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私立中高進学通信

2019年神奈川版

注目! News and Topics

桐光学園中学校

各界の権威をお招きする「大学訪問授業」
作家の沢木耕太郎氏が講義

「大学訪問授業」は中高の希望者が対象。この日は215人の生徒と約40人の保護者が受講しました。立ち見が出るほどの盛況ぶりです。

「大学訪問授業」は中高の希望者が対象。
この日は215人の生徒と約40人の保護者が受講しました。
立ち見が出るほどの盛況ぶりです。

「沢木耕太郎先生は1979年に『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を、1982年に『一瞬の夏』で第1回新田次郎文学賞を、1985年に『バーボン・ストリート』で第1回講談社エッセイ賞を、1993年に『深夜特急 第三便 飛光よ、飛光よ』で第2回JTB紀行文学賞を受賞されました」

 5月、司会を担当した見崎麻衣さん(高2)の紹介で幕を開けた第6回「大学訪問授業」。この授業では、多様な学問分野のオーソリティを招き、大学で実施されているのと同じ授業が体験できます。この日に講義を行ったのは、ノンフィクション作家でエッセイストの沢木耕太郎氏です。

旅をすることで人間としての
背丈を伸ばすことができる

 沢木氏は「主題は移動」と題した講義で次のように語ります。

「人間としての背丈をどうすれば伸ばすことができるのか。それには外国でも国内でもいい、今の場所から離れて移動すること、つまり旅をすることです。旅はスポーツと異なり基本的にルールがありません。ルールがない場所に行くと、自分に何ができて、何ができないのか、力量が試されます。そして、予期しないことに遭遇し、それを乗り越えるたびに、少しずつ人間としての背丈が高くなっていくのです」

ソロで生きられるように
今から自分を鍛えてほしい

 沢木氏は自身の体験談をもとにした代表作「深夜特急」に描かれた、旅に出発するまでの経緯を語りました。氏は横浜国立大学卒業後、恩師の紹介によってルポライターになります。次々に舞い込んできた仕事を前に26歳の沢木氏はこう考えたと話します。

「このままアウトプットを続けていたらいずれ干からびてしまう。だから、インプットをしなければならない。その方法を考えよう」

「インドからイギリスまで旅をしたことで、僕は『自分がどんな場所でも生きていける』という自信と自由を手に入れることができました」(沢木氏)「インドからイギリスまで旅をしたことで、僕は『自分がどんな場所でも生きていける』という自信と自由を手に入れることができました」(沢木氏)

 その答えがインドのデリーから乗合バスを乗り継ぎ、イギリスのロンドンまでたどり着くという旅だったのです。その旅は自身の背丈だけでなく、自分は自由であることを教えてくれたそうです。そして沢木氏は「自分は長い年月をかけてソロ(単独)で生きてきたのではないか」と自身の人生を振り返り、中高生たちに次のようなメッセージを贈ります。

「人は一人では生きていけません。家庭でも企業でも、登山でいうパーティーを何人かと組まなければならないのです。しかし、ソロとして高い力を持った人がほかのだれかとパーティーを組めば、それは素晴らしい集団になるはずです。みなさんも予期しないできごとが起きた時、自分一人の力で乗り越えられるように、今のうちからスポーツや旅をして、自分自身を鍛えてほしいと思います」

羽生善治氏や坂本龍一氏
茂木健一郎氏も来校

 今年で17年目を迎えた「大学訪問授業」。これまでに講義をしたのは、棋士の羽生善治氏、詩人の谷川俊太郎氏、ノーベル化学賞受賞の根岸英一氏、作曲家の坂本龍一氏、ジャーナリストの池上彰氏や田原総一朗氏、評論家の立花隆氏、脳科学者の茂木健一郎氏、精神科医の香山リカ氏など多彩な顔ぶれです。

 今年度の「大学訪問授業」は計21回を予定。6月には、俳人・エッセイストで帝塚山学院大学リベラル・アーツ学部客員教授の夏井いつき氏が、「俳句って楽しい!」の題で講義を行いました。これまで授業に参加した中高の生徒たちからは、「もっと勉強がしたくなった」「大学で学びたいことが見つかった」という感想が聞かれました。さらに、講師の方々から刺激を受けて、将来就きたい職業を意識し始めたり、大学の学部・学科選択を真剣に考え始めたりするなど、生徒たちの進路選びに大きな影響を与えています。

「これからカナダへの修学旅行があるので、先生から聞いたお話を現地で実践してみようと思います」と話すのは、司会を務めた見崎麻衣さん(高2)。見崎さんは、沢木氏の『敗れざる者たち』を読んで励まされたそうです。「これからカナダへの修学旅行があるので、先生から聞いたお話を現地で実践してみようと思います」と話すのは、司会を務めた見崎麻衣さん(高2)。見崎さんは、沢木氏の『敗れざる者たち』を読んで励まされたそうです。
「どうしても自由になれないことはありますか?」「文章を書く力をつけるには、どうしたらよいですか?」など、講義の後は会場から沢木氏にたくさんの質問が寄せられました。「どうしても自由になれないことはありますか?」「文章を書く力をつけるには、どうしたらよいですか?」など、講義の後は会場から沢木氏にたくさんの質問が寄せられました。
沢木氏のメッセージに真剣に耳を傾ける桐光生たち。「大学訪問授業」は土曜日の4時間目に実施され、生徒の知的好奇心を刺激し続けています。沢木氏のメッセージに真剣に耳を傾ける桐光生たち。「大学訪問授業」は土曜日の4時間目に実施され、生徒の知的好奇心を刺激し続けています。
同校の伝統行事となりつつある「大学訪問授業」。その内容は2007年から書籍化されています。同校の伝統行事となりつつある「大学訪問授業」。その内容は2007年から書籍化されています。
中3生に感想を聞きました。右から「実際に体験することの大切さに改めて気づきました」(木村隼さん)、「私もたくさんのことをインプットして、自分のプラスにしていこうと思いました」(山中愛莉さん)、「『主題は移動』という題名からは想像できなかった素晴らしいお話を、興味深く聞くことができました」(栗田ももさん)中3生に感想を聞きました。右から「実際に体験することの大切さに改めて気づきました」(木村隼さん)、「私もたくさんのことをインプットして、自分のプラスにしていこうと思いました」(山中愛莉さん)、「『主題は移動』という題名からは想像できなかった素晴らしいお話を、興味深く聞くことができました」(栗田ももさん)
正解がひとつでないことを知ってほしい
校長 中野 浩 先生校長 中野 浩 先生

『大学訪問授業』を開始した時から、講演の依頼やスケジュールの調整など、ほぼすべての講演者のコーディネートに力を注いでき ました。幅広いジャンルの権威である先生方のお話を聞くことで、正解がいくつもある問題や、あるいは正解のない問題が世の中にたくさんあることを生徒に知ってほしいと思います。

(この記事は『私立中高進学通信2019年神奈川版』に掲載しました。)

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