私立中高進学通信
2019年9月号
グローバル特集 授業
東京農業大学第三高等学校附属中学校
「オンライン英会話」で
やる気と英語力をアップ
新しい大学入試に向け、2020年から中高ともにグローバル化をより推進した改革を行う同校。その先駆けとして「オンライン英会話」の取り組みが強化されました。

毎週水曜日の放課後に行われる「オンライン英会話」では、セブ島の講師とのマンツーマンのレッスンで学ぶことができます。
イキイキとした表情や身振りからも生徒が集中して取り組んでいるのがわかります。
グローバル教育を強化した
教育改革が進行中
「実学教育」をベースに、学力、進路選択力、人間力を培う教育を行う同校。21世紀を担う国際人の育成をめざし、2020年度より中高で新たな教育プログラムが始まろうとしています。最難関大学への合格をめざす『中高一貫コース』では主要3教科の先取り授業、国立大学受験を視野に入れた5教科7科目に対応したカリキュラムを展開し、選抜クラスも設定しています。
また、改革の先駆けとして、今年度から高校で海外留学・進学を視野に入れたグローバル課程を新設。台湾の大学進学希望者を対象とした『華語講座』も始まっています。
中学では、昨年度から導入したSkypeによる「オンライン英会話」を、今年度からさらにパワーアップ。フィリピンのセブ島にある語学学校講師とオンラインでつなぎ、30分間の英会話レッスンを行います。中学生の希望者が対象で、毎週水曜の放課後、5回を1期として実施。多くの希望者がマンツーマンで英語を使う体験をしています。
レッスンは2つのコースが用意されており、日常会話力の向上をめざす「英会話コース」、英検二次試験の面接対策である「英検コース」のいずれかを選択できます。一斉に同じものを学ぶのではなく、完全に個別化された学習スタイルとなっているので、いつでも自分のレベルや目標に合った内容を学ぶことができる点も生徒に好評です。
英語を話す楽しさを体感
「オンライン英会話」
パソコン室に入ってきた生徒はすぐにパソコンの前に座り、ヘッドセットを準備し始めます。操作や接続方法がわからないということはほとんどなく、全員がスムーズにSkypeに接続してレッスンを開始しました。生徒たちはネイティブ講師と一対一の英会話レッスンが受けられる環境は貴重だとわかっているようで、週30分間と限られた時間を有効に活用しようとする姿勢が見て取れました。
「オンライン英会話」の目的は英語をたくさん話すことへの挑戦です。海外の人とコミュニケーションを取り、自信をつけることを狙いとしています。始まりと終わりのあいさつから、レッスンに合った発話や、フリートークでのおしゃべりなど飽きさせない構成となっています。
何よりも、英語がうまく伝わった時、講師が笑顔でほめてくれることが、意欲向上のポイントです。電子辞書を手元に置き「伝えるために活用する」態度が見られます。
英語科の阿部佑太先生は1年半、「オンライン英会話」に取り組む生徒を見てきて、授業態度に変化が生まれていると言います。
「オンライン英会話で習ったり、覚えたりした表現を、授業中にあえて使おうとする姿があります。担当の講師に“自分だけの英会話の先生”と親しみも生まれているので、次に話したいことへの意欲がわいてくるようです」


『グローバルイングリッシュキャンプ』や海外語学研修も充実
世界に触れる体験型学習も、今後、拡充を予定していますが、すでに現在も複数の研修を実施しています。
中2は夏休みの3日間を使って、新潟県のホテルで『グローバルイングリッシュキャンプ』を実施。15カ国以上から来た留学生と生活を共にしながら、英語を共通言語として持ちながら、交流を深めています。
海外研修も2コースを用意。中3から高2までが参加できます。1つはオーストラリア・クイーンズランド州での海外語学研修。州立の語学研修学校で午前は英語レッスン、午後は現地校での授業を体験する、英語漬けの生活を送ることができます。もう1つはフィリピン・セブ島での語学研修。春休みの2週間、オンライン英会話で教わっている講師が赴任する学校で1日最大10時間、レッスン中心の環境で英語を学びます。オンライン英会話で画面越しだった講師の先生に実際会えることが何よりのモチベーションアップになっています。


先生より一言
生徒たちの声が明らかに大きくなりました

昨年の10月から始まった「オンライン英会話」を担当する阿部佑太先生は、生徒たちの想像以上の英会話熱に感心しています。初めは小さな声で遠慮がちに話していた生徒も、回を重ねるにつれ笑顔が増え、積極的になっていったそうです。
「レッスン中はみんながヘッドセットを付けて会話しているため、教室内は比較的静かですが、今年になってから明らかに生徒たちの声の大きさが違う」と阿部先生。大きな声ではっきり伝えようとする姿が見られるといいます。また、レッスン2年目に入った中3生の中には「英検の二次試験のために」「海外語学研修のために」「スピーチコンテストで入賞するために」など、目的意識が明確な生徒も出てきているそうです。
(この記事は『私立中高進学通信2019年9月号』に掲載しました。)
東京農業大学第三高等学校附属中学校
〒355-0005 埼玉県東松山市松山1400-1
TEL:0493-24-4611
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