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私立中高進学通信

2019年11月号

実践報告 私学の授業

昭和学院中学校

未来につながる学びを提供
SGアカデミー『未来講座』

多彩な講演が、思考のフィールドを広げるきっかけに
『未来講座』にて、葛西康徳教授(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部)が講演。さまざまなことに関心を持ち、チャレンジすることの大切さを話しました。

『未来講座』にて、葛西康徳教授(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部)が講演。
さまざまなことに関心を持ち、チャレンジすることの大切さを話しました。

年間10回の特別講座
中1~高3まで全員聴講

 きめ細かな学習指導を展開し、生徒一人ひとりの新たな学力の伸長と人間的成長を図っている同校。創立80周年を迎える2020年度に向け、新コース導入など教育改革に取り組んでいます。昨年度からは、独自の取り組み『SGアカデミー』を推進。その柱となるのが中1~高3の生徒全員が一堂に会し、さまざまな分野のプロフェッショナルな方々から話を聞く『未来講座』です。学校行事などで日程調整が難しい場合を除き、ほぼ毎月行われています。

「現代社会は、資格を持っているだけではもはや通用しません。予想がつかない未来の社会で、新たなものをイノベートしていかなくてはならないからです。だからこそ、生徒たちの思考のフィールドを広げるきっかけ作りとして『未来講座』をスタートさせました」

 と、副校長の園家誠二先生は言います。

『未来講座』の講演者は、大学教授からスポーツ選手、元大使までさまざま。同校の大井俊博校長先生やネイティブ教員のマイク・コワルスキー先生が登壇したこともあります。講演のテーマは指定せず、「中高校生に伝えたいこと」「知ってもらいたいこと」とだけお願いしているそうです。講演後に座談会を実施することもありますが、事前学習や事後学習なども、あえて行わないようにしています。

「本校には事前学習をして、レポートをきちんと書かせるようなプログラムも多数あります。しかし、『未来講座』は短期的な成果を求めて実施しているわけではありません。講演の中で1つでも2つでも生徒の頭の中に引っかかるものがあれば良いという、いわば種まきのような取り組みなのです」

 と、園家先生。学校側が強制するのではなく、生徒たちが素直に話を聞ける環境を作りたいそうです。

型にはまらない発想で
問題を突破してほしい

 さまざまな講演者から話を聞くことができる『未来講座』ですが、講演者の選定をする際、その分野の第一人者から、社会に出たばかりの新人まで、まんべんなく招致することを意識しているそうです。バラエティ豊かな人選にすることで、少しでも生徒たちの心に留まり、将来を考えるきっかけを作ることが、『未来講座』の大きな目的です。

「英語力やICTを使いこなす力も大事ですが、その核になる部分を養成することも、学校には求められるのではないでしょうか」

 と、園家先生。『SGアカデミー』を含め、未来に向けたさまざまな教育改革を通して、型にはまらない柔軟な思考をもった生徒を育てること、またそういった生徒をどうやって伸ばしていくかを、学校全体で真剣に考えていきたいそうです。

SG Academy
『未来講座』の講師陣と講演内容

 年間10回程度行われる『未来講座』。研究者やビジネスの第一線で活躍してきた方など、多彩な人選が特徴です。講演会のあと、20名ほどの生徒が講演者を囲んで行う座談会も年に数回実施しています。


文筆家 片倉佳史氏
片倉佳史氏

 1997年より台湾に在住し、台湾の遺構や日本統治時代の痕跡を調査・記録し、本の執筆や講演活動などを行っています。国際交流や国際理解で必要なことについて、具体的な手順を生徒たちに語ってくれました。


同校中高英語科教員 マイク・コワルスキー先生
マイク・コワルスキー先生

 同校で教鞭をとるネイティブの先生も登壇しました。「勇気を持って多くのことにTRYしてほしい」ということを、英語の表現を交えて伝えてくださいました。ユーモアたっぷりの講演を生徒たちも楽しそうに聞いていました。


同校学校長 大井俊博先生
大井俊博先生

 校長先生からは「人との出会いに感謝」というテーマでお話がありました。ご自身の経験における4つのターニングポイントを紹介し、普段の学校生活の中に人生の転機があることや、環境を見つめ直す大切さを伝えてくださいました。


成蹊大学 佐々木紳准教授
佐々木紳准教授

 東大・イスタンブール大学・東大大学院を経て、中東の歴史を専門に研究している佐々木准教授は、歴史を学ぶ際は特定の国や地域だけを調べるのではなく、他国との関係や世界の中で考えることが必要とアドバイスされました。


同校新体操部監督 塩屋恵美子先生
塩屋恵美子先生

 2018年のインターハイで見事全国制覇を成し遂げた同校新体操部の監督・塩屋先生が、「自分の可能性を高める方法」について語りました。自分と向き合うことが将来の夢につながるということが、実感を持って語られました。


日本政府観光局理事長 松山良一氏
松山良一氏

 イタリア三井物産社長・ボツワナ特命全権大使など国際的に活躍した経歴を持つ松山さんからは、グローバル時代に求められる力と共に、「家族や故郷、友人を大切に」というメッセージが伝えられました。


車いすフェンシング日本代表 加納慎太郎選手/中川清治選手
加納慎太郎選手/中川清治選手

 2020年のパラリンピックで県内開催競技となっている車いすフェンシングの代表選手お二人が、生徒たちに熱いメッセージを送りました。デモンストレーションとして実際の試合も披露され、その迫力に生徒たちも圧倒されました。


東京大学大学院人文社会系研究科・文学部 葛西康徳教授
葛西康徳教授

 法律学を専攻しながらも留学先で古典学を学ぶなど視野を広げてきた葛西教授が、ギリシャ神話を事例に、アイデンティティとは何かについてわかりやすく解説。また、グローバル時代のアイデンティティにも触れました。

ココも注目!
将来の100点につながるような取り組みを
副校長/園家誠二先生

 学校ですから、明日の100点につながるような指導も、もちろん必要だと考えています。本校でもICTや英語学習、記述力育成などには力を入れており、決しておろそかにはしていません。ただ、人生の中で大切な6年間、生徒をお預かりするからには、10年、20年、30年後につながるような取り組みも必須と考えています。

 本校では、来年度から帰国生の受け入れもスタートします。多様な価値観や文化的背景を持つ生徒たちと共に学校で学ぶことになるのです。こうした取り組みや改革を通し、本校が大きく変わろうとしていることを感じていただければと思っています。(副校長/園家誠二先生)

毎日の朝読書が
豊かな人間性を育てる

『SGアカデミー』のもう一つの取り組みが、中学3年間、毎朝SHRの時間に15~20分間行っている「朝読書」です。好きな本を持ってきて自由に読むところから、本のジャンルを指定するところまで、段階的に行っていくそうです。これもまた、自分自身を広く、深く豊かにするきっかけ作りとなっています。生徒たちは好きな本を選んで楽しく取り組み、朝読書をきっかけに本好きになる生徒も多いそうです。

進学通信 2019年11月号
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