私立中高進学通信
2019年11月号
学校ってどんなところ?生徒の一日
芝浦工業大学附属中学校
恵まれた環境の中
優れた理工系の人材を育成!

芝浦工業大学のある豊洲への移転から約2年、中高大連携教育や理工系教育を進めている同校。
ワンダーランドのような楽しい環境で、学習や部活動に励む生徒の一日を紹介します。
私たちが紹介します!

中2 金成くん
サッカー部に所属。「好きな授業は、数学と体育です。理系の学校なので、僕も含めて数学を好きな生徒が多いです」

中2 池内くん
サッカー部に所属。「朝早く学校に来て、授業の予習をするのが好きです。朝は静かなので、気持ちが落ち着きます」
8:00 登校
ほとんどの生徒が8:00~8:20に登校します。朝の登校時間前に部活動の朝練習やテスト前自主学習、希望者英会話講座などが設定されることもあります。


8:30 SHR

生徒が集まってから10~15分のSHR(ショートホームルーム)。担任の先生から、いくつかの連絡事項が伝えられます。
8:45 1時限目 道徳

この日は、文化祭のクラス展示で何をやるかをみんなで話し合うロングホームルームとなりました。各班に分かれ、PCも駆使しながら活発に意見を出し合いました。
9:45 2時限目 英語

日本語、コンピュータ言語とともに英語の教育にも力を入れる同校。この日は教科書に加え、先生が作った資料をPCで見ながら授業が進められました。「構文や文法などの重要項目は資料にまとめられていて、とても見やすいです」(金成くん)
10:45 3時限目 書道
この日は「初志」という字を書にしたためました。「自分の名前も作品のうちです。しっかりていねいに書いてね」という先生からの指示を聞きつつ、みんなのびのびと筆を動かしていました。


11:45 4時限目 ランゲージアワー
言語技術を伸ばす「絵の分析」の授業が行われました。例えば「この絵に描かれた季節はいつ?」という問いに対して、描かれた草の色、人物の服装などから論理的に考え、答えを導き出します。各自PCを使って、絵の細部まで観察。最後に作文も課されました。



12:35 昼休み




カフェテリアは中3から利用できますが、比較的高校生の利用が多いようです。
中1・中2生がクラス単位でまとまってカフェテリアで食事体験をする「一斉昼食」の日もあります。
13:20 5時限目 音楽

リコーダーのテストが行われました。最初は全員で練習し、その後出席番号順に2人ずつ、先生のピアノ伴奏でリコーダーを演奏。順番を待つ生徒は、運指の練習をしたり、自習をしたりしていました。「今は声変わり中で歌が歌いにくいので、僕は楽器演奏のほうが好きです」(金成くん)
14:20 6時限目 理科
豚の臓器(肺、食道、十二指腸、心臓、腎臓、膀胱など)を教材に使用。先生からの説明を受けて、各自興味を持った臓器を観察しました。先生が豚の肺に空気を吹き込むとふわーと膨れ上がり、「おおーっ!!」と驚きの歓声が上がりました。


15:10 SHR、清掃
先生からの連絡事項を聞いて、芝浦HR学習ノートを提出します。各自椅子を机の上にあげて「さようなら」のあいさつ。その後、教室の清掃を行いました。


15:30 部活動

池内くん、金成くんともにサッカー部に所属。中学サッカー部は朝練がなく、放課後に週4日活動しています。こうした運動系はもちろん、電子技術研究部、理科部など文化系の部活動も盛んに行われています。


