合格を果たしているそうです。
「1年間の留学を体験した生徒は、『苦労したけれど、行って良かった』と必ず言います。現地の生徒とほぼ同じ授業を受けるのでかなり大変ですが、帰国後は視野が広がり、進路選択にも良い効果が出ています。
長期、短期を問わず、海外での体験をきっかけに、将来への夢や進みたい大学・学部が決まったという生徒が少なくありません。海外でカルチャーショックを受け、違う価値観に触れてほしいですね。感受性豊かな中高時代に行くからこそ、価値観の違いを柔軟に受け止め、その後の生き方に活かせるのではないでしょうか」
(入試対策委員/渡辺文彦先生)
高2生全員が体験
多彩な海外研修プログラム
訪れる国が選べて短期・長期も選択可能
カナダ修学旅行
普通科:9日間
施設見学などのほか、ホームステイを体験。ブリティッシュコロンビア大学の見学ツアー、大学生とのディスカッションも体験できます。
アメリカ語学研修
英語科:8週間
アメリカ東海岸の小都市にホームステイをしながら、大学の語学学校に通います。
フィリピン語学研修
普通科:9日間 英語科:8〜10週間
セブ島にある語学学校の寮に滞在し、マンツーマンの英語レッスンを受講。普通科の修学旅行では、孤児院訪問のボランティアなども体験します。
ニュージーランド ターム留学
英語科:10週間
ホームステイをしながら、現地の高校の授業に参加します。英語以外の科目も英語で学習する経験は貴重です。
イギリス語学研修
英語科:8週間
ホームステイをしながら語学学校に通学。ヨーロッパ各地から来た留学生と交流ができます。
※普通科はカナダ、フィリピン、英語科はニュージーランド、フィリピン、イギリス、アメリカの中から、希望の研修先を選べます。
カナダでの修学旅行でブリティッシュコロンビア大学の学生とディスカッション。「少子高齢化」「女性問題」など難しいテーマで話し合いました。
フィリピンのセブ島での研修はマンツーマンのアットホームなレッスンで驚くほど英語力が伸びます。
オーストラリア、ニュージーランドへの1年留学
現地の高校生とともに学ぶ1年間の留学は何にも代えがたい貴重な体験です。
一時帰国を一切行わない厳しいプログラム。ホームステイをしながら現地の女子校に通い、現地の生徒とほぼ同じ授業を受けます。
「語学力の伸長に加え、自分がどこまで海外で学んでいけるかチャレンジしたい、自立したいという意志を持つ生徒が、毎年参加しています」(渡辺先生)
中1から始まる手厚い英語指導
校内での取り組みも充実
英語重視のカリキュラムは、中1から始まります。中学3年間の英語の授業時間数は公立校の約2倍。英会話の授業では、ネイティブ教員と日本人教員のチームティーチングでしっかりと学びます。そのほか、3日間の校内英語集中講座『English Speak Out Program』やスピーチコンテスト『English Festival』など、行事も豊富です。
また、帰国生を中心に英語上級者には中1から少人数の取り出し授業が行われています。「本来、取り出し授業は高2までの予定でしたが、生徒の希望があり、現在では高3まで継続させています」と熊川先生。高3の取り出し授業ではネイティブ教員がエッセイライティングを担当、生徒たちはそうした授業を活かしてAO入試などにチャレンジしているそうです。
「今年はエッセイのスキルを活かし、早稲田大学の国際教養学部やICUなど複数の難関大学に合格した生徒もいました。ライティングに関しては、来年度からオンラインのライティング添削システムを、高3生全員に導入する予定です」(熊川先生)
中1生の英会話の授業。ネイティブ教員がわかりやすい英語で会話を担当し、説明が必要な部分を日本人教員がフォローします。
中1の英語の取り出し授業。すでに中2の範囲の文法を教わっています。
先生から一言
今はAIの翻訳機能も進化していますが、いくら機械のほうが進化しても、自分の心に壁があれば、良いコミュニケーションはできません。英語学習や海外研修を通じ、視野の広さや自己表現力を身につけてほしいですね。
フィリピンに行って経済格差の問題に衝撃を受け、グローバル系の学部へ進学した生徒、英語習得の経験を活かしてアラビア語学科へ進学した生徒など、海外研修や留学で刺激を受けた生徒は少なくありません。ぜひ中高生の間に世界を体験してほしいと思います。
(この記事は『私立中高進学通信2020年4・5月合併号』に掲載しました。)
江戸川女子中学校
〒133-8552 東京都江戸川区東小岩5-22-1
TEL:03-3659-1241
進学通信掲載情報
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