私立中高進学通信
2019年9月号
グローバル特集 授業
星野学園中学校
本物に触れる環境で伸ばす
グローバルな発信力
創立以来『誰もが公平に知識や技能習得のチャンスを得るとともに、よき人格の育成をめざす全人教育』を理念とする同校。真の国際人にふさわしい本物の経験ができる環境を整えています。

ネイティブのパットン先生の質問に、生徒たちは英語で答えることができます。
伝えたい気持ちがわき上がる授業づくり

中高一貫の広大なキャンパスを持つ同校は、「本物に触れる」教育を大切にしています。芸術鑑賞会などの情操教育では東京フィルハーモニー交響楽団のコンサート、人間国宝を迎えての能・狂言鑑賞など「本物のすごさ」に触れる機会を欠かさず設けています。
「本校のモットーは “真面目がかっこいい”ですが、芸術鑑賞会では大人の真剣さを目の当たりにします。それが生徒たちに真剣に学んだり、チャレンジしたりすることの価値を認識させるのではないでしょうか」
と、英語科の小竹ちえみ先生は話します。グローバル教育においてもそれは同じです。本物の英語に触れるため、週6時間ある英語の授業のうち、1時間は必ずオールイングリッシュで行い、教科書を用いた授業と演習形式の授業を半分ずつにして、4技能をバランス良く伸ばす授業方針を貫いています。
また、中3でオーストラリア、高2でロンドン、パリを訪れる2回の海外修学旅行を実施し、生の英語に触れ、自分の英語力を試す機会を設けることにも積極的です。このほかにも中1から希望制で参加できる福島県のブリティッシュヒルズ研修、高2のカナダ・ホームステイ・海外語学研修など、厳選したプログラムも用意。英検対策や英会話レッスンなど、英語力向上や異文化理解、国際交流の素養を身につけるチャンスを豊富に設けています。
昨年からは、オンライン環境を活かした英語学習サービスを導入。映画のワンシーンなどをリスニング教材に活用し、ヘッドセットで音声を聞きながら自分の発音のチェックもできます。生徒は英検などの検定前、プレゼンテーション、ホームステイや海外・国内語学研修の前などに自発的に活用し練習しているそうです。
発信力の土台となる
ライティング力を強化
近年、とりわけ重視しているのが、英語の「発信力」の強化です。授業やホームルームなどで、身近な題材を英語でプレゼンテーションする活動をふんだんに取り入れています。中1では基本的な自己紹介を、中2では自分の好きなものや夏休みの思い出を英語でスピーチし、中3になると日本文化の紹介を英語で行うなど、発信する情報の幅を徐々に広げて、ものおじせずに話せる工夫を凝らしているそうです。
「英語だけで話しなさいと指示すると、生徒は委縮してしまいます。日本語が出てしまってもいいので、自分の意見を英語で伝えようとする態度を教員やクラスメートが認める雰囲気を大切にしています」と、小竹先生は言います。
また、英語の発信力を鍛えるには、確かな国語力と英語のライティング力を養うことが良いと言います。
「伝える力を身につけるには、自分の考えを持つことが前提となり、それには確かな国語力が必要です。私は英語科ですが、生徒には国語にも力を入れるように話しています。英語に関しては、スピーキング力の基になるライティング力が重要です。中2・中3で実施している『GTEC』(※)でもライティング力とスピーキング力の相関が認められます。しっかりと文を書けるようになるとスピーキング力も飛躍的に伸びます」
英語の発信力を磨きながら、ライティングを重視する授業を展開し、リスニングやリーディングなどほかの技能も統合させた形で、バランス良く授業を展開しているそうです。
英検の取り組みでは団体における合格者数全国1位を記録し、文部科学大臣賞を受賞。中3で準1級、高2で1級合格者を出すなど、真面目にコツコツ積み上げる校風が真の国際人を育んでいます。
※ GTEC…英語4技能を測る検定試験。「Global Test of English Communication」が正式名称で、その頭文字をとっています。GTECのスコアを入試で活用する大学も増えています。
4技能統合型の授業
8コママンガで発信力を高めよう!
取材をした中2の英語ではネイティブ教員の指導のもと、生徒それぞれが英語で書いたストーリーを8コママンガに仕立てて発表するというユニークな取り組みをしていました。
生徒たちは、1時間目で台本をプリントに書き、2時間目にそれを8コママンガにして、クラスメートの前でプレゼンテーションします。授業で習った英文を自分で活用できるかというパフォーマンステストの一環でもあります。
同校では生徒が1人1台タブレット端末を所有し、全教科で使用しています。生徒たちはネットでわからない語句を調べたり、イラストの参考になりそうな画像を検索したりとフルに活用していました。
プリントにイラストとセリフを書き込んだら、全員の前で発表です。和やかな雰囲気のなかで、ネイティブ教員からの質問にも英語で答え、楽しく授業が進行していました。


海外修学旅行
2回の海外修学旅行で本物の英語と異文化に触れる

同校では、中高6年間で2回の海外修学旅行を実施。全員参加で本物の英語に触れる機会を設けています。
中3の修学旅行はオーストラリア・ブリスベンへ出かけます。ホームステイ体験を通して自立心を育み、海外を経験する7泊8日の旅です。現地校の生徒とバディを組み、その家庭に同校の生徒2人でホームステイをする中で、同年代との交流を楽しみます。
「安全かつ気候が穏やかなブリスベンは、最適な修学旅行先です。交流している現地校も本校と雰囲気の似た共学校となります」(小竹先生)
高2の修学旅行ではロンドン、パリへ。ヨーロッパの文化に触れ、歴史を感じて、広い視野を持つ国際感覚を養っていきます。
(この記事は『私立中高進学通信2019年9月号』に掲載しました。)
星野学園中学校
〒350-0824 埼玉県川越市石原町2-71-11
TEL:049-223-2888
進学通信掲載情報

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