私立中高進学通信
2019年9月号
グローバル特集 留学
東京成徳大学中学校
ニュージーランド学期留学に
中3生全員が参加

「学力」「グローバル力」「人間力」の育成をめざす同校では、2017年度の入学生から学期留学を必修化。中3生全員が1月から4月の始めまで、3カ月間留学します。帰国後、生徒の自主性や学力、問題解決力が伸びています。
未知の世界に対応できる
瞬発力や応用力を高めたい

「学期留学で生徒は、日本とはまったく異なる文化や習慣を持つ人々の中に飛び込んで、3カ月間も生活します。この体験を通して、未知の世界に対応するための瞬発力や応用力を高めていきたいと考えています。出発前に『現地で納得できないことや、理不尽なことがあっても、人のせいにしない姿勢を忘れないでほしい』と話しています」
(国際交流部長・英語科/茂原輝光先生)
同校では「成徳」という校名にある「徳」を持った人材を世界へと送り出すための教育に力を注いでいます。「徳」とは豊かな人間性であり、現代の言葉に直せば、多様性を受け入れる寛容さでもあると茂原先生は語ります。その「徳」をさらに育むために、15年間希望制としてきた学期留学を2017年入学生から必修としました。現在の中3生から、全員が中3の3学期に、3カ月間ニュージーランドに留学することになります。
留学での体験を糧に
伸びていく生徒たち

生徒は中1から準備に入り、現地で英語を使いこなせるように、英語を “実技科目”として学びます。
「現地の授業は、ラーナー・センタードつまり学習者中心のスタイルで進められます。そこで本校では学期留学に向けて、中1から生徒が自分の学びに責任を持ち、自発的に、喜びを持って学べるような授業を展開しています。英語に関しては、タブレット端末やテキストなど数多くの素材を提供したり、学び方を提案したりして、生徒が自分に最適な学びを選択できるようにしています」
こうして準備を積み重ねた中3生たちは、いよいよニュージーランドのオークランドへ。現地では2週間、同校の生徒だけを集めた語学学校で英会話を学んだ後、1家庭に1人でホームステイし、現地校に通学。現地校は日本人同士でかたまらないように、同校の生徒が1クラス1名、1校3名までを原則としています。
「帰国後、すぐに生徒の英語力が伸びるわけではありませんが、留学に向けた学びや、現地での体験を糧にして、学力を伸ばす生徒が多いですね。今年、本校から国立大学に現役合格した生徒のほとんどがこの学期留学に参加していました」
学期留学で学んだ3人の高校生に話を聞きました。
「全員が英語しか話さないという環境に、想像以上に驚きました。でも、いつの間にか英語にも人間関係にも慣れてきました。海外に対する興味もわき、英語を聞く力もつき、将来は海外で社会貢献してみたいと思えるようになっています」(中山友貴くん・高2)
「日本では人の気持ちを察することが大切にされますが、ニュージーランドでは自分から口にしない限り、思いは伝わりません。帰国後は、自分の意見を持ち、はっきりと主張できるようになりました」(小林理咲さん・高2)
「帰国して、外国の人が英語で話すニュース番組を、気づいたら聞き取れていて自信がつきました。また、興味や関心が大きく広がり、今では、さまざまなことに挑戦したいと思っています」(池上史織さん・高1)
ニュージーランド学期留学


帰国する頃には、現地の生活に慣れて、
ほとんどの生徒が「ニュージーランドにもっといたい」と思うようになるそうです。




ある女子生徒は「ポリフェス」という伝統の
ダンスパフォーマンス大会にチームで参加しました(右写真の左から2番目)。
PICK UP
「イングリッシュキャンプ」で中1から留学の準備を

「現地校では、例えば数学の授業で正解を答えるだけでなく、なぜ、その正解が導き出せたのか思考のプロセスを先生に尋ねられます。こうした授業に慣れるために中1から、授業の中で自分の意見を発表する機会を多く設けています。また、学期に1度、ネイティブの教員とともにグループワークを楽しむ『イングリッシュキャンプ』を行います。今の中3生は、留学生たちの意見も取り入れて新製品を開発し、英語で発表するプレゼンテーション大会を行いました」(茂原輝光先生)
東京成徳大学のグローバル研修・留学(抜粋)
研修名 | 国名 | 期間 | 学年 |
---|---|---|---|
イングリッシュキャンプ | 国内 | 学期に1度実施 | 中1〜中3(必須) |
ニュージーランド学期留学 | オークランド | 3カ月 | 中3(必須) |
(この記事は『私立中高進学通信2019年9月号』に掲載しました。)
東京成徳大学中学校
〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109
進学通信掲載情報

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