私立中高進学通信
2020年2・3月合併号
カリキュラム
東京純心女子中学校
2つのコースで多様な進路を実現
『叡智探究』の2コースで生徒の未来を拓く

『叡智探究特進プログラム』コース高2生の英語の授業。
ネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業では英文テキストを用い、グループワークも活用しながら展開します。
生徒と教員のフレンドリーなやり取りが会話スキルも育てます。
2019年度より『叡智探究特進プログラム』コースを新設し、高2からのカリキュラムを2コース制に変革。
生徒の多様なニーズに応え、英語力を高めつつ、進路選択を活かした学びが実践されています。
生徒の多様な進路選択に
自由度高く万全の対応を
『叡智・真心・貢献』を教育の柱とする同校は、あらゆる場面で自己、他者、そして社会と向き合う学びを積み重ね、21世紀を生き抜く力を育んでいます。2019年度より高2からの学びを2コース化。従来の純心カリキュラムである『叡智探究セレクトデザイン』(以下、セレクトデザイン)コースに加え、新たに『叡智探究特進プログラム』(以下、特進プログラム)コースを設け、生徒のさまざまな進路に対応しています。
「高校を2コース化した目的は、多様化する生徒の進路選択にきめ細かに対応していくためです。
特進プログラムは、難関国公立大学と難関私立大学への合格をめざす生徒に向けたコースです。女子でも志望者が増えている理系や医学部への進学にも対応する高度な授業を行います。
セレクトデザインは、より幅広い進路をめざす生徒が、各自に必要な授業を自由に選択(=セレクト)できるところが特徴です」(八嶋政明教頭先生)
「本校には看護・医療系に進む生徒や、音大・美大をめざす生徒も多くいます。そうしたニーズに応えられるのがセレクトデザインコースです。普通科でありながら、高2・高3でも美術や音楽の専門授業が選択できるのは、他校にはない特色だと思います」(進路指導部長/中村剛先生)
特進プログラム、セレクトデザインへのコース選択は高2からです。特進プログラムは、中入生(中学からの入学生)の場合は中3の成績、高校入試体験(※)の結果、高1夏休み明けの実力テスト、高1時の成績などそれぞれのタイミングで選抜候補者を決定。中入生には高入生より多くのチャンスが設けられています。
共通カリキュラムを学ぶ高1では、国語・数学・英語の3教科で習熟度別授業を実施。さらに学力最上位層の生徒を徹底的に伸ばすため、少数精鋭の「Sクラス」を別に設置し、「特進プログラム」進級への足がかりを作っています。
「Sクラスの選抜は、国・数・英の成績がオール4以上の生徒が対象です。国・数・英以外の授業は全生徒で共通ですが、この3教科だけは、より高難度なプリント類や副教材を使用しています」(八嶋教頭先生)
※高校入試体験…中3の2月に、高校一般入試の問題を中入生も解く取り組み。
セレクトデザインコースでは
高大連携授業も実施
生徒の志望の多様性に応えるセレクトデザインでは、系列の東京純心大学との連携授業も用意されています。
「セレクトデザインには、保育士、幼稚園教諭、看護師を志望する生徒が多く在籍しています。そこで幼児教育と看護の専門科を持つ東京純心大学で、看護や幼児教育についての講義や実習が受けられる選択講座を設けました。
高校では単位認定のない課外講座扱いですが、東京純心大学に進学した場合は、大学の単位として認定されます。
高校のうちにいち早く大学での学びに触れることで、より自分の進路、職業への適性を明確にできるのも大きな利点です」(中村先生)
特進プログラムではハイレベルかつ安定した学力を養い、セレクトデザインでは数多くの選択授業で生徒の個性を伸ばします。特進プログラムは設置からまだ日が浅いですが、今までにない生徒の変化を感じるそうです。
「現在、1学年全3クラス編成のうち、1クラスを特進プログラムとしています。カリキュラムは別ですが、セレクトデザインの生徒たちとも文化祭やスポーツ大会では仲良く一緒に盛り上がり、学習に対しては早朝から学校に来て自習するなど、非常に意識高く取り組んでいます」(八嶋教頭先生)
「特進プログラム生の意識の高さは、セレクトデザイン生にも良い刺激を与え、学年全体が意欲的に勉強へと向き合うようになりました。2コースを分け隔てることなくそれぞれの個性を伸ばしたいですね。本校の特色であるグローバル時代に対応できる英語スキル向上をより高めながら、学びへの不安を払拭し、今まで以上に手厚くフォローしていきたいと考えています」(中村先生)
同校では少人数制の利点を活かし、中1から探究型学習、リベラルアーツ的学習を通じて、思考力・想像力・判断力・自己発信力を高める学びを徹底しています。
「中高の6年間は、勉強や部活動を通じて大きく成長する時期。本校での幅広い学びを経て、社会でリーダーシップを発揮できる人間に育ってもらえたらと思います」(八嶋教頭先生)
『特進プログラム』と『セレクトデザイン』
のカリキュラムで多様な進路を実現
高1までに基礎を固める
高1までは、共通プログラムで基礎学力をしっかりと身につけます。高1では、成績トップ層の学力を徹底して伸ばす選抜形式の『Sクラス』を設置。高2から『特進プログラム』コース、『セレクトデザイン』コースの選択と同時に、文系・理系選択も行われます。
進路に合わせて2コースから選択
『特進プログラム』の文系は選択授業が理系より多く、英語力をより高める各種授業のほか「クリティカルシンキング」なども選択可能。志望大学の受験科目に合わせたカリキュラムが用意されます。大学受験が近づく高3では、文系でも数学I、数学Bなどが選択でき、苦手分野の強化と志望大学に合わせた学習ができます。
『セレクトデザイン』ではより多くの選択授業が用意され、同校独自の「大学体験講座」のほか、「専門音楽」「専門美術」などの芸術系科目も充実。高3では年間取得単位数の約半数を選択授業として学べるため、受験科目が多岐にわたる私大受験志望者が、自らの目標を定めやすいカリキュラム編成になっているのが特徴です。
2つの「叡智探究」コースの特徴

ココがポイント“英語の純心”らしい高度な英語教育
“英語の純心”として定評のある同校の英語教育は、2コース制になって、より密度の濃い授業が行えるようになりました。『特進プログラム』も『セレクトデザイン』も英語教育に力を入れていることに変わりはありませんが、『特進プログラム』は英語の単位数も多く、教科書は同じでも、レベルの高い副教材を使用し、“英語を英語のまま理解して聞き、話し、書く”スキルを高めています。
先生の言葉
少数精鋭だからこそ切磋琢磨の場に
「少人数による手厚い教育が本校らしさです。2コース制になったことで、『特進プログラム』の生徒たちから受験に対する団結力の高まりを感じます。2コースそれぞれが、切磋琢磨の場になっていることも実感しています」(八嶋教頭先生)
「『セレクトデザイン』は従来の純心プログラムに準じていますので、進路指導や受験対策も含めたノウハウの蓄積があります。2コース制は、生徒が自分の将来を考えるいい機会にもなりました。そこでチャレンジする生徒になってもらえたらと思います」(中村先生)


(この記事は『私立中高進学通信2020年2・3月合併号』に掲載しました。)
東京純心女子中学校
〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
TEL:042-691-1345
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