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私立中高進学通信

2019年8月号

その先に備えるキャリア教育

東京女学館中学校

自覚
卒業後の目標を定め高校生の自覚を促す研修旅行

2泊3日の研修旅行では、先輩の体験を聞いて社会や仕事について学びます。
また、将来を語るスピーチで自分を知り、仲間とのつながりを強めていきます。
3分間スピーチでは生徒が本音を語り合います。自分自身をさらけ出すことで、お互いの価値観が広がっていきます。

3分間スピーチでは生徒が本音を語り合います。
自分自身をさらけ出すことで、お互いの価値観が広がっていきます。

「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」をめざす同校では、6年間を3つのステージに分けてキャリア教育を実施しています。

 第1ステージである中1・中2は “自己理解”として、自分の生い立ちをまとめる『自分史』づくりなどを通じて自分の能力や適性を理解します。中3・高1は第2ステージにあたり、 “個性の伸長”をめざします。『15歳のハローワーク』や研修旅行で、社会で活躍する先輩たちとの交流を通して新しい価値観を吸収し、生徒自身の可能性を広げていきます。最後のステージは高2・高3の “自己実現”。自分の進路を自ら選び、その実現に向けて努力します。

「私は中3・高1の2年間をとくに重要と考えています。高校で自分の将来と向き合いますが、選択肢を増やすためにさまざまなプログラムを組んで価値観を広げることを意識しています」(学年主任/阿部純一先生)

 毎年、高1の5月に実施している研修旅行は、その要となる行事です。2泊3日の箱根での合宿生活でクラスの親睦を深め、高校生の自覚を促し進路について考えることを目的としています。合宿の主なプログラムは、グループでさまざまな課題解決に取り組みながら友達との距離を近づける冒険体験学習、卒業生の講演会、3分間スピーチの3つです。

「卒業生に自分のキャリアや具体的な業務内容を講演してもらい、生徒に社会を意識させます。在学中を振り返る話もあるので、生徒は高校3年間の重要性に気づき、新しい生活をスタートしようと気持ちを切り替えます。卒業生は合宿前に進路学習委員会と打ち合わせをし、生徒の興味を理解して内容を考えるので、生徒の関心とのズレは生じません。生徒にとって卒業生は将来のモデルケースの1つとなることでしょう」(阿部先生)

 研修旅行では、3分間スピーチに最も多くの時間を費やします。

「クラスメートの前で、自分の考えや大切にしていること、将来について3分間で話します。発表原稿を準備しながら、自己理解を深めていきます。また、クラスメートの発表を聞いて他者を理解し、人間関係を築きます。同時に、自分の中にはない価値観が生まれるのです。この3日間でいろいろなことを自分なりに感じ取って、吸収してほしいですね」(阿部先生)

研修旅行での卒業生による講演会の様子。卒業生から現在の具体的な仕事や在学中の体験などを聞いて、「自分がなりたい女性」について考えるようになります。研修旅行での卒業生による講演会の様子。卒業生から現在の具体的な仕事や在学中の体験などを聞いて、「自分がなりたい女性」について考えるようになります。
初日に行われる冒険体験学習の様子。手に持った竹筒をつないで転がしたビー玉を渡していくゲームなどの課題にグループで協力して課題に取り組み、クラスの絆を深めます。初日に行われる冒険体験学習の様子。手に持った竹筒をつないで転がしたビー玉を渡していくゲームなどの課題にグループで協力して課題に取り組み、クラスの絆を深めます。
Report
本音で語る3分間スピーチ
3日にわたってクラスメート全員が3分間スピーチを行います。3日にわたってクラスメート全員が3分間スピーチを行います。

 スピーチに向けて原稿を準備しますが、当日は原稿を見るのはもちろん、丸暗記して読み上げるのも禁止です。また、当日に原稿内容を変更したり、原稿から離れた発表になったりしても構いません。実際、旅行中に友達との距離が近づいて、それまで言えずにいた自分の弱みや悩みなどを打ち明けるのはよくあることで、そうした本音を引き出すことが3分間スピーチの狙いです。

 発表後、クラスメートが質問や感想を述べたり先生が講評したりするので、周りの人が自分をどのように受け止めてくれたのかがわかり、安心して高校生活を始めることができます。

「本音を話すうちに感情が高ぶり、涙する生徒は少なくありません。米がぶつかり合うことで研がれていくように、本音をぶつけ合いながら互いに成長していきます」(阿部先生)

Report
進路学習委員会のやりがい
委員長・Kさん(左)と副委員長・Oさん委員長・Kさん(左)と副委員長・Oさん

 キャリア学習は、生徒が主体となって準備や運営に取り組む実行委員会形式で行います。進路学習委員会の委員長・副委員長の役割を通して感じたことなどについてお話をうかがいました。

――Qどうして進路学習委員会委員長になったのでしょうか。

「中3の沖縄修学旅行で平和学習委員会の委員長になりました。250人の生徒をまとめることは大変でしたが、大きなやりがいを感じました。その時の気持ちをまた味わいたいと思い、委員長になりました」(Kさん)

――Q副委員長になって良かったと思うことを教えてください。

「副委員長になってみんなをまとめる難しさを感じていますが、リーダーシップを学んでいると実感できるところです」(Oさん)

――Q研修旅行中で良かったことは何ですか。

「新しいクラスになって1カ月くらいなので、仲は良いけれどお互いに気を遣っている部分もありました。でも、グループで課題を解決する体験学習を通じて一気に打ち解けることができたので良かったです。おかげで3分間スピーチは本音で話すことができました」(Kさん)

「3分間スピーチの中で、“ありがとう”という言葉や笑顔を大切にしているという友達の発言に心が動きました。私たち委員会は最終的には“ありがとう”と言われるような仕事をしたいと思ってがんばっています。準備も含めてこの合宿期間中に“ありがとう”を聞いてうれしく感じていたので、友達の姿勢を見習いたいです」(Oさん)

高1の自覚と新たなスタートのためのスイッチとなる研修旅行
 阿部純一 先生
学年主任 理科

 中3から高1になることは、義務教育の修了と自発的な学びの開始という大きな節目なのですが、中高一貫校の本校は校舎や先生、仲間が変わらないのでその意識が希薄です。研修旅行は、高校生という新たな生活をスタートする“やる気スイッチ”になります。旅行後に「朝、少しだけ早起きして図書館で勉強するようになった」と生徒が話してくれましたが、些細なことでもできることが増えることで自信につながります。

 キャリア教育の面では、社会で活躍する先輩に接することで、将来の目標が鮮明になり“がんばろう!”と意識し始めます。中学までは、学校が与えたものを受け取るということが多かったと思いますが、友達や先輩の話を聞いて自分から将来や物事を考えるようになってほしいですね。

(この記事は『私立中高進学通信2019年8月号』に掲載しました。)

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