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私立中高進学通信

2020年特別号

中1の始め方

和洋国府台女子中学校

「SDGsを通じて広い視野をもつ人間になろう」
本物に触れて学びを深める学年活動

この日行われた学年活動は、「福祉」の特別講座。大学生から、「自分がお母さんになることを考えたことがありますか? もし、子どもが障がいを持っていたら。そのことを考えてみてください」という問いかけがありました。

この日行われた学年活動は、「福祉」の特別講座。
大学生から「自分がお母さんになることを考えたことがありますか?
もし、子どもが障がいを持っていたら。そのことを考えてみてください」という問いかけがありました。

SDGsを広い視野をもつきっかけに
学年主任・数学科教諭 髙橋美絵子先生学年主任・数学科教諭
髙橋美絵子先生

「凜として生きる」女性の育成を教育方針とする同校。同校の考える「凜として生きる」女性とは、「周囲に対する思いやりと物事に挑戦する逞しさをもつ」「自らを律し、礼儀正しく品格をもつ」「文化を尊重し、豊かな表現力をもつ」社会人として、社会に貢献できる女性です。

 同校では「凜として生きる」ことを目指し、毎年「学年目標」を設定しています。新中1生は、それに沿って学校生活をスタートし、学年が上がるごとにその学びを深めていきます。

「2020年度の新中1生の学年目標は、『SDGsを通じて広い視野をもつ人間になろう』です」

 と話すのは、学年主任で数学科教諭の髙橋美絵子先生です。

「2020年の新中1生は、4年制大学に進学すると、卒業する年がちょうど2030年にあたります。これは、SDGsが設定している課題達成目標の年でもあります。そこで、SDGsを通して広い世界に目を向けながら、社会へ羽ばたいてほしいという願いを込めました。
 SDGsは社会や世界を知るためのきっかけとして最適です。大きな視点・多様な視点に触れながら、自分の考えを深めて、広い視野をもつ人になってほしいと思っています」

身近な問題をSDGsを通して考える

クックパッドとのコラボ企画『料理から考えるSDGs』の特別講座。

 同校は、生徒が五感を駆使して「本物に触れる学び」を大切にしています。

 学年活動では「本物に触れる」ことの一環として、校外の人とつながる機会を設けています。その一つが、クックパッドと協働して実施した、「料理から考えるSDGs」の特別講座です。

「この特別講座では、身近な“料理”が世界の問題とどうつながっているのか、考えてもらいました。
 まずは食品ロスの問題があります。生徒たちは、無駄にした廃棄食品を燃やしたり埋めたりすることにより、二酸化炭素が増えて地球温暖化につながることを知りました。
 続いて、私たちと異なる暮らしの一例として、タイのアカ族の人たちの台所事情を学びました。彼らはバナナの葉を使ったり、肉を干したりすることで食材を保存するのです。自分たちの日頃の食生活との違いを考え、実際私たちが食にまつわる”ムダ”を減らすためにどんな工夫ができるかを話し合いました。生産・流通・小売・消費の段階ごとに、できる工夫を考察しました」(髙橋先生)

 夏休みには、食品ロスを減らすために考えた工夫を活かして料理を作り、ワークシートにまとめたそうです。

クックパッドによる特別講座はオンラインで行われました。タイのアカ族の食文化の画像は、特に生徒の興味関心を引きました。クックパッドによる特別講座はオンラインで行われました。タイのアカ族の食文化の画像は、特に生徒の興味関心を引きました。

 たとえば、「豚肉の生姜焼き」を作った生徒のワークシートには、「豚が食肉になる時、骨や内臓は捨てられるのか」という生産段階での問いや、「家から近い産地の食材を買えば、輸送費や冷蔵のためのエネルギーの無駄が減るのではないか」という流通段階での気づきがありました。また、しなびたレタスを捨てずに、ぬるめのお湯にさらし、食感を戻して使うなど、消費段階での工夫の実践も見られました。

「食品ロスが生む環境への影響に興味を持って取り組む生徒が多く、ワークシートからも多くの気づきや問いが生まれていることが伝わりました。その気づきや問いをヒントに行動し、また行動の中で気づきや問いが生まれ…その繰り返しで、生徒の中で自発的に探究的な学習が始まっていることが感じられました」(髙橋先生)

福祉教育を通し、多様性や共生社会に目を向ける
「福祉」の講座でも、生徒たちは積極的に、質問しました。

「福祉」の講座でも、生徒たちは積極的に質問しました。

 もう一つの特別講座のテーマは「福祉」です。東京大学の学生によって設立された自主ゼミナ―ル『「障害者のリアルに迫る」東大ゼミ』の担当講師をつとめる野澤和弘先生による講座です。障がいをもつ方や福祉従事者の方、このゼミで学ぶ大学生たちのディスカッションを聴き、質疑応答が行われました。

中1生の学年活動は、「学び、思考すること」を重視しています。中2生は「思考し、行動すること」、中3生は「行動し、発信すること」を目標としています。中1生の学年活動は、「学び、思考すること」を重視しています。中2生は「思考し、行動すること」、中3生は「行動し、発信すること」を目標としています。

「多様性や地域共生社会も、SDGsの大きなテーマです。車椅子で生活する方、学習障がいなど外からは見えにくい障がいをもつ方、福祉問題に取り組む大学生、福祉の仕事に従事する方など、さまざまな方々と実際に触れ合うことで、社会の中にはたくさんの価値観があり、さまざなな人たちと一緒に生きているということを実感してほしいと考えました」(髙橋先生)

 生徒からは「生活で困っていることはなんですか?」「進路はいつごろ決めましたか?」「クリスマスはどう過ごしますか?」など、積極的に質問の手が挙がりました。

「障がいという言葉は一つでも、その症状や状況は一人ひとり異なります。それを理解することは、みんなが生きやすい社会へつながっていくことを学び、福祉というテーマを身近に考えるきっかけになったと思います。この講座から、生徒は多くの気づきや問いを得ているでしょう。長い時間をかけて考えてほしいテーマです。

 学年活動を続ける中で、生徒たちが社会問題に目を向け、それを自分ごととして捉え、自分たちがどうしていきたいのか考え、発信できる機会を増やしていきたいです。
 それが、社会に貢献できる『凜として生きる』女性になるための指針となるでしょう。
 今後も、林間学校や遠足などの学校行事にSDGsの視点を取り入れたり、実際にSDGsに取り組む企業を訪れたりと、コロナ禍の状況も考慮しながら、学年活動が充実するように取り組んでいきます」(髙橋先生)

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