私立中高進学通信
2019年神奈川版
注目! News and Topics
日本大学藤沢中学校
野菜の種をまき、感謝して食べ
生命の尊さを知るフィールドワーク

「農場実習」では、生徒は10人ほどのグループに分かれて作業。
その1グループに3~4人の大学生がついて指導やサポートをしてくれます。
フィールドワークで学ぶ
生命の尊さと食べ物作り
「風が強いと、植物の茎が倒れたり折れたりしてしまいます。そのため、今日は畑に立てた支柱に茎をヒモで結びつけて固定します。この作業を “誘引”と言います」
農場の入り口でホワイトボードを前に、日本大学生物資源科学部付属農場職員の岩永崇さんが中1生たちにこう説明しました。
岩永さんの話をしっかりと頭に入れた後、生徒たちは農場へ。生物資源科学部の学生のアドバイスを受けながら、ミニトマトやナス、ピーマンなどの茎を誘引しました。これは、同校で週1回、1時間にわたって行われている「農場実習」の模様です。
獣医学科をはじめとする12学科を有する、日本大学生物資源科学部。キャンパスには農場や牛舎などが並んでいます。同大に隣接する同校では、開校以来、こうした環境を活かした中高大連携教育が行われています。
そのひとつが、フィールドワーク。同学部のスタッフや学生の指導のもと、中1で「農場実習」を、中2で「食品加工実習」と「畜産・機械実習」を体験します。クラスメートと協力しながら、野菜を育て、動物の世話をして、生命の尊さや食べ物を作る人たちの苦労を実感することが目的です。
農業を身近に感じたり
自然に興味を抱いたり
農場実習では整地から苗の植え付け、収穫までを行います。栽培する野菜は、ほかにジャガイモやサトイモ、ハクサイなど。採れたての野菜は家に持ち帰り、家族で食べるそうです。
「生徒たちはみんな、楽しそうに土や植物に触れています。教室では見られないような笑顔を目にすることもありますね。新入生に『どの行事が楽しみ?』と聞くと『農場実習』と答える生徒も多いです。普段、口にしている野菜がどのように作られ、育っていくのか。そのプロセスを実際に知ることで、生徒は農業を身近に感じたり、自然科学に興味を抱いたりします。こうして芽生えた関心によって、生物資源科学部を進路先に選ぶ生徒もいます」
(中1担任/岡田有未先生)
フィールドワークで指導する大学生の多くが教職課程を履修しています。そのため、大学生も、中学生との触れ合いを通して、学んだり気づいたりすることも多いと言います。
午前はウィンナーソーセージ
午後は豚の角煮づくりに挑戦
中2では、食品加工実習を8月に1日かけて行います。指導するのは、同学部の食品加工実習センターのスタッフたち。午前中は肉の部位の説明を受けた後、肉ひき機で粗びきウィンナーをつくり、全員で味わいます。午後は豚の角煮づくり。角煮を切り、パックに詰めてスープを入れ、殺菌作業をして完成します。
12月に行われる、畜産・機械実習では牛舎や豚舎の清掃やトラクターの操作を体験します。
2年にわたるフィールドワークを通して、生徒は食事の前のあいさつ『いただきます』という言葉には深い感謝の気持ちが込められていることを知るのです。






実習が終わるたび、達成感が得られます

農場実習について生徒たちに話を聞きました。
「野菜を収穫する日が今から楽しみです」
「人が手を加えないと、野菜が育たないことを知りました」
「農家の人たちの大変さがよくわかります」
「誘引する時、ヒモをゆるく結ぶのが難しかったです」
「実習が終わるたびに、達成感が得られます」
教えるのが難しいぶん、やりがいを感じています

指導にあたる大学生、日本大学国際地域開発学科3年牧野達樹さん(左)と生命農学科3年尾﨑旭寧さん(右)。
「中学生に一から教えるのは難しいのですが、創意工夫するのが楽しく、やりがいを感じています」(牧野さん)
「私は教職課程を履修しています。中学生にわかりやすく教えるには、自分にもっと知識が必要だと気づかされます」(尾﨑さん)
(この記事は『私立中高進学通信2019年神奈川版』に掲載しました。)
日本大学藤沢中学校
〒252-0885 神奈川県藤沢市亀井野1866
TEL:0466-81-0125
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