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私立中高進学通信

2019年10月号

学校が変わる!改革私学

十文字中学校

生徒の自主性を育む
『Move on プロジェクト』が新たなステージに突入

学校内に設置された『サイエンスパーク』。
理科に興味をもってもらおうと、休み時間に顕微鏡や実験道具を自由に使える空間を設置しました。

高大連携やロボット教育で生徒の内面を刺激

 探究活動の重視など、生徒の自主性を大きく育む同校の取り組み『Move on プロジェクト』。4年目を迎えた今年は『Move on プロジェクト next stage』として、さらにその幅を広げていきます。まずは昨年度より試験的にノートPCを希望者へ導入。今年度より高1からの全員導入に踏み切りました。

 プログラミング学習も、希望者向け講座に加え、今年は中1全員がヒューマノイドロボットの『ペッパー』のプログラミングを体験。希望者向けの十文字学園女子大学キャリア講座も拡大し、高1全員が必修で受講するなど、高大連携へも大きく踏み込む内容となっています。

 横尾康治教頭先生は「『Move on』=生徒の気持ちを揺り動かすという意味を持ち、生徒が前に進めることを目標としています。そのために何ができるかを、一番大切に考えています」と話します。

 ここ数年、生徒が自由に理科教材に触れられる『サイエンスパーク』の設置や、プログラミング教育の実施など、理数系教育を充実させている同校。そうした取り組みは、「女子校のリケジョ対策」と捉えられがちですが、目的はそこではないと横尾先生は言います。

「『Move on プロジェクト』では、生徒たちの中にいろいろな種をまいていきたいのです。自分は文系だと思い込んでいた生徒が、高校から数学の面白さに目覚めるような例を何度も見てきました。キャリアプログラムでは文系・理系の科目を数多く用意して、可能性を広げてほしいと思っています」

 女子は目的意識が高いものの、「これが好き」と一度思い込むと、一つの進路、一つの職業にこだわる傾向があるそうです。そうした生徒たちの視野を広げ、柔軟な進路選択ができるよう、学校側がさまざまな機会を提供していきたいと横尾教頭先生は語ります。

社会や世界とつながろうと動き出した生徒たち
横尾康治教頭先生横尾康治教頭先生

『Move on プロジェクト』で探究活動やプレゼンテーション、ディベートなどの力を養成してきた成果は、すでに生徒たちに表れています。今年度はジェンダーギャップの問題に興味を持った高3生数名が、自主的に校内で支援NPO団体への募金活動を行いました。

 さらに、この活動が刺激となり、国会議員に提言を行う中高生の活動「世界一大きな授業」(※)に参加している生徒が、活動について生徒たちの前で発表するなど、大きなうねりが生まれています。

「大学と連携したプロジェクトなどにも参加する中で、今度は自分で発表して自分たちの考えを広げていこうという流れになっています。生徒たちが学び合うスタイルを作りたいと考えてプロジェクトを進めてきたので、そこがかなりうまく機能し始めていますね」

 来年度からは十文字学園女子大学に新設される食品開発学科に、同校の高3生が参加できるプログラムを予定しています。このプログラムに参加した生徒には大学の単位が与えられ、大学3年次終了後、飛び級で大学院に進めるシステムも設置される予定です。

 4年間の成果をもとに、進化する『Move on プロジェクト』。生徒の未来につながる「Next」が大きく描かれることになりそうです。

※世界一大きな授業…戦争や貧困、障がいなどが理由で、学校に通えない世界中の子どもたちが、平等に教育を受けられることをめざす世界規模のキャンペーン。世界の教育問題を身近にとらえ、解決に向けたアイデアを政府に届けます。

ここがポイント
豊かな思考を育むプログラミング&サイエンス教育
「ペッパーでプログラミング」
「お茶の水女子大学ロボットセミナー」

 中1生が今年から取り組んでいる『ペッパーをプログラミングしよう』は、よく街で見かけるロボットのペッパーを生徒がプログラミングして、同校の紹介をする取り組みです。BGMや、腕の上げ下げ、セリフの速さなども生徒たちが自分たちで設定し、プログラミングします。

「パソコンで入力していけばいいので、プログラミング自体は1~2回の授業でできますが、技術よりも『何をどう表現して見せるか』を学ぶ授業です」と、横尾教頭先生。生徒の自主性と思考力が養われるまたとない体験となっています。これ以外にも、希望者に向けてお茶の水女子大学の学生による「ロボットセミナー」なども開催しました。また、レールコースターなど、体験することで理数の世界に親しめる校内の『サイエンスパーク』も生徒たちに好評です。

生徒にも好評の『ペッパーをプログラミングしよう』。今年度から中1の授業でスタートし、全員がプログラミングの基礎に触れます。
「お茶の水女子大学ロボットセミナー」の様子。生徒たちがプログラミングした車を走らせて、速さを競います。
ここがポイント
最終目標は高2の論文執筆
5年間をかけて深める探究学習
中3の取り組み。数学のポスターセッションに向け、「分析」の知識を使ってグループでPCを活用したデータ分析を行っているところ。中3の取り組み。数学のポスターセッションに向け、「分析」の知識を使ってグループでPCを活用したデータ分析を行っているところ。

 同校では中1~高2まで各学年に設定された目標に向かって、探究学習を進めます。中3の時点ですでに、「仮説を立てて、データを集め、検証する」という「個人探究」を行うそうです。高2では高1までグループで取り組んでいた研究を個人の研究に発展させ、全員が論文執筆を行います。同校の生徒は、この取り組みを通じ、将来学びたい分野をしっかりと意識することができます。

『Move onプロジェクト』探究学習
『Move onプロジェクト』探究学習
ここがポイント
生徒の興味・関心を大きく広げる
高大連携キャリア講座(高1・必修)

 生徒の興味・関心を大きく広げるきっかけになるのが、高1で必修となっている高大連携プログラム『十文字学園女子大学によるキャリア講座』。系列大学と協力し合っての本格的な取り組みは、同校ならでは。生徒は全18講座の中から希望の講座を4つ選んで、大学での学びを体験することができます。あえて高校向けの内容にしていないところが特徴です。

「大学で行われる研究や、専門で研究されている内容を生徒に紹介してくれます。生徒は本物を体験できるのです」(横尾教頭先生)

十文字学園女子大学によるキャリア講座例(高1対象)
学科 講座名(領域名)
幼児教育学科 保育学 舞踊学
児童教育学科 教育学 教育学
人間発達心理学科 知覚心理学 社会心理学
人間福祉学科 社会福祉学 社会福祉学(社会的養護)
健康栄養学科 健康増進学 食品学(食品成分と美味)
食物栄養学科 調理学 食品学(日本の伝統食材)
文芸文化学科 文学 美術史学
生活情報学科 家族社会学 経済学
メディアコミュニケーション学科 政治学 音楽実践理論

(この記事は『私立中高進学通信2019年10月号』に掲載しました。)

十文字中学校  

〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-10-33
TEL:03-3918-0511

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