私立中高進学通信
2019年8月号
学校ってどんなところ?生徒の一日
春日部共栄中学校
早朝から放課後まで
充実の学校生活を紹介!

困難な時代にあっても至高の誠実さを貫く「至誠一貫」を建学の礎として、さまざまな取り組みを行っている同校。校訓にもある「明朗勤勉」な生徒たちが、仲間と一緒に明るく学校生活を送っていました。
私が紹介します!

中2 青木智宏くん
卓球部に所属。お姉さんが同校の高1に在籍しています。「姉が通っていた学校なので安心感がありました。また、学校説明会や文化祭に来て、雰囲気が良いなと感じ、入学しました」。
8:00 登校

生徒は東武鉄道「春日部」駅西口より出ているスクールバスなどで登校してきます。8:10頃にはほとんどの生徒が学校に到着するそうです。
8:15 Mタイム

朝学習のMタイム(※下記の「早朝から放課後までの学習活動」参照)。この週、週番だった青木くんは、Mタイムの進行係を担当。リスニングのCDをかけたり、ストップウォッチでタイムを計ったりしました。
8:50 1時限目 理科

いろいろな動物の骨格や歯の写真を見て、それらの特徴から何の動物なのか、草食動物なのか肉食動物なのかを考えました。この日は座学でしたが、青木くんは「理科の実験が好き」だそう。
9:50 2時限目 英語

日本語の短文を英語に訳したり、「L」の発音を学んだりしました。週1時間ネイティブの教員による授業があり、4技能をバランス良く学べます。
10:50 3時限目 音楽

先生が和太鼓でお題のリズムを叩き、生徒は机を叩いて同じリズムで打つ練習をしました。今後は、グループごとに和太鼓を演奏し、授業の中で発表される予定です。
11:50 4時限目 国語
たくさんの漢詩が書かれたプリントが配られ、生徒はそれぞれの漢詩について書き下し文と現代語訳を書いていきました。



12:40 昼休み
青木くんは毎日お弁当を持参し、教室でクラスメートと一緒に食べます。担任の先生ともおしゃべりをして、クラス全体がとても楽しそう。「お弁当を食べたら次の授業の準備をしたり、他のクラスの子としゃべったりしています。友達としゃべっている時が一番楽しいです」(青木くん)。
食堂で作ったお弁当やパン、フライドポテト、ジュースなどが販売されます。昼休みのチャイムが鳴ると同時に、たくさんの生徒がやって来て長蛇の列に。とくにサイドメニューのフライドポテトは人気が高いようです。



13:25 5、6時限目 家庭科
生徒が各自好きな布を選んでイージーパンツを作ります。これは中学開設当初から続いている課題です。この日は全8回授業の4、5回目で、すその始末、股上のしつけなどが行われました。「ミシンでちょっと失敗したけど、何とかうまく直せました」(青木くん)など、楽しそうに取り組んでいます。パンツが完成したら、服とのコーディネートも考えます。


15:20 帰りのHR

担任の先生から連絡事項を聞き、帰りのあいさつをします。
15:25 清掃

机を後ろに下げ、教室の床をモップなどできれいにします。
15:50 部活動
文武両道をモットーとしている同校では、中学生の約90%が部活動に所属しています。入学時から卓球部に所属する青木くんは、清掃が終わると卓球場へと直行。仲間と一緒に卓球台を使って練習します。「卓球部では中高一緒に楽しく練習しています。先輩の皆さんはやさしいです」。


