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私立中高進学通信

2019年11月号

私学の英語最前線

昌平中学校

『IB』と『グラマー』の両輪で
“世界基準”の英語力を培う

国際バカロレア(IB※)認定校として、世界基準で活躍できる人財を育成する同校。生徒たちの英語活用力の土台には、日々の授業で培われた文法力や語彙力があります。

※国際バカロレア(IB)…世界基準で活躍できる人財育成を目標に、国際バカロレア機構(本部・ジュネーブ)が提供する教育プログラム。同校は2017年3月に中等教育プログラム(MYP)の認定校、2019年3月には高校がディプロマプログラム(DP)の候補校となった。

どの生徒も自信を持って
堂々と英語を使える

 英語で話すことに気恥ずかしさを感じる中高生が多いようですが、同校では生徒と先生が気さくに英語で話す姿が、学校の至るところで見られます。

「Hello! How was your summer vacation?」

「It was fun. I went to... 」

 夏休み明けとなるこの日も、高1生と英語科の先生の間でこんな会話が交わされていました。

「私とすれ違うと、生徒たちはうれしそうに英語であいさつをしてくれます。オーストラリアから留学生が来た際は、教員が仕向けずとも自ら話しかけ、すぐ友達になっていますね」

 と英語科副主任の戸恒和香子先生は目を細めます。同校の生徒は海外留学先でも、現地校の生徒やホストファミリーと積極的に関わりを持ち、「自分の英語は通用する」との手応えを得て帰ってきます。なぜ、これほどまでに堂々と、物怖じせずに英語を使えるのでしょうか。

 生徒たちの自信を支えているベースの一つは、日々の授業で培われた確かな文法力と語彙力です。埼玉県で最初に『IB教育』を取り入れるなど、思考力や表現力を伸ばす指導に定評のある同校ですが、カリキュラムの中身を見ると、 “土台”となる知識の部分も軽視していないことがよくわかります。

 例えば、週に6~8時間ある英語の授業は、文法などを中心とする『グラマー』、活用力や思考力を伸ばす『IB』、ネイティブ教員による『英会話』に分けられており、このうち最も授業時数が多いのは『グラマー』で、週に4~5時間にも上ります。また、通常の授業以外にも、週3回の「朝の単語テスト」、語彙力を競う年3回の「ボキャブラリーコンテスト」など、語彙力をつける場が用意されています。

 一方、『IB』の授業では、さまざまな課題について英語で討論するなどの活動が行われています。これにより自然に運用力が身についていき、アウトプットができるようになるのも、生徒たちに確かな文法力や語彙力が備わっているからです。

「『IB』の授業では、文法ができる生徒ほど自信を持って英語を使っています。また、たくさんの単語を知っているだけでも、ある程度のコミュニケーションは可能なので、語彙力も重要になります」

学校生活のあらゆるところに
英語を活用する場面がある

 生徒たちが堂々と英語を使えるもう一つの理由は、英語を「聞く」「話す」場面が学校生活のあらゆる場面に散りばめられているからです。例えば、英語の授業は、『IB』や『英会話』はもちろん、『グラマー』の授業も、段階に応じて基本的に英語で進められます。取材当日に行われていた中1の『グラマー』の授業でも、先生の説明や発問は6~7割が英語でした。

「中1の場合は、生徒たちが理解できるよう、時に日本語交じりの英語も使いながらていねいに説明しています。英語を使う割合は学年が上がるにつれて増え、中3の授業は、ほぼ “オールイングリッシュ”で行われます」

「オールイングリッシュ」と聞くと不安を覚えるかもしれませんが、生徒の文法力や語彙力を見極めながら段階的に英語を増やしていくため、取り残されることはありません。この日の授業でも、重要なポイントは先生が繰り返し説明を加え、生徒たちからもしっかりと理解している様子が見て取れました。

「生徒への説明は、日本語よりも英語のほうが、むしろ集中して聞いてくれます」

 日々の授業のほかにも、ネイティブ教員が常駐する『日本語禁止部屋』、ニュージーランドへの修学旅行、英語スピーチコンテストなど、英語の腕試しをできる場は多岐にわたります。

中3終了時には75%の生徒が
英検準2級以上を取得

 生徒たちの英語活用力を高めるこれら一連の取り組みは、『パワー・イングリッシュ・プロジェクト(PEP)』と呼ばれ、「全校生徒が英語を得意教科に」を合言葉に、学校 “総がかり”で進められています。その成果は、英検の取得状況にも表れていて、中3終了時には75%の生徒が準2級以上、37%の生徒が2級以上を取得しています。英語が得意な生徒が数多く入学してくるのかと思いきや、入学時点では4分の3の生徒が「取得級なし」だというから驚きです。

 これら「知識と実践の融合」を柱とする同校の英語教育は、大学入試を勝ち抜いていく上でも、大きなアドバンテージとなります。

「これまでの入試は提示された問題文を解くものでしたが、これからの大学入試は何も書かれていない白紙に自らの意見を埋めていくような力が求められます。これは大学入試に限らず、社会に出てからも必要な資質・能力です。本校の生徒は『IB』の授業を通じて、各教科でそうした力を培っています」

 同校は今年度、IBを取り入れて5年目を迎えました。年々、生徒たちの思考力や表現力は高まり、自分の意見を筋道立てて説明できる生徒が増えていると言います。2020年度から始まる新しい大学入試において、『IB』の授業で鍛えられてきた生徒たちがどんな結果を残してくれるのか、今から楽しみです。

昌平の英検取得状況

POINT1
『グラマー』の授業で
文法力と語彙力を伸ばす

 公立校の英語授業は週に4時間程度ですが、同校の英語授業は週あたり6~8時間に上ります。このうち『グラマー』の授業は中1で4時間、中2~中3で5時間が割り当てられており、ここで文法力や語彙力などが鍛えられます。

 また、週に2回は補習の場を設けるなど、全生徒が着実に授業内容をマスターできるようにサポートも行っています。こうした取り組みを通じ、生徒は中3の1学期までに、高校基礎レベルに相当する1,400の単語をマスターします。

POINT2
『IB』や『英会話』で
活用力や思考力を高める

 英語科の『IB』の授業は週に2時間。先生が提示した課題について、生徒たちがグループで討論するなどの活動が行われています。ここでは、英語の活用力だけでなく、論理的な思考力や創造力、プレゼンテーション能力など、グローバル人財に必要な資質・能力も鍛えられます。

 また、校内には常勤のネイティブ教員が6名いて、中1の3学期から始まる週1時間の『英会話』の授業、放課後のESSクラブ、英検の二次試験対策などを担当しています。

担当の先生より
英語は「好き」でさえいれば
諦めずにがんばることができる
戸恒和香子先生

 生徒には、たとえ英語が得意でなくても、「好き」でいてほしいと考えています。「好き」でさえいれば、点数が悪くても諦めずにがんばれますし、少しでも芽が出れば自らの力で伸ばしていけるからです。

 そのため、授業では生徒の“できる部分”に着目して、積極的にほめるようにしています。また、授業はテストとは違うので、生徒たちには「Mistake is OK!」と言って、失敗を恐れず発表するように伝えています。
(国際教育部副部長・中学英語科責任者/戸恒和香子先生)

進学通信 2019年11月号
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