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私立中高進学通信

2019年9月号

グローバル特集 アイデンティティ

芝浦工業大学附属中学校

「3つの言語」を強化して
世界に貢献する力を育む

歴史ある芝浦工業大学の附属校として、常に最先端の学びを実践してきた同校。「日本語」「英語」「コンピュータ言語」の3つの言語を強化する同校ならではのグローバル教育に迫ります。
『海外教育旅行』で訪れたシアトル航空博物館での記念撮影。参加した生徒たちは、約2週間にわたってアメリカの自然や産業、文化などに触れ、世界への憧れを強くします。

『海外教育旅行』で訪れたシアトル航空博物館での記念撮影。
参加した生徒たちは、約2週間にわたってアメリカの自然や産業、文化などに触れ、世界への憧れを強くします。

グローバル人材に必要な「3つの言語」を強化
「アメリカの農業や工業のスケール感を知る点でも、『海外教育旅行』で現地を訪れる意義は大きいです」と話す大坪隆明校長先生。「アメリカの農業や工業のスケール感を知る点でも、『海外教育旅行』で現地を訪れる意義は大きいです」と話す大坪隆明校長先生。

 芝浦工業大学の附属校として、多くの生徒が併設大学や理工系学部に進学する同校。2017年4月に最新設備を備えた東京・豊洲の新校舎にキャンパスを移転し、STEAM教育(※1)に力を注ぐなど、理工系に強い学校として存在感を示し続けています。

 同校の「グローバル人材」の捉え方は、他校とは少し違っています。めざすのは「日本語」「英語」「コンピュータ言語」の3つの言語に強い人材の育成です。

「“日本語力”がなぜ必要かと言えば、論理的な思考力を育み、英語力の土台を作るという点で、グローバル人材が活躍するのに不可欠だと考えているからです」

 と大坪隆明校長先生は話します。その向上に向けた取り組みの一つが、中1・中2の『ランゲージアワー』です。つくば言語技術教育研究所の指導を受け、10年以上前から行われている授業です。日本語で「読む」「書く」「聞く」「話す」ための4技能を鍛えることを目的に、『問答ゲーム』や『情報伝達』『絵の分析』などを週1回、実践しています。

「取り組みの成果でしょう。本校の生徒は話すこと、表現することへのためらいがありません」

 2つ目の「英語力」を高めるうえで、大きな役割を果たしているのが、中3の9月に全生徒が参加する『海外教育旅行』です。行き先はアメリカ西部で、シアトルやソルトレイクシティなど4つのコースから生徒たちが自由に選択します。2人1組でホームステイをしながら、現地の大学での語学研修や中学校との交流などさまざまな経験を積み、野球観戦や自然体験など、楽しいイベントも盛りだくさんです。

「最大の狙いは、生徒たちに海外へ行くことの楽しさを感じさせること。『もう一度行きたい』と思わせることです」

※1 STEAM教育…「STEAM」とは「Science」「Technology」「Engineering」「Art」「Mathematics」の頭文字を取ったもの。これら5領域を融合させた教育的手法で、世界的に注目を集めている。

プログラミング力は
英語力と同じくらい必要

 3つ目の「コンピュータ言語」について、近年の社会情勢も踏まえて大坪校長先生は次のように話します。

「プログラミング能力は、英語と同じくらいグローバル社会で不可欠です。とくに近年はソフトウェアの技術者が不足していて、これを学べば世界のどこへ行っても通用します」

 こうした視点から、プログラミング教育を積極的に推進。全生徒が1人1台、キーボード付きのタブレット端末を所持し、中1からタッチタイピングを習得。主として中学生は『Ruby』、高校生は『C言語』を活用して、プログラミングに取り組んでいます。

 同校では以前から、併設大学と連携しながら、スパゲッティで橋の模型を作る『工学わくわく講座』、簡易なロボットキットで競技会に臨む『ロボット入門講座』などを実践してきました。これら「ものづくり」とプログラミングを融合させた取り組みも実施。レゴで組み立てたロボットをコンピュータで動かす『レゴ®マインドストーム®EV3』を、授業で1人1台ずつ使えるように1クラス分を買い入れ、ロボットにボールを拾わせるなどのプログラミングに取り組んでいます。今後は、プログラミングを使ってドローンを制御する課題などにも取り組んでいく予定です。

「実際に物が動くと成果が目に見えるので、画面上だけでプログラミングするより楽しんで取り組めます」

 2020年4月から小学校では新学習指導要領の導入に伴い、プログラミング教育が始まります。同校のこうした授業実践に興味を持つ受験生も増え、ますます注目されることでしょう。

グローバル人材に不可欠な3つの力
1.日本語運用能力
『ランゲージアワー』の授業。『ランゲージアワー』の授業。

『ランゲージアワー』では、主として下記のような実践を通じて日本語運用能力を高めます。

問答ゲーム ゲームを通じ、「結論を言ってから理由を説明」という言語表現を身につけます。
再話 先生が読んだ物語の内容をメモに書き留め、話の概要を再現します。
情報伝達 たくさんある情報を整理・分類して、相手にわかりやすく伝えます。
絵の分析 1枚の絵をじっくりと観察・分析し、描かれた内容を言葉で表現します。

2.英語・英会話スキル
現地大学での英語の授業。現地大学での英語の授業。

 中3の9月に行われる『海外教育旅行』ではアメリカ西部を訪れ、下記の4コースのいずれかを選択。多彩な体験で英語力を磨きます。

ワシントン州
シアトル
現地大学での語学研修/MLBシアトルマリナーズ野球観戦/ボーイング社見学など
ユタ州
ソルトレイクシティ
現地大学での語学研修/ステートフェア(※2)見学・参加/野外スポーツ体験など
ユタ州
セントジョージ
現地大学での語学研修/ブライスキャニオン国立公園見学/リバートレッキングなど
コロラド州
デンバー
現地大学での語学研修/コロラド州議事堂訪問/大規模農場見学など

※2 ステートフェア…ユタ州の産業収穫祭。同校生徒たちも出店し、来場者の名前を漢字・毛筆で書く取り組みが毎年人気だそうです。


3.コンピュータリテラシー

 中学では「技術」の時間で、生徒たちがプログラミングに取り組んでいます。100名以上が在籍する人気の部活動「電子技術研究部」でも、『レゴ®マインドストーム®EV3』を使った高度なプログラミングが行われており、競技会でも優秀な成績を収めるなど部員が大活躍しています。

コンピュータ室には約100台のPCを完備。コンピュータ室には約100台のPCを完備。
生徒が制作したレゴのロボット。生徒が制作したレゴのロボット。
2021年4月より中学校も共学化
高校は2017年4月に、先行する形で共学化されました。高校は2017年4月に、先行する形で共学化されました。

 2021年度の入学生から、少人数の女子生徒を受け入れることが決定しました。詳細は今後発表される予定です。

進学通信 2019年9月号
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