私立中高進学通信
2019年8月号
目標にLock On!! 私の成長Story
大妻嵐山中学校
「実験が多くて化学が好きになれた」
自分がやりたいことにチャレンジできる校風

東京農工大学 工学部 4年
OG 中野志保さん
小人数クラスで先生との距離が近い

「世界につながる科学する心、表現する力」をアドミッションポリシーに掲げる同校。久しぶりに母校を訪れた中野志保さんは、同校に入学した理由を「理数教育に力を入れていて、勉強だけでなく実験や課外活動があって楽しそうだったから」と話します。
自宅から学校まではスクールバスを利用。通学時間は勉強するなど時間を有効に使えたそうです。
「入学して、先生との距離がすごく近いことに驚きました。小学生の頃と比べると、クラスの人数は約25名と少人数。クラス担任以外にも学年担任や副担任などの先生がつきます。先生方が生徒一人ひとりを見守ってくれていることが伝わってきました。
クラスメートはグループで固まらず、いろいろな子と仲良く遊べる環境。一般的には、中学生は勉強をしていないことを自慢する風潮にありますが、『勉強することを笑わない』雰囲気がありました。それは、自分の性格にすごく合っていたと感じます」
同校では中1で国蝶オオムラサキの研究に取り組み、中3になるとそれぞれが調べたいテーマを1年間かけて実験・研究し、科学論文を書きます。
「虫が苦手だった私は、オオムラサキの研究が続くのでは……と不安で、理科担当の今井奈緒美先生に相談しました。『研究内容は虫ばかりじゃないから、大丈夫だよ』とアドバイスをもらい、安心してその後の研究に取り組めました」
中学生活で一番印象に残っているのは中3で実施される科学論文。「透明な氷をつくる」研究を、今井先生のアドバイスのもとで取り組みました。
「よく覚えているアドバイスは、レポートの書き方の手順を教わったこと。それまで感想などを漠然と書いていたけれど、結果と考察の違いなども知りました」
大妻祭の実行委員に立候補
友達と切磋琢磨した高校生活

学校生活では、最大の行事である大妻祭(文化祭)に、最も力を入れていたと言います。
中1の頃から大妻祭に関わる係に携わり、高2では、大妻祭の実行委員に立候補。副委員長として5カ月をかけて準備に取り組みました。
最も苦労したのは、フィナーレで花火を企画・運営したこと。おやじの会(保護者で結成される学校公認のボランティア団体)が花火の打ち上げをサポートしてくれました。
「これが学校生活で最後の大妻祭だ。みんなをまとめる側になって、楽しい文化祭にしようと立候補しました。副委員長は生徒の代表。自分たちで考えた企画を通すため、先生たちに何度も交渉しました」
授業では、今井先生の化学がとくに印象に残っていると言います。
「わかりやすく、実験の多い授業で、今井先生のようになりたいなと思っていました。1つ質問をすると、10の観点から考え方を教えてくれるのです。そのおかげで化学が好きになりました」
大学の進路を決めたのは高3の6月。新しいものをつくる勉強がしたいと工学部を選びました。自分の成績と照らし合わせ、いくつかの国立大学に志望校を絞り込みます。
「受験期になると、先生方が放課後に数学や英語などの講座を開いてくれました。少人数のため、『この問題をやってほしい』という希望が通りやすく役立ちました」
この頃から早めに学校へ登校するようになったという中野さん。早朝から勉強する多くのクラスメートの姿に「一緒にがんばろうね」と励みになったと言います。
現役で地方の国立大学に合格するも、「東京近郊の大学をめざしたい」という思いから周囲の反対を押し切り浪人することを決意します。
「先生方が心配してくださっているのが伝わりました。なおさら、『現役の結果を越えてやるぞ』と奮起。努力できました」
翌年、東京農工大学へ合格。学校に報告に来るとさまざまな先生から祝福の言葉をもらい、「こんなにいろいろな先生が卒業後も自分のことを気にかけてくれていたなんて」とうれしかったそうです。
何度も繰り返し
「できるまで」続ける
「問題集で間違った問題を詳しく振り返っていると、今度は正解した問題のことを忘れてしまう。その繰り返しなので、みんなが3回やればできる問題に10回は取り組みました」
座右の銘として掲げた「できるまでやればできる」は、受験時代の彼女の努力の表れです。
「今の進路を選んだのは、今井先生の授業で化学を好きになったからです。今後は、大学院に進学したいと思っています。プラスチックに代わる環境にいい素材をつくりたい。将来は今井先生のような教員か、研究職や商品開発職などを考えています」
人と関わることが好きだと話す、笑顔が素敵な中野さん。諦めずに努力し続ける姿勢が印象的でした。
これからも、思いやりのある自立した女性として輝き続けることでしょう。
恩師からの応援メッセージ
コツコツ真面目に取り組む姿勢で
自分の思いを実現に結び付けてほしい

