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私立中高進学通信

2019年11月号

私学だからできるオリジナル教育

東京家政学院中学校

家庭科実習で養う
生きる力と協働の心

日常生活の中で手仕事をする機会が失われている現在。同校では家庭科実習に力を入れ、将来、必ず必要になる生きる力や協働する力を育んでいます。
実習中心の家庭科教育を実践。生活力=総合力と考え、将来に必要な力を養います。

実習中心の家庭科教育を実践。生活力=総合力と考え、将来に必要な力を養います。

家庭科の学びを通して
家族の大切さにも気づく
かっぽう着を入れる巾着袋も共布で作ります。ていねいにアイロンがけをすることも、大切な制作過程です。かっぽう着を入れる巾着袋も共布で作ります。ていねいにアイロンがけをすることも、大切な制作過程です。

『生きる力を身につけ、自尊の心を育む』という教育理念のもと、次世代に羽ばたく女性を育成している同校。実習を中心とする家庭科の授業は、まさに「生きる力」=生活力をつけるために行われています。

 中学3年間は毎週2時間の家庭科の授業があり、被服や調理の実習に力を入れています。被服では中1でかっぽう着、中2でハーフパンツ、中3で手編みのアクリルたわしを制作します。

「買えばそれで済む時代だからこそ、自分の手で整えたもので家族を支える意識を持ってほしいのです」

 と家庭科の中野実香先生は話します。

 これらの制作物をただ作って終わりにするのではなく、かっぽう着は調理実習で3年間着用し、アクリルたわしは「自宅の掃除をする」という宿題とセットで課題が出されます。いずれも、家庭科で学ぶ内容が生活を支えていることを実感するための取り組みです。

「家庭科の取り組みを通して、いつも部屋が清潔で片付いているのは当たり前ではなく、誰かが掃除をしてくれているからだということに気づいてほしいですね」

大人として必要な
知識や技術を教えたい

 ひと昔前だと、家庭科の授業は花嫁修業と考えられていましたが、現代では生活に必要な知識や技術を学ぶための学びと捉えられています。

「大人になった時に家庭人として必要になる力、母親として必要になる力を養ってほしい」

 と中野先生は言います。

「『受験勉強だけすればいい。家事なんてしなくていい』と言われて育つ女性もいる時代です。でも、どんなに勉強ができて、キャリアウーマンになったとしても、普通に生活できる力は必要ですよね。自分で生活を整えられる力こそ、生きる力だと思います」

 同校の家庭科では被服や調理のほかにも、子育てについて学ぶ保育、防災教育、消費者教育、高齢者教育なども行っています。今後は成人年齢引き下げに向け、大人になる心構えも伝えていきたいとか。

「知識と技術があってこその生活力です。本校のさまざまな学びの中で、それを教えていきたいと思っています」

中1生が挑戦する「かっぽう着作り」
自分が身につけるものを自分で作る喜び

 中1生のかっぽう着作りでは、「こんなに大きな布を扱うのは初めて」という生徒がほとんど。布の裁断をするだけで、ヘトヘトになる生徒もいます。それでも、制作が始まれば、みんな夢中になって取り組みます。

「最初は『面倒』『わからない』と言っていた生徒も、だんだん集中して夢中になっていきますね」と中野先生。生徒たちは自分の作ったかっぽう着を、3年間大切に着るそうです。

布の裁ち方を学ぶ生徒たち。型紙が直接印刷されている布を使うので、中1生も安心です。布の裁ち方を学ぶ生徒たち。型紙が直接印刷されている布を使うので、中1生も安心です。
「今は家庭でも教わることがないので、ミシンと並行し、手縫いの基本やボタンつけも指導します」(中野先生)「今は家庭でも教わることがないので、ミシンと並行し、手縫いの基本やボタンつけも指導します」(中野先生)

先生のていねいな指導で、ミシンがけに挑戦する生徒たち。そのまなざしは真剣そのものです。先生のていねいな指導で、ミシンがけに挑戦する生徒たち。そのまなざしは真剣そのものです。
ミシンの扱いも、最初は恐る恐るでしたが、実習を重ねるごとに慣れ、「ほかのものも作ってみたい」という声が挙がるそうです。ミシンの扱いも、最初は恐る恐るでしたが、実習を重ねるごとに慣れ、「ほかのものも作ってみたい」という声が挙がるそうです。
生徒同士で教え合いながら作業を進めるのも実習の良さ。協働する心が育まれます。生徒同士で教え合いながら作業を進めるのも実習の良さ。協働する心が育まれます。
調理実習のメニューを家庭で再現
調理レポートを作成
全員が提出する調理のレポート。それぞれ、写真や見せ方を工夫しています。全員が提出する調理のレポート。それぞれ、写真や見せ方を工夫しています。

 同校では夏休みや冬休みに、「調理実習と同じメニューを家族のために作る」という課題を出しています。材料の買い出し、調理、後片付けまでを担当し、レポートを作成する課題です。「仕事から帰ってきたら娘が料理を作ってくれていて、とても頼もしく思いました」「娘の手料理を初めて食べた」と、保護者からも好評です。

先生から一言
家族の一員としての自覚を持つ

 手作りのたわしを使ったお掃除や調理の宿題は、自分の作ったものが家族の役に立つという実感を得てもらうために課しています。生徒からも『料理をまた作ってと家族に言われてうれしかった』という感想が多いですね。家庭科の課題を通して、「やってもらうことが当たり前」ではなく、自分も家族の一員であることを感じてほしいですね。
(家庭科/中野実香先生)

進学通信 2019年11月号
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