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私立中高進学通信

2019年神奈川版

THE VOICE 新校長インタビュー

山手学院中学校

海外研修を基軸に、生徒たちの
マインドセットを変えていきたい

時乗 洋昭 (ときのり・ひろあき)

時乗 洋昭 (ときのり・ひろあき)校長先生
1955年生まれ。山口県出身。1980年金沢大学理学部物理学科卒業。
同年神奈川県立綾瀬高等学校数学科教諭として教育の世界に入る。
2007年から県立高等学校の校長として3校を経験し、2015年湘南高等学校長を最後に退職。
退職後、県教育委員会にて神奈川県学力向上進学重点校の学校改革に取り組み、2019年より現職に就く。

「教育乱世」の時代に入ってきている

 学習指導要領が改訂され、大学入試制度も大きく様変わりをしようとしています。生徒に求められる資質も大きく変容しており、大げさな言い方をすると「教育乱世」の時代に入ってきています。よく「不易と流行」と言われますが、今後は「不易」とされてきた部分にも手をつけないと、社会で通用する人材は育てられません。つまり、すべてをゼロベースで考えていく時代になってきたのです。生徒たちにとっても、教職員にとっても、大変な時代を迎えているわけですが、見方を変えれば大きなチャンスでもあります。

 本校は、今から50年前に他校に先駆けて国際交流をスタートし、現在も中3の『オーストラリア・ホームステイ』や高2の『北米研修プログラム』など、多彩な取り組みを展開しています。50年前は先進的かつ画期的だった取り組みも、現在はそれだけで十分とは言えません。北米圏への研修をプラットフォームとして、そこへ各教科の学びをつなげていくようなカリキュラムを創造していく必要があります。

 高2の『北米研修プログラム』については、スタンフォード大学などの協力を得ながら、現地の学生とのディスカッションをはじめ、生徒たちのマインドセットを大きく変えていけるような内容に変えていきたいと考えています。単なる交流にとどまらず、世界で活躍するために必要なものを生徒たち自身に感じさせ、考えさせるようにしていきます。

課題を「解く」力より「発見する」力が大切

 中高一貫校の強みは、6年間を見通してカリキュラムを組めることです。私自身、長く公立高校で教員・校長を務める中で、私学の中高一貫教育に魅力を感じてきました。とくに中3・高1の2年間で連続した学びができるアドバンテージは大きいです。本校も6年間を2年ずつに区切る形でコースを設定していますが、今後は一貫校の強みをより活かしたものへと変えていきたいと考えています。

 強化していきたいポイントの一つは探究活動です。次代を生きる子どもたちは、与えられた課題に対して正解を出すだけでなく、正解のない課題と向き合い、仲間と力を合わせて解決していく資質が求められます。必要なのは、課題を「解く」力よりも、身の回りの日常から課題を「見つける」力です。課題を見つけた時点で、ミッションの8割くらいは達成したと言えるほど重要な力となります。

 探究活動を行う際に、教員があらかじめ課題を用意するケースを散見しますが、そうした形式だと生徒たちは「正解」を探ろうとするだけになり、本質的な学びにはつながりません。本校の探究活動は、これまで以上に「課題発見力」の向上にフォーカスする形で組み立てていきたいと考えています。

「5教科・7科目型」の学力を着実に高める
時乗校長が掲げる3つの教育方針
  1. 海外研修を核とした教科横断的な学びの構築
  2. 「脱正解主義」による「課題発見能力」の育成
  3. 外部と連携した「脱自前主義」による教育の質的向上

 本校の生徒はとにかく元気で活発です。能力的にも高いポテンシャルを持っていて、何事にも一生懸命コツコツと取り組む姿勢を持っています。そうした生徒たちに、最低限センター入試に対応できる「5教科・7科目型」の学力を着実につけてもらい、進路の選択肢を増やしていくことも目標の一つです。県内でもトップクラスの進学実績をめざし、海外大学への進学にも積極的に取り組みます。

 教職員もやる気に満ちていて、新しい取り組みにも意欲的です。多くの教員が、現状に対する問題意識も持っています。私自身、教員一人ひとりと対話を図りながら、共に「10年後の山手学院をどうするか」を考え、それぞれの立場で問題意識を形にしていく場を整えていきたいと考えています。

 教職員には、先述した「脱正解主義」と同時に、「脱自前主義」の必要性も伝えています。私は以前、通信制の横浜修悠館高等学校の立ち上げに関わり、初代校長も務めました。ここには不登校や発達障がい、学力不振などさまざまな課題を抱える生徒がおり、自前の経験知だけでは限界があることから、外部の専門家と連携を取りながら対応していきました。本校でもその経験を活かし、外部の方々が有する専門性を上手く活かしながら、教育の質を高めていきたいと考えています。

[沿革]
1966年創立。1969年から始まった北米への研修旅行をはじめ、オーストラリアのホームステイ、国連世界高校生会議への参加など多彩な国際交流プログラムで知られる。建学の精神は「『未来への夢をはぐくみ、その夢の実現をたくましくになっていく人』すなわち『世界を舞台に活躍でき、世界に信頼される人間』を育成する」。

(この記事は『私立中高進学通信2019年神奈川版』に掲載しました。)

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