18:30 下校
下校時間は、部活動によって多少異なる場合があります。


中高大連携教育と理工系教育に力を入れる
2021年より共学となる同校ですが、その最大の特徴として、芝浦工業大学との"中高大連携教育"があります。中学入学直後から芝浦工大での特別授業がスタート。中1には「工学わくわく講座」、中2には「ロボット入門講座」、中3には「ものづくり講座」がそれぞれ用意され、生徒たちは大学の先生、芝浦工大の大学生、大学院生にサポートしてもらいながら、多彩なものづくりを体験します。
「ものづくりの苦しさ、難しさ、喜びを体感してもらうと同時に、大学にも関心を持ってもらおうという狙いがあります。講座の間、生徒は大学生とずっと一緒に行動し、休み時間になると大学生にいろいろと質問する姿が見られます。
高校生に対しては、芝浦工大の全学科の先生に来ていただき、各学科の説明や『理系講座』の授業をしていただきます。生徒たちの関心を深めるところから大学の学部・学科選びまで、芝浦工大が全面的に関わってくれます。中には、大学の先生と顔見知りになって『〇〇先生の研究室に入りたい』と志望する生徒も出てきています」(広報室室長/斎藤貢市先生)
もう一つの特徴が理工系教育。国語・英語・音楽などの教科と科学技術との関わりを学ぶ「ショートテクノロジーアワー」や、教科書の学びから飛び出し、多様な理工系の専門分野に親しんでもらうための「サイエンステクノロジーアワー」といった特別授業を実施しています。
「例えば古事記に出てくる高層建築の話など、どんな教科の中にも科学的な要素はあり、まさに世の中はサイエンスにあふれているのです。そんな気付きをたくさん経験してほしい。生徒たちも楽しみにしており、『来週、ショートテクノロジーアワーをやるよ』と言うと喜んでくれます」


コミュニケーション能力を育成するランゲージアワー
言葉による表現力や論理的思考、批判的思考力を伸ばす目的で行われている独自プログラム「ランゲージアワー」について、国語科の白鳥新先生と中2生の井石くんに話を聞きました。
理工系大学への進学をめざす生徒が大半を占める同校ですが、言葉を使ったコミュニケーションに苦手意識を持つ生徒も多いようです。そうした苦手意識を克服する目的でランゲージアワーが導入されました。白鳥先生によると、
「とくに男子の場合は、言葉で説明することを面倒に感じる傾向があります。そこで、ある程度、決まった形式を与えて『こういう話し方をしてみよう』と指導しています」
ランゲージアワーのプログラムは、つくば言語技術研究所で行われている教育をベースに同校でアレンジを加え、1年ごとに内容が更新されています。現在は、最初に結論を言った後に「なぜなら……だからです」と理由を説明する「問答ゲーム」、多くの情報を分類・整理して相手にわかりやすく伝える「情報伝達」、1枚の絵を観察して何を描いた絵なのかを分析する「絵の分析」などのプログラムが実施されています。
このランゲージアワーは国語科の力だけを伸ばすものと思われがちですが、そうではなく「いろいろな教科の土台にランゲージアワーがあるというイメージで、さまざまな場面で応用できるものと考えています。例えば私たち教員に対して何を言いたいのか要領を得ない生徒に対しては、『問答ゲームの形式で話してごらん』と言うときちんと話すことができます。普段の生活の中にもランゲージアワーは活用できるのです」(白鳥先生)
現在中2の井石くんは、このランゲージアワーを通じて"言葉で伝える力"を向上させた生徒の一人です。
「『まず結論を言って、その理由を言う』という問答ゲームの型(=形式)はもちろん、話す時の型がどんどん増えています。反論する時には『確かに……』と相手の意見をいったん肯定しておいて、その後で『しかし……』と否定すると説得力が増すと教わりました。今後、プレゼンをする際にも使えると思います。
ランゲージアワーでは毎回作文を書く機会がありますが、400字詰め原稿用紙1~2枚ならすぐ書けます。以前は、原稿用紙の半分くらいで書けなくなっていましたが、ランゲージアワーのおかげで文章を書くことに抵抗がなくなり、書くスピードも速くなりました。ある程度の型を覚えれば、書けるようになりますから」と自らの成長を実感している様子。ランゲージアワーは中1・中2を対象とするプログラムですが、「中3になっても続けてほしい」と希望する保護者もいるそうです。
「ランゲージアワーを通じ、生徒たちが将来いろいろな人と協力して働ける人間になってほしいと願っています。これからの時代、ますます外国人の方と仕事をする機会が増えてきますが、とくに異文化の人とコミュニケーションをとる場合、仲間内での省略した言葉では通用しません。きちんとした言葉で自分の意見をしっかりと伝え、相手の意見も受け入れる――そんな力を培ってほしいと思います」(白鳥先生)




生徒が書いた作文は、構成面(最初に結論を述べ、最後にもう一回結論が来ているか)、
形5式面(「なぜなら……だから」などの表現が使われているか)、
論理面(論理的に整合性があるか)の3つの観点から採点されます。
(この記事は『私立中高進学通信2019年11月号』に掲載しました。)
芝浦工業大学附属中学校
〒135-8139 東京都江東区豊洲6-2-7
TEL:03-3520-8501
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