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私立中高進学通信

2019年11月号

実践報告 私学の授業

田園調布学園中等部

“つなぐ”ことで思考が深まる
教科横断型の授業

苦手な教科も好きになる!
長方体の積み木を横へずらしながら積み上げる生徒たち。この後、数学の授業で習った「積分」を用いて、積み木は無限にずらせることを学びました。

長方体の積み木を横へずらしながら積み上げる生徒たち。
この後、数学の授業で習った「積分」を用いて、積み木は無限にずらせることを学びました。

物事を多面的・多角的に
捉える力を育む

 アクティブ・ラーニングなど学習者主体の教育へのシフトが進む中、同校は20年近くも前に『協同探求型授業』をスタートするなど、時代を先取りする教育プログラムを展開してきました。生徒と教員の双方向型授業を意識した1コマ65分間の授業は、生徒たちの学習意欲を高め、思考を深める上で成果を挙げています。2018年度には生徒1人1台ノートパソコンのChromebookを導入、また『第二校舎~創造探究棟~』(※)が完成するなど、さらなる充実に向けた環境整備も進んでいます。

 こうした土台の上に、ここ数年、新たな試みとして取り入れているのが「教科横断型授業」です。例えば「物理×数学」「地学×美術」「物理×音楽」といった形で、教科と教科を “つなぐ”授業が、さまざまな学年で行われています。

「生徒たちは将来、社会に出てさまざまな課題に直面します。そうした課題の多くは、単体の知識や方法だけでは解決できません。生徒には幅広い知識や方法を用いながら、物事を多面的・多角的に捉えてほしいと考えています」

 と、数学科教員で入試広報室長の細野智之先生は話します。

※第二校舎~創造探究棟~…被服室・調理室・美術室・工芸室・音楽室などの実技科目教室のほか、多目的に利用できる選択教室やなでしこホール、和作法室がある実習棟。「つくる・つなぐ」をコンセプトに、ICT環境を整備し、グループワークに適した机を導入するなど、工夫が凝らされています。

STEAM教育につながる
芸術系教科との
教科横断型授業

 高2の「数学×物理」の授業では、生徒たちが「KAPLAブロック」という長方形の積み木を用いた課題に挑みました。課題の内容は、20枚の積み木を積み上げるとき、どこまで横にずらせるか、というもの。生徒たちは2~3人のグループで、慎重に積み上げていきます。

 ある程度ずらせたところで、物理の先生が「重心の原理」から、崩れない積み方を説明し、生徒たちは物の重心を意識して積んでいきます。積み木を10センチほどずらせたところで、数学の先生が登場。

「この方法で、どこまでずらせるでしょうか。実は積み木の数に制限がなければ、無限にずらせるのです」と伝えます。生徒たちは最初、信じられない様子でしたが、先生がその原理を「積分」の式で解説すると、納得の表情を浮かべました。

 この授業の意義について細野先生は「数学の式は抽象的ですが、具体物を用いることで、学んだ内容を具体的なイメージに落とし込めます。一方、物理の実験では有限のものしか扱えませんが、数式を用いることで、無限の世界まで思考を広げることができます」と説明します。

 理数系教科と芸術系教科を絡めた「教科横断型授業」も数多く行われているので、結果としてSTEAM教育の実践にもなっています。「STEAM教育」自体は、多くの学校が取り入れ始めていますが、日常の授業の中で体験することのできる同校の実践は、一歩先を行くものと言えるでしょう。

“つなぐ”一環として実施されている「教科横断型授業」
中1→数学×美術
「デザイン定規」の模様の“見立て”
①“ものボケ”に挑戦

 最初の課題は、「ほうき」「ブックエンド」「スプーン」を使って違う何かを表現する“ものボケ”。ある物を別の何かに表現することを“見立て”と言い、生徒たちは少し照れくさそうにしながらも、目の前の物を使って“見立て”をしました。

②定規で花模様を描く

 続いては「デザイン定規」を使って花模様を描く課題。生徒たちはくり抜かれたギザギザの丸穴(ギア)に、ギザギザの丸(歯車)をかみ合わせながら描いていきます。描かれる花模様は、使うギアや歯車、ペンを入れる穴によって違ってきます。

③ギア小と歯車Aで描く
同じギアと歯車を使い、穴の位置だけ変えて描いた2つの花模様。同じギアと歯車を使い、穴の位置だけ変えて描いた2つの花模様。

 続いて、歯の数が96ある「ギア小」と歯の数が36ある「歯車A」を使って花模様を描きます。ペンをどの穴に入れるかで描かれる模様は異なりますが、花びらの枚数はどの穴に入れて描いても8枚となることに気づきます。

④花模様の法則を解説
花びらが8枚になる原理を解説する数学科の細野先生。花びらが8枚になる原理を解説する数学科の細野先生。

 次に、なぜ花びらの枚数が8になるのか、数学科の細野先生が、「最小公倍数」の原理を使って解説しました。

【花びらが8枚になる原理】
「ギア小」の歯の数(96)と、「歯車A」の歯の数(36)の最小公倍数が288で、「歯車A」が8回転して元の位置に戻ってくるため、花びらが8枚になる。

⑤模様を描いて“見立て”

 授業の最後に、宿題として「デザイン定規」を用いて模様を描き、花以外の何かに“見立て”を行う課題が出されました。生徒たちは、「最小公倍数」の原理を活用しながら、思い思いの模様を描きました。

⑥作品が完成!
模様を「カメ」と「ダンゴムシ」に見立てた生徒の作品。模様を「カメ」と「ダンゴムシ」に見立てた生徒の作品。

 完成した生徒たちの作品は、「カメ」「ダンゴムシ」「土星」「観覧車」など多種多様です。「教科横断型授業」を通じ、生徒たちは「最小公倍数」のイメージをより具体的にするとともに、数学的な知識をデザインに応用できることを理解しました。

中3→地学×美術
天体のプログラミング動画

 中3では、地球や宇宙を題材としたプログラミング動画を制作。生徒たちは、宇宙へのあこがれやロマンが人に伝わるような動画に仕上げることをめざしつつ、地学の授業で学んだ知識も活用しながら、天体の特徴を捉えたアートを作りました。

中2→国語×美術×図書館
読書感想画

 本を読んだ感想を絵で表現する取り組み。図書館司書がブックリストを作って、生徒の本選びをサポート。国語科・美術科・図書館で作成した独自のワークシートを使って読解を深めながら、生徒はイメージを具体的に想像し、個性豊かな木版画を作り上げました。

中3→物理×音楽
弦の振動

 中3生は音楽の授業で弦楽器に挑戦し、その際に物理の先生から「弦の振動」の原理についての説明を聞きます。実際に音を出しながら学ぶことで、目に見えない「音波」を、よりイメージしやすくなりました。

(この記事は『私立中高進学通信2019年11月号』に掲載しました。)

田園調布学園中等部  

〒158-8512 東京都世田谷区東玉川2-21-8
TEL:03-3727-6121

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