学生時代は大妻祭の準備や勉強にコツコツと真面目に取り組んでいる姿が印象的でした。
将来の夢を、教育だけでなく、研究の道も考えていると話す様子は、学生時代の自分と重なります。似ているからこそ、心の底から「がんばれ!」とエールを送りたい。教員も研究も、「失敗してもめげない精神力と忍耐力」が必要です。コツコツ取り組める中野さんであれば、どちらの世界でも羽ばたいていけると感じています。(今井奈緒美先生)
(この記事は『私立中高進学通信2019年8月号』に掲載しました。)
大妻嵐山中学校
〒355-0221 埼玉県比企郡嵐山町菅谷558
TEL:0493-62-2281
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 芸術性も競い合う誰もが楽しめる華やかな大運動会 国府台女子学院中学部
- エールを送り合い支え合う生徒が主役の体育祭聖徳学園中学校
- 被爆地を訪ね、姉妹校とともに語り、学ぶ長崎研修旅行東京純心女子中学校
- 70年以上の歴史と伝統が宿るセーラー服刻まれた文化は今に受け継がれる女子聖学院中学校
- オリジナル生徒手帳聖学院中学校
- 文化部の全国大会である「総文祭」に昨年、2回目の出場佐野日本大学中等教育学校
- 演奏会で感じる仲間との絆息が合った瞬間に感じる達成感成城中学校
- 元日本代表がコーチ就任サッカーで育む「考える力」文化学園大学杉並中学校
- 「グローバル・サイエンス力」を磨き未来を切り拓くリーダーを育成芝浦工業大学柏中学校
- 広大な敷地に佇むキャンパス勉強に最適な落ち着いた環境を提供横浜翠陵中学校
- 学園での“みらい”が描けるオープンキャンパス麴町学園女子(麹町学園女子)中学校
- 探究教育への取り組みをわかりやすく説明実践女子学園中学校
- 早朝から放課後まで充実の学校生活を紹介!春日部共栄中学校
- 先生方に見守られながらのびのびと知・徳・体をバランス良く育む獨協中学校
- 「学習者中心の教育」を実現する自由で開放的な学習環境ドルトン東京学園中等部
- 国際人としての視点を育む海外研修体験実践学園中学校
- デザイン思考を実践する『シリコンバレー研修』品川女子学院中等部
- 全生徒が世界基準で実践“本気”のIB教育昌平中学校
- NZ3カ月留学を体験し自主性と自立心が高まる武蔵野中学校
- タブレットPCの積極活用で理解力・積極性がアップ文教大学付属中学校
- 自覚 卒業後の目標を定め高校生の自覚を促す研修旅行東京女学館中学校
- 世のためになる教養のある女性を送り出したい十文字中学校
- みんなで心と力を合わせれば目標に到達できることを知る 中2の第1回軽登山狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 新緑の軽井沢でスケッチ豊かな観察力や表現力を養う 中1校外学習~春季旅行 軽井沢~女子美術大学付属中学校
- 「物語」に描かれた世界を体験し知的好奇心を満たす 東京探見・物語散歩東邦大学付属東邦中学校
- 互いの存在を認め合える先輩・後輩、先生と生徒の絆が強い学校です高輪中学校
- のびのびとした環境の中で「実学」を通してたくましく成長する生徒たち東京農業大学第三高等学校附属中学校
- 明治大学の付属校という強みを活かし充実した6年間を過ごしてほしい明治大学付属中野八王子中学校
- 生徒の多様性を尊重した多彩な入試型を導入聖望学園中学校
- クラスをつくり自主学習の姿勢を養う専修大学松戸中学校
- 人間関係を広げながら幅広い視野と価値観を身につける八王子学園八王子中学校
- PBLでお互いを尊重する姿勢を身につける和洋九段女子中学校
- 「実験が多くて化学が好きになれた」自分がやりたいことにチャレンジできる校風大妻嵐山中学校
- 環境を活かすのは自分次第 入試懇談会で継承する合格への原動力城北中学校
- 『クリティカル・シンキング』と徹底した学習指導で大学合格実績が伸長多摩大学目黒中学校
- 2019年春の入試で過去最高の実績を記録躍進を支えた3つの学習支援東京都市大学等々力中学校
- 世界に目を向け平和を実現する女性を育てる恵泉女学園中学校
- 創立80周年を迎える2020年4月から「IA」「TA」「AA」「AA」「GA」の5コース制がスタート!昭和学院中学校


