私立中高進学通信
2020年1月号
未来を切り拓くグローバル教育
東洋大学京北中学校
物事を俯瞰 する力を養う
全員参加のカナダ修学旅行
多彩な体験型プログラムで磨いた英語力を試す場

書道、折り紙、福笑いなど、グループごとに日本文化を紹介。
英語と身振り手振りを駆使して書き方や折り方を教える体験は、コミュニケーション力を大きく伸ばします。
海外で視野を広げて
新しい時代の価値観を
『諸学の基礎は哲学にあり』。これが同校の建学の精神です。
「創立者・井上円了は、常識とされていることが『本当に正しいのか?』と問い続ける大切さを教えるために、本校を創立しました。その姿勢に必要となるのは、多角的なものの見方です。本校の生徒には海外に飛び出して外の世界を知り、物事を俯瞰的に見る力を養ってほしいと考えています」(国際教育推進部長/今橋伸悟先生)
そのため同校では、中3時に学年全員参加の「カナダ修学旅行」を実施しています。期間は約1週間(5泊7日)。探究学習として現地の市庁舎などを巡り、その役割を調べたり、現地校の生徒と交流したり。3泊でホームステイも体験します。
「カナダを選んだのは、豊かな自然との共生と、さまざまな移民の人たちとの共存が非常に進んでいる国だからです。『みんなちがって、みんないい』という金子みすゞの詩のように、それぞれ違った個性が混ざり合うことなく活かされ、調和している国なのです。
日本は将来、人口の減少に伴って外国からの労働者が増え、今以上に共生が必要な社会になるはずです。人口が増加し、経済規模を大きくして豊かさを求めていた頃の日本とは異なります。中学生という多感な時期にカナダで視野を広げ、これまでとは違った価値観を模索してほしいと思います」
多彩な体験型プログラムで中1から英語力を磨く

カナダ修学旅行は中3の11月に実施されます。すべての生徒が英語でのコミュニケーションに慣れ、カナダで積極的に交流できるように、中1から参加できるさまざまな体験型プログラムを用意しています。
入学してすぐの中1の5月には、「Freshman English Camp」を実施。ネイティブ講師と2泊3日を過ごして、国内にいながら英語だけのコミュニケーションを体験します。また、年5回、東洋大学の留学生と交流する希望制のイベント「Let's Chat in English!」も開催。1人の留学生に対して生徒5~6名でグループを作り、英会話を楽しみます。
さらに、カナダ修学旅行から帰国後の2月には、「英語スピーチコンテスト」を開催。中3生全員が英語のスピーチ原稿を作成して暗記し、クラスメートの前でスピーチすることで、英語での自己表現力を磨いています。
カナダ修学旅行体験レポート
カナダでは自分の思いを
英語で相手に伝えようと夢中でした
中3の学年全員で体験する英語圏での生活

昨年、カナダを修学旅行で訪れたMさん(高1)に話を聞きました。
「カナダ修学旅行では、博物館や市庁舎に行って、現地の人からお話を聞いたり、現地校で日本の文化を紹介したりと、いろいろな体験ができました。質問して英語が通じた時はとてもうれしかったです。日本について紹介する時も興味を持って聞いてくれたので、がんばって英語で話せました」
ホームステイも楽しかったとMさん。
「大学生のお兄さんと7歳の女の子がいるご家庭で、お母さんもお父さんもたくさん話しかけてくれました。会話することが楽しくなり、とても親しくなれました」
体験談その1
テーマ別研修の後は
現地校の生徒と交流
カナダの街を巡る探究学習
「カナダ修学旅行」ではバンクーバー国際空港に到着後、フェリーでビクトリア(※)の街まで渡ります。ビクトリアではテーマ別学習として、街がどのように運営されているのかを調査します。グループに分かれて空港や市庁舎、消防署、博物館などを訪問し、現地の人から英語で説明を聞きます。
Mさんは博物館を訪れて、カナダに数多くの動物がいることを知って感動し、ビクトリアには何種類の動物が生息しているかを質問したそうです。
現地の生徒と交流する機会も設けられており、Mさんはみんなに書道を紹介しました。
「折り紙や福笑いを紹介するグループもあり、どのグループも現地の生徒たちに喜ばれていました。驚いたのは、カナダの生徒たちが日本の食文化などについてたくさんの質問をしてきたことです。日本では、初対面の人にここまで積極的に話しかけることはあまりない気がします。なぜ海外で『日本人はシャイだ』と言われているのかよくわかりました」
※ビクトリア…カナダのブリティッシュコロンビア州の州都。バンクーバー島の南端部にあり、英国風の建物が数多く残る観光地としても知られています。

現地の生活を実体験

お互いの文化を紹介
体験談その2
カナダの一般家庭で
3泊の異文化体験
初めてのホームステイを体験
1家庭に生徒2名でホームステイをします。Mさんは友人と2人で中国人の家庭に滞在しました。
「ホストファミリーとはすぐに打ち解けることができました。とくに7歳の女の子は私になついてくれて、このままずっとカナダにいたいと思ったほどです」(Mさん)
ホームステイ2日目は、午前中は家族でショッピングを楽しみ、午後はこの家のお父さんと近くの山にハイキングに行ったそうです。山頂から眺めた街並みは日本とはまったく違い、色彩豊かな家々が並んでいたといいます。
「ビクトリアの街はきれいで、都市と自然が溶け合っていました。ホームステイをした家の近くには野生の鹿が歩いていて、とても驚きました。
この2泊3日でホストファミリーの人たちとは、英語だけでなく心も通じ合えた気がします。別れがとても寂しく感じるほど親しくなることができました」

現地の生活を実体験

(この記事は『私立中高進学通信2020年1月号』に掲載しました。)
東洋大学京北中学校
〒112-8607 東京都文京区白山2-36-5
TEL:03-3816-6211
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