18:00 下校
部活動は17:40で終了。後片づけをして、18:00発のスクールバスに乗り込みます。


さまざまな英語教育や年6回の講演会も
グローバル教育に力を入れている同校では、グローバルイングリッシュプログラムやバンクーバー語学研修、「K-SEP」(Kyoei Summer English Program) など、さまざまな取り組みを行っています。「K-SEP」は中3の1学期の期末試験後の8日間、カナダから大学生や教員を招き、それぞれの専攻や得意分野別にグループに分かれて英語でレクチャーを受けます。教わった内容をもとに資料を作成し、最終日にプレゼンテーションを行います。
「最初はおどおどして恥ずかしがる生徒もいますが、すぐに英語のみの環境に慣れてきます。最後のプレゼンが終わると、お別れに全員で歌って感謝の意を表します。この8日間の体験は、高校生になってからの英語学習のベースになります」(中学校教頭/星善博先生)
また、生徒に“授業では得られない多様な知識”を与えるために、年間6回、講演会も行っています。生徒それぞれの関心に応える最先端キャリア教育として「メディアクリエイターの世界」「開発途上国の生活と文化」など、さまざまなテーマでの講演が行われ、開校以来、137回を数えています。
「社会に出て役立つ人材になるためには、何らかの得意分野、専門性が必要となりますが、中学時代にその素地を育てたいと考えています。講演会ではいろいろな分野の方にお話をしていただきます。『国境なき医師団の活動』の講演を聞いて、今年医学部に入学した生徒がいました。そのように、生徒が“世界”と出会うためのきっかけ作りとして講演会を開いています」


早朝から放課後までの学習活動

「Mタイム」で使われるワールドビューやストップウォッチなどを手に。
授業以外での学習活動として「Mタイム」「Sタイム」「Lタイム」があり、生徒たちは積極的に参加しています。これらの取り組みについて星先生、青木くんに聞きました。
同校では2003年の中学校開設以降、「Mタイム(朝学習)」が行われています。生徒が学校に到着した朝8:15から8:40までの時間を使い、速読練習、漢字書き取り練習を各2分、ワールドビュー1分、英語リスニング5分、英単語5分、数学演習問題3分などの短時間学習を毎日繰り返します。
ワールドビューとは、生徒が新聞や雑誌から興味のある記事を選び、その要約、感想、提案・対案を書いて提出するもの。その中から先生が選んだ1枚を「Mタイム」の時間に全員で読みます。生徒の社会的関心や読解力を育むための学習です。
「脳が一番活性化する朝の時間を有効に使うために何をやれば良いか、と先生方と話し合って『Mタイム』を始めました。毎日、分単位の短い学習を繰り返し、基礎力を身につけています。こうした毎日の積み重ねはとても大切で、授業内容の着実な習得につながっていきます」(星先生)
この「Mタイム」は生徒主体で行われていて、週番の人が開始、終了の合図をするなど、進行役を務めます。また、中1のクラスは中3生が面倒を見ています。
「『これからワールドビューを始めます』と言ってストップウォッチで時間を計り、終了時間になったら合図をします。みんな、毎日やるべきことがわかっているので、とくに大変だとは感じていません。
僕自身、Mタイムには大分慣れました。学習成果としては、とくに英語力が身についたと思います。また、ワールドビューは、自分の関心のある記事を選ぶので、面白いです。以前はあまり新聞を読まなかったのですが、『ワールドビューがあるから読もうかな』と思うようになりました」(青木くん)
「Mタイム」のほかには、朝7:45より30分間、各教科の補習や発展的学習などを希望制で行う「Sタイム(特別学習タイム)」もあります。主に、英語検定や数学検定などの対策として、短時間でのワンポイントレッスンが行われます。また月・水・金の放課後には「Lタイム(放課後の補習)」もあります。月・金は英語・数学のハイレベル講習とボトムアップ講習、水曜日は自学自習をする時間となります。
「Lタイムでは、英語、数学が伸び悩んでいる生徒には補習を行って取りこぼしのないようにし、また伸びている生徒はより発展的な学習を行います」(星先生)
青木くんも英検を受ける直前対策としてSタイムを受講。またLタイムにも積極的に参加しています。
「英検対策では、リスニングやライティングなど日によって内容が違いますが、続けると力になります。Lタイムではみんな自主的に学習しています。わからないことがあると先生に質問します。自分が得意な分野をさらに伸ばす勉強もできます」(青木くん)


(この記事は『私立中高進学通信2019年8月号』に掲載しました。)
春日部共栄中学校
〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213
TEL:048-737-7611
進学通信掲載情報

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