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私立中高進学通信

2020年2・3月合併号

ビジョン

実践女子学園中学校

ESDを中心に教育を再構築

探究学習でグローバル社会の担い手を育成
中3生によるESD実践の場、渋谷の街づくりプロジェクトの学習では、最初は付箋や模造紙を用いてアイデアの出し方・まとめ方を練習しました。

中3生によるESD実践の場、渋谷の街づくりプロジェクトの学習では、
最初は付箋や模造紙を用いてアイデアの出し方・まとめ方を練習しました。

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)などが推奨する持続可能な開発のための教育(ESD)を中心とする改革の背景、取り組みの内容などについてご紹介します。

地球市民の育成をめざして

「本学園が創立されたのは、今から120年前の1899年です。創立者の下田歌子が生きた時代は、社会の担い手は当然男性が中心でした。多くの一般女性にとって主な活躍の場は家庭であり、日本社会ましてや世界に影響を与えることは望みにくいことでした。
 そのような時代に、2年間の欧米女子教育視察を行った創立者下田歌子は、女性が社会で活躍できる仕組み創りこそが近代国家建設の礎であるとの信念から女子教育をスタートさせ、女性たちに自活の道を拓いたのです。
 現在の本校がめざすのは、その伝統を継承し、日本社会や世界を超えて地球に貢献できる女性を育てることです」(中学校教頭/松下寿久先生)

 伝統を継承しながら発展し続ける同校のこれからの教育において、大きな柱となる取り組みが『持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustain-able Development)』です。ESDとは、世界の諸問題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことで大きな課題の解決につながる新しい価値観を生み出し、世界の人々が等しく、より良い暮らしを継続させていくにはどうすればよいかを考える教育です。

 現在行われている中3の『総合学習プロジェクト』はその一つ。同校が立地する渋谷の街づくりをテーマとするプロジェクト学習です。渋谷を訪れる外国人観光客に、渋谷の魅力をどうすればもっとアピールできるかについて、1年間をかけてグループごとに探究し、渋谷区長の前でもプレゼンを行います。この取り組みを通して、生徒たちは異文化の都市との違いや共通点を理解し、持続可能な街づくりとは何かを考えながら「協働的思考力」を深めます。

「渋谷は本校の生徒にとって身近な街です。まずは身近なところに着眼し、グローバルな視点で解決策を考えることで、いずれは世界の諸問題も自分ごととして考えられるような資質が養われていきます」(松下先生)

ESDを中心に
中高一貫教育を再構築する

「渋谷をテーマにしたプロジェクトを約2年間実践し、大きな手応えを感じてきました。今後は、中1から段階的にプロジェクトの実践に必要なスキルや手法、行動力を鍛えていき、中3ではさらに有意義な実践活動ができるようにして、高校での学びやその先の進路選択にもつなげていきたいと考えています。
 今後はカリキュラムから海外研修などの校外学習、部活動や委員会活動、文化祭などの行事まで、すべてにESDを組み込み、中高一貫教育を再構築し、実践していきます」(社会科/小川貴章先生)

 その一例として、今後は各教科の学習内容の中でESDを軸に教科間で連携できるところを『ESDカレンダー』としてまとめていくそうです。

「ESDカレンダーはESDを学校全体での取り組み(ホールスクールアプローチ)にするために、教科の枠を超えて教員間で意識を共有していくための手段です。
 また、生徒にとっても総合的な学習の時間だけの取り組みではなく、各教科の学びからもESDを意識させていくことにより、身近な学びをどう生かすのかという意識付けにも大変重要です」

実践女子の教育の使命と
ユネスコ・ESDの使命が共鳴

 同校では、ESDを推奨するユネスコスクールへの加盟もめざしています。

「ユネスコが提唱するグローバル市民という考え方は、本校が伝統としてきた人間教育と深く共鳴するものです。ユネスコスクールに加盟することで、海外にある加盟校と交流が図れ、異文化交流の機会を増やすことができます。
 本校の生徒たちは明るく感性豊かでエネルギーに満ちています。ぜひその力を発揮して、新しい社会を作る担い手として、さまざまな分野で活躍してくれることを願っています」

中学校教頭/松下寿久先生中学校教頭/松下寿久先生
社会科/小川貴章先生社会科/小川貴章先生
同校が位置する渋谷について、さまざまな課題を考察。討議してまとめました。同校が位置する渋谷について、さまざまな課題を考察。討議してまとめました。
街づくりプロジェクトのグループ学習の成果は、学年講堂発表で披露。審査員による講評も行われました。街づくりプロジェクトのグループ学習の成果は、学年講堂発表で披露。審査員による講評も行われました。
主体的に考え、行動できる力を育成するための改革
3×3(トリプルスリー)

 創立時の理念を継承し、ESDを柱にカリキュラムや課外活動、クラス編成などを再構築していく具体的な仕組みが、3×3(トリプルスリー)です。

1.安心して段階的に学べる3Steps
  1. 中学1年生は30人の少人数クラス
  2. 中学3年間の英語は習熟度別少人数授業
  3. 高校は目的別クラス編成

「基礎学力はこれから探究学習をするうえでも、ベースとなる不可欠な部分です。だからこそ中学ではあえてコース制はとらず、すべての教科をまんべんなく、きちんと身につけます」(松下先生)

2.目的を明確にして学ぶ自己表現のための3Courses
  1. 発展コース : 国公立大学や私立最難関大学の受験に対応する
  2. 教養コース : 実践女子大学や芸術系大学などへの進学に対応する
  3. 文理コース : 文系、理系私立難関大学の受験に対応する

「学業の成績ではなく、生徒が自分の希望で決めていくコース制です。現在は生徒や保護者の価値観も多様化してきており、学力だけに重きを置く時代ではなくなりました。実際の進路希望も、難関大学をめざす生徒がいる一方で、併設大学への推薦入学や芸術系大学、海外大学など多様です。それぞれの目的に合わせて進路選択ができる道を充実させたいと考えます」(松下先生)

3.実践力のための3Fieldsで幅広く学ぶ
  1. アクティブラーニングを多用した教科学習
  2. 海外研修などの校外学習
  3. 中3探究プロジェクトなど総合探究学習

「海外研修内容をさらにブラッシュアップさせ、事前学習も含めて、ESDの実践の場として発展させていく予定です」(松下先生)

(この記事は『私立中高進学通信2020年2・3月合併号』に掲載しました。)

実践女子学園中学校  

〒150-0011 東京都渋谷区東1-1-11
TEL:03-3409-1